「年齢とともに髪の毛の量が減ってきた」「髪が細く、弱々しくなった」そんなお悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
髪は人の印象を大きく左右する要素のひとつ。できることなら、フサフサでコシのある髪を長く維持したいですよね。
そこでぜひ試してほしいのが、ミノキシジルを配合した内服薬や育毛剤です。ミノキシジルは男性の薄毛治療に使われるイメージが強いかもしれませんが、実は女性の薄毛にも役立つ成分。
この記事では、女性の薄毛に対するミノキシジルの効果と副作用についてご紹介します。薄毛に悩まれている人に役立てていただけたら嬉しいです!
この記事のポイント
ミノキシジルを飲む前に!女性の薄毛について知っておこう
女性の薄毛は、男性とは異なる特徴や原因があります。ご自身の症状に理解を深めるためにも、薄毛治療を始める前に基本情報を知っておきましょう。
女性の薄毛の特徴~男性の薄毛とどう違う?~
「薄毛」と聞いて真っ先にイメージされるのは、男性型脱毛症(AGA)の症状ではないでしょうか。AGAは、生え際や頭頂部の毛髪は薄くなるものの、後頭部や側頭部には十分な量の毛髪が生えている場合が多いのが特徴です。
これは遺伝的な要因により、男性ホルモンの一種ジヒドロテストステロン(DHT)の分泌量が増えることが主な原因となっています。
一方女性の薄毛の場合、全体的に髪が薄くなる「びまん性脱毛症」の症状がよく見られます。毛量が減ることに加え、髪の毛1本1本が細くなる人も多く、頭頂部やつむじの薄さが目立ちやすいのが特徴です。
女性の薄毛にもDHTが影響している部分はあるのですが、他にもさまざまな要因で引き起こされます。
女性の薄毛の原因|ホルモンバランスの変化
女性の薄毛の最も大きな要因は、女性ホルモンの一種エストロゲンの分泌量が低下してしまうこと。
エストロゲンは”美肌のホルモン”として知られていますが、実は毛髪の成長促進作用や、毛周期を正常に保つ働きも持っており、髪の毛の状態にも大きく影響しているのです。
そのためエストロゲンの分泌量が減少すると、薄毛や抜け毛が目立つようになってしまいます。
まずエストロゲン値に影響を与える要因としては、年齢が挙げられます。
エストロゲンの分泌は、閉経の前後5年(合計10年)ほどの更年期と呼ばれる期間に急激に低下する傾向があるのです。特に40代以降で薄毛に悩む女性が多いのはこのためです。
また妊娠・出産のタイミングでもエストロゲン値は大きく変動します。
妊娠中は徐々にエストロゲンの分泌量が増加するのですが、出産を経て急激にエストロゲン量が低下するため、その落差によって一気に薄毛が目立つようになるケースが多いのです。
その後エストロゲンの分泌量が安定してくることで元の毛量に戻る人も多いですが、なかなか戻らない人が一定数いるのが現実です。
この他にも、ストレスや不規則な生活が続くことによる自律神経の乱れが、ホルモンバランスの乱れにつながる場合もあります。
生活習慣を整えたり、女性ホルモンの働きをサポートするイソフラボンを摂取したりすることで、ホルモンバランスが安定するケースもありますが、年齢などによる場合はセルフケアでの改善には限界があると覚えておきましょう。
女性の薄毛の原因|美容施術やヘアケアによる頭皮ダメージ
女性に限った話ではありませんが、カラーリングやパーマ等の美容施術が薄毛の原因となる場合もあります。
最近は髪に優しいカラーリング剤やパーマ剤も増えており、一概にカラーやパーマが「髪に悪い」とは言えませんが、頭皮へのダメージが強くなってしまうと、毛周期の乱れにつながるのです。また昔から繰り返している人はその分頭皮へのダメージ蓄積も大きく、特に自己流になりがちなセルフカラーには注意が必要です。
髪や頭皮の状態を美容師と確認しながら施術を決めたり、場合によってはカラーリングやパーマを一定期間控えたりすることで、改善が見込める場合もあります。
同じく、間違ったシャンプー方法によっても頭皮にダメージが加わる恐れがあります。
・洗浄力の強すぎるシャンプーによる頭皮の乾燥・炎症
・汚れ落ちが不十分なことによる頭皮環境の悪化
・洗髪時に強く擦ることによる頭皮ダメージ
・すすぎ残しによる洗浄成分など刺激
このように、さまざまな落とし穴があります。毎日のシャンプーによって、逆に薄毛や抜け毛につながってしまったら元も子もありませんよね。
