保湿効果の高い成分としてよく知られているセラミド。肌の乾燥に悩み、スキンケアにセラミド化粧品を取り入れようと検討している人もいると思います。
しかし「セラミド」の名がつく化粧品をやみくもに使うのはちょっと待った! セラミドには種類があり、より効果の見込める化粧品を選ぶにはちょっとしたコツがあるんです。
今回は、セラミド化粧品を取り入れるうえで最低限マスターしておきたいポイントをわかりやすく紹介します。おすすめのアイテムもセレクトしていますので、気になる方は参考にしてみてくださいね。
この記事のポイント
化粧品で取り入れたい!セラミドの役割
「セラミドってそもそもどんな成分?」と思っている人もいるでしょう。そこで、まずはセラミドの役割について解説します。
セラミドは肌の3大保湿因子の一部
実はセラミドというのは、私たちの皮膚にもともと存在している成分です。
皮膚は表皮・真皮・皮下組織という層に分かれており、セラミドがあるのは皮膚の一番上の「表皮」。その中でもさらに一番上にある「角質層」という部分に存在します。この角質層は、肌のバリア機能を正常に保つ働きがあるのです。
「3大保湿因子」という言葉を聞いたことがありますか? これは皮膚のうるおいをキープしている「皮脂膜・天然保湿因子(NMF)・細胞間脂質」の3つのことをいいます。
皮脂膜 | 油分と水分で構成されており、肌表面を覆って水分の蒸発を防ぐ蓋の役割を果たす |
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天然保湿因子(NMF) | アミノ酸やミネラルなどで構成されており、角質細胞内のうるおいを保つ働きがある |
細胞間脂質 | セラミドを主成分とし、何層にも重なることで水分を挟み込み蒸発を防ぐ |
これらが何らかの原因で減少すると肌のバリア機能が乱れ、外部刺激に弱い状態となってしまいます。肌内部の水分も蒸発しやすくなるため、角質層のキメが乱れてカサカサと乾燥しやすくなったり、紫外線やアレルゲンによる影響を受けやすくなったりします。
この3大保湿因子のうち細胞間脂質の主成分となっているのがセラミド。角質層の水分の約80%を守っているとも言われており、乾燥知らずの健やかな肌をつくるカギと言えるのです。
加齢によってセラミドは減少する
肌の保湿に重要な役割を担っているセラミドですが、年齢を重ねるにつれて減少してしまうことが分かっています。
これは、加齢とともに肌のターンオーバーが滞りがちになることや、セラミド生成に関わる女性ホルモン(エストロゲン)が減少することなどによるもの。50代になると、セラミド量は20代の約半分にまで減少すると言われており、乾燥や肌荒れ、小ジワなどの肌トラブルが起きやすくなってしまいます。
だからこそ、エイジングケアとしてセラミド配合の化粧品を取り入れ、不足したセラミドを外側から補うことがとても大切なのです。
化粧品に配合されるセラミドの種類をチェックしよう
人間の皮膚には十数種類のセラミドが存在すると言われています。セラミド1、セラミド2…といったように名前がつけられており、なかでも重要とされるのがセラミド1〜3。
セラミド1は外部からの刺激をバリアする働き、セラミド2は水分を保持する働き、セラミド3はシワを軽減する働きがあると言われています。どれも美肌には欠かせない作用ですよね。
化粧品でセラミドを補給する場合は、人間がもともと持っているセラミドに近い種類が配合されているものを選ぶのがポイントです。
ここでは、化粧品に配合されているセラミドの主な種類について解説します。
天然セラミド
馬をはじめとする動物由来のセラミドで、人間が持つセラミド1〜7がすべて含まれています。成分表示名は「ビオセラミド」「セレブロシド」「ウマスフィンゴ脂質(馬由来のセラミド)」などとなっています。
肌に浸透しやすく、使い続けると皮膚で生成されるセラミドの増加にもつながるとされていますが、配合化粧品の価格はやや高額になりがちな点がデメリットです。
ヒト型セラミド(バイオセラミド)
人間が持ついずれかのセラミドの構造に似せて、酵母からつくられたセラミドのことをいい、成分表示名は「セラミド1」「セラミド2」「セラミドNG」「セラミドAG」などとなっています。
保湿力や浸透力に優れており、配合化粧品の価格も天然に比べるとリーズナブルな点が魅力的です。
植物性セラミド
コメ、麦、大豆、トウモロコシ、コンニャクなどから抽出するセラミドで、成分表には「植物性セラミド」「コメヌカスフィンゴ糖物質」などと記載されます。
人間が持つセラミドの構造とは一部異なるため、天然・ヒト型に比べ浸透力はやや劣ります。
合成セラミド(疑似セラミド)
石油原料からセラミドに似た物質を化学合成したもので、成分表示名は「セチルPGヒドロキシエチルパルミタミド」などと記載されます。配合された化粧品は手頃な値段のものが多いですが、セラミドとは別物と考えるべきでしょう。
おすすめは「天然セラミド」or「ヒト型セラミド」
ご紹介した4種類のセラミドを比較するとお分かりの通り、人間の皮膚にもともと含まれるセラミドとの親和性が高いのは、天然セラミドかヒト型セラミドになります。この2種類であれば肌への浸透性がよく、高い保湿力が期待できます。