肌質に応じて適切な洗浄力のシャンプーを選ぶこと。そして、指の腹を使ってやさしく洗うことを心がけましょう。
女性の薄毛の原因|栄養不足
若い女性に特に多いのが、無理な食事制限を伴うダイエットが原因で薄毛になってしまうパターンです。
毛髪の成長は、日々体に取り込まれる栄養素を材料に行われているもの。十分な栄養が得られないと、当然髪の成長は停滞してしまうのです。
また栄養は血流によって運ばれ、頭皮の毛細血管を通って髪に届きます。そのため緊張や体の冷えにより毛細血管が収縮することも、栄養素の運搬が滞る要因となってしまいます。
対策としては、適度な運動を取り入れることが1番です。体を動かすことで血行が促されるとともに、心身のリフレッシュにもつながります。
ダイエットがしたい方は過度な食事制限に頼らず、運動を取り入れることで、適度に筋肉を付けながら健康的に痩せられるといいですね。
女性の薄毛に対するミノキシジルの効果
薄毛を改善したいとき、生活習慣やヘアケア方法を見直すのももちろん大切なのですが、それだけでは大きな変化が見込めない場合も多いですよね。そんな時に検討してほしいのが、ミノキシジルの内服薬や外用薬を取り入れることです。
ここからは女性の薄毛にもオススメの成分ミノキシジルについて詳しく紹介していきます。まずはミノキシジルに期待できる効果について見ていきましょう。
効果①毛細血管の拡張
ミノキシジルには、毛細血管の新生を促す作用があります。このことから、実はもともと高血圧の薬として使われてきた歴史もあるのです。
血行が促されることで、発毛に欠かせない栄養がしっかり毛細血管まで届くようになるため、薄毛の改善につながります。
効果②発毛シグナルの生成をサポート
ミノキシジルには、発毛を促進する物質(発毛シグナル)の生成をサポートする働きがあります。
髪の毛は、毛根に存在する毛母細胞が作っています。毛母細胞は、毛乳頭という器官から栄養や発毛シグナルを受け取ることで活発に働きます。
ミノキシジルは、IGF-1(インスリン様成長因子1)やVEGF(血管内皮細胞増殖因子)といった発毛シグナルの産生を促すことに加え、毛母細胞の死滅を抑制する働きもあるため、丈夫な毛髪をたくさん生やすのに役立つのです。
効果③毛周期を整える
毛の成長には毛周期と呼ばれるサイクルがあります。毛周期は大きく分けて「成長期・退行期・休止期」の3期からなり、このうち成長期は髪が最も活発に伸びる期間です。
通常であれば、髪の成長期は2~6年間あるのですが、毛周期の毛が乱れると成長期が短くなり、髪が十分に育たないまま退行期に移行してしまいます。
こうして退行期や休止期の毛の割合が増えることで、全体的に毛髪が薄く見えてしまうのです。
ミノキシジルの作用で毛母細胞が活発に働くようになると、毛周期も正常なサイクルに戻すことができます。成長期の間に髪1本1本が太く・長く育つことで、全体的にフサフサとした頭髪になっていくのです。
女性の薄毛改善に!ミノキシジル内服薬
ミノキシジルを配合した製品としては、内服薬と外用薬(育毛剤)の2種類がメジャーです。中でも内服薬はより早く着実に効果が得られるケースが多い一方、副作用のリスクを不安視する意見もよく聞かれます。
ここでは、ミノキシジル内服薬の効果や副作用について解説します。
服用方法
ミノキシジル内服薬は、実は日本国内で薄毛治療薬として正式な承認は得ておらず、ドラッグストアなどでは手に入れることができません。服用したい場合は、個人輸入で海外から入手するか、取り扱いのあるクリニックで処方してもらうかの2択となります。
個人輸入の場合、安く購入できる点は魅力的ではありますが、品質面や安全面の不安がどうしても拭いきれないため、医師の診察を伴うクリニックでの購入を強くお勧めします。
恵比寿アズクリニックで取り扱っているミノキシジル内服薬
発毛治療を目的としたミノキシジル内服薬は、2.5mg~10mgの範囲で配合されるのが一般的です。恵比寿アズクリニックでは、女性には2.5mgの低用量タイプを処方することがほとんどですが、副作用の懸念がある場合はタブレットを半分に割って服用していただくこともあります。
1日1回、水かぬるま湯で服用し、体調に問題がなければ6カ月ほど飲み続けます。
どのくらいで効果が出る?
ミノキシジル内服薬の発毛効果は、飲み始めてから3~6カ月ほどで現れます。
経過として覚えておきたいのが、初期脱毛という症状についてです。
初期脱毛は、服薬を始めて1カ月ほどのタイミングで現れる副反応で、薬を飲み始める前より抜け毛が増えたように感じることがあります。これは毛周期が整う過程で古い毛髪が1度抜け落ちることで起こる現象であり、その後新しい毛が生えるための準備期間とも言えます。
初期脱毛の症状が現れても通常1~2カ月で抜け毛が落ち着き、その後発毛効果が現れ始めますので、ご安心ください。
ミノキシジル内服薬の副作用
ミノキシジル内服薬は効果的な反面、副作用の懸念があり、人によっては体質に合わない場合もあります。
最も注意が必要なのが、血圧低下によって生じる諸症状です。ミノキシジルはもともと高血圧の薬として開発された背景があり、服用すると血管が拡張し血圧が下がります。そのため次のような症状が現れます。
・めまい、貧血
・頭痛
・動悸、息切れ、不整脈
・むくみ
軽度の場合、服用を続けるうちに改善することが多いです。
しかし改善が見られない方や、稀に重篤な症状につながるケースもあるため、強い副作用が出た場合は必ず服用を休止してください。
また健康面にはそこまで影響はありませんが、高確率で起きる副作用として多毛症があります。内服薬は全身に作用するため、髪の毛だけでなく体毛も同時に濃くなってしまうのです。それだけミノキシジルの発毛効果が高いということではありますが、薄着の季節などは特に気になってしまいますよね。
多毛症を感じた場合はご自身で処理していただいても良いですが、医療脱毛の併用がより確実です。
女性の薄毛改善に!ミノキシジル外用薬
「内服薬は副作用が心配…」という人は、ミノキシジルを配合した外用薬(育毛剤)を使うのも良い方法です。最後に、より手軽に薄毛対策ができるミノキシジル外用薬についてご紹介します。
どこで買えるの?
ミノキシジルの外用薬は日本国内で医薬品として承認されており、クリニックで処方してもらう方法だけでなく、ドラッグストアや薬局でも手軽に購入することができます。
ただしドラッグストアなどで購入する場合も薬剤師の説明を受ける必要がある点に注意が必要です。
また外用薬であっても副作用のリスクは0ではないため、不安な場合はクリニックで処方してもらうのと良いでしょう。
ミノキシジル外用薬の種類
ミノキシジル外用薬は、市販の場合で1~5%の濃度が一般的です。5%と高濃度のものは男性向けに設計されているものが多く、女性向け商品は1%程度であることが多いです。
薬剤のタイプも、サラサラとした液体タイプ、泡タイプ、とろみのある塗り薬タイプなどさまざま。
またミノキシジル以外の配合成分にも製品ごとに個性があり、ご自身の頭皮環境に合ったものを選ぶことが大切です。
まとめ
年齢とともに毛量が少なくなり「鏡を見たときに気分が沈んでしまう…」と悩んでいる人は意外と多いものです。
薄毛を改善するには、生活習慣を見直すと同時に、お薬を使って治療を行うのが効果的。特にミノキシジルは女性の薄毛にも効果を発揮するため、試す価値アリです!
副作用のリスクもありますので、安全に治療を進めるためにも、まずはミノキシジルの取り扱いがあるクリニックで相談してみてください。