化粧品の謳い文句に「セラミド配合」と書いてあっても、その種類は成分表を見るまでわかりません。より保湿効果を得たいなら、きちんとセラミドの種類を確かめてから購入しましょう。
他にもある!セラミド化粧品を選ぶコツ
セラミドの種類以外にも、セラミド化粧品を選ぶ際にチェックしたいポイントがあります。
セラミド配合量の多いものを選ぶ
セラミドを少量しか含まれていない化粧品であっても、「セラミド配合」と謳えてしまうのが難しいところ。十分な量が含まれているかを確かめる目安として、成分表に記載されている順番に注目しましょう。
化粧品の成分表示は、配合量の多い順に記載することが義務づけられています。そのため記載順が早い成分ほど、たくさん配合されていることを示しています。
具体的に何mg配合されているかまではわかりませんが、判断材料としては十分。特に乾燥が気になる方は、できるだけ前方にセラミドの記載があるものを選びましょう。
ナノ化セラミドを配合したものを選ぶ
一般的なセラミドを化粧品として外から肌に浸透させる場合、届くのは角質層の表面まで。角質層のより深く、隅々まで行きわたらせるには、セラミドを通常よりはるかに小さくした、いわゆる「ナノ化セラミド」を配合した化粧品を選ぶのがオススメです。
また単純に小さくしたものだけでなく、ナノサイズのカプセルにセラミドを詰め込むことで成分の安定性を高めた「セラミドナノスフィア」というものも存在します。
化粧品メーカーの技術によって浸透率が高められたこれらのセラミドは、より高い保湿効果が期待できます。極度の乾燥肌でお悩みの方は、選ぶ際の参考にしてみてください。
他の保湿成分にも注目
セラミドとあわせて配合することで、相乗効果を発揮する成分もあります。
特にオススメなのが、次の3つです。
アミノ酸 | 天然保湿因子(NMF)の主成分 |
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ヒアルロン酸 | 水分を吸収し、保持する役割を果たす |
ビタミンC誘導体 | 肌内部のコラーゲン生成を促し、保水力を高める |
また「乾燥の他にも肌悩みがある」という人は、その解決に役立つ成分が配合されている化粧品を選ぶと良いでしょう。
シミ・肝斑 | トラネキサム酸、ビタミンC誘導体、コウジ酸、ハイドロキノン など |
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毛穴トラブル | グリコール酸、サリチル酸、レチノール、ビタミンC誘導体 など |
小ジワ | ナイアシンアミド、レチノール、卵角膜 など |
セラミドを配合したおすすめ基礎化粧品
最後に、セラミドを配合した保湿に役立つ化粧品を3つ紹介します。
プルエスト RFハイドレーティングクリーム
出典:プルエスト公式サイト
価格:5,060円(税込)/50g
みずみずしいテクスチャーが特徴の高保湿クリームです。保水力の高いハイドロジェルを基にした独自の高保湿技術で、朝まで続くうるおいを実現します。
ヒト型セラミドをはじめ、ヒアルロン酸・スクワラン・ツボクサ・ペプチドなど、保湿やエイジングケアに効果的な成分が含まれており、肌のバリア機能をサポートし、乾燥からお肌を守る心強い味方になってくれます。
※恵比寿アズクリニックで取扱っております
ゼオスキンヘルス RCクリーム
出典:ゼオスキンヘルス公式サイト
参考価格:18,480円(税込)/50ml
ヒト型セラミドである「セラミドNG」を配合した美容クリームです。
セラミドNGは、人間の肌が自然に生み出すセラミドに構造が最も近く、角質層への浸透性が高く、保湿力が優れているのが特徴です。乾燥を防ぎながら、肌のバリア機能を高め、肌を健やかに保つ効果が期待できます。
他にも、シワやたるみなどのエイジングケアに効果的なレチノールや、肌のハリや弾力をアップさせるアセチルヘキサペプチド-8が配合されています。
潤いを高めつつ、なめらかな肌へと導いてくれるおすすめの美容クリームです。
コラージュリペア ローションR/RR
出典:コラージュリペア公式サイト
価格:2,970円(税込)/150ml
肌の炎症を抑える有効成分トラネキサム酸を配合した薬用保湿化粧水です。
浸透型セラミドやコラーゲンなど保湿成分も豊富に配合。低刺激性にこだわった処方で敏感肌や乾燥肌の方でも使いやすく、肌荒れを予防しながら角質層をしっかりうるおしてくれます。
R(しっとり)RR(とてもしっとり)の2種類がありますので、季節や肌の状態に合わせて選んでみてください。
まとめ
セラミドについて「なんとなくお肌に良さそう」というイメージを持っている人は多いと思いますが、実は選び方によって得られる保湿効果は大きく変わってしまいます。「セラミド」という謳い文句に安易に飛びつかず、種類や配合方法をしっかりチェックすることが大切です。
肌のうるおいは年齢とともに失われがちではありますが、ケア次第で若々しいツヤ肌をキープすることは十分可能です。「最近お肌の調子が良くないな…」と感じているなら、今こそスキンケアを見直す良い機会かもしれませんよ!