現代人に不足しがちな栄養素としてよく挙げられるのが、DHA・EPA。名前は聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。
DHA・EPAは青魚の油に含まれる栄養素で、生活習慣病の予防はもちろん、美容面でも役立つことで知られています。
今回は、そんなDHA・EPAサプリメントの効果や、選ぶ際のポイントなどをご紹介します。
この記事のポイント
サプリメントでよく見る「DHA・EPA」ってそもそも何?
DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)はどちらも必須脂肪酸の一種です。人の体内ではほとんど作られないため、食品からの積極的な摂取が推奨されています。
まずはそんなDHA・EPAとはどのような栄養素なのかについて知っておきましょう。
DHA・EPAを多く含む食品
DHAもEPAも、青魚に多く含まれる栄養素です。
生魚100gあたりの含有量(mg)
DHA | EPA | |
クロマグロ(脂身) | 3200 | 1400 |
クロマグロ(赤身) | 120 | 27 |
サンマ(皮付き) | 2200 | 1500 |
タイセイヨウサバ | 2600 | 1800 |
ブリ | 1700 | 940 |
ニシマアジ | 1100 | 520 |
マサバ | 970 | 690 |
カツオ(秋獲り) | 970 | 400 |
マイワシ | 870 | 780 |
DHAの働き
「魚を食べると頭が良くなる」というフレーズを覚えている人は多いと思います。これはDHAが脳や網膜などの神経系に多く含まれる栄養素であり、脳機能をサポートする働きがあると言われることからきています。記憶力や学習能力の向上に加え、加齢による認知機能の低下を予防する働きや、目の健康をサポートする作用も期待でき、健康的に長生きするために不可欠な栄養素と言えるのです。
このほかにも、中性脂肪を分解することで動脈硬化や心臓病のリスクを軽減させたり、免疫機能を高めてアレルギー症状を緩和したりといった作用もあると言われています。
EPAの働き
一方EPAには、血液の状態を正常に保つ作用があります。血液凝固を抑えることで血栓を予防し、血液の流れをスムーズにしてくれるのです。
また炎症の抑制や、血中の中性脂肪を分解する作用もあるため、生活習慣病の予防や肥満の解消、さらにストレスへの抵抗を高める効果も期待されています。
DHA・EPAの美容効果
健康の維持に役立つDHAとEPAは、美容面でも力を発揮します。
・血行促進によるターンオーバーの正常化
・抗炎症作用によるニキビや肌荒れの予防
・コラーゲン生成の促進作用によるシワやたるみの予防
・エネルギー代謝の向上による体系維持
特に乾燥肌でお悩みの人にはオススメの栄養素ですので、積極的に摂取しましょう。
サプリメントで取り入れるべき理由
DHAやEPAは食事から摂取するのが理想ではありますが、なかなか難しいのが現実です。
DHAとEPAを含むオメガ3系脂肪酸の1日の摂取目安量は、年齢別に次のようになっています。
年齢 | 男性 | 女性 |
18~29歳 | 2.0g | 1.6g |
30~49歳 | 2.0g | 1.6g |
50~64歳 | 2.2g | 1.9g |
65~74歳 | 2.2g | 2.0g |
75歳以上 | 2.1g | 1.8g |
※厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに作成
おおむね2g前後の摂取を目指すと良いということがわかりますね。また一度にたくさん摂取するのではなく、毎日安定的に摂取することが推奨されています。生で食べるお刺身であれば、クロマグロのトロで2~3切れ程度、サンマなら3~4切れ程度で賄える計算です。
しかしオメガ3脂肪酸は加熱調理をすると減少してしまう性質があるため、焼き魚や煮魚の場合はより多くの量を食べる必要があります。
こういった特徴を総合的に考えると、毎日の食事から必要量を摂取できているという人は、現代の日本において少数派ではないでしょうか。
もちろん魚はDHA・EPA以外にも良質な栄養素が豊富ですから、基本的には食生活に組み込む工夫をすることが理想です。とはいえ、忙しい生活の中でなかなか新鮮な魚介類が食べられないという人は、サプリメントで補うのもひとつの手段。上手に使って健康維持に役立てましょう。
おすすめのDHA・EPA配合サプリメント
早速、具体的におすすめのサプリメントを3つご紹介します。DHA・EPAサプリメントを飲み始めようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
アサヒ ディアナチュラゴールド EPA&DHA
出典:ディアナチュラ公式サイト
メーカー希望小売価格:2,494円(税込)/180粒(30日分)
1日の推奨摂取量(6粒)あたり、DHA260mg・EPA600gを配合した機能性表示食品です。今回紹介するサプリメントの中では1日料あたりのDHA・EPA含有量が最も高いため、食生活に青魚を組み込むことがなかなか難しいという方には特にオススメです。
また、厳選した原料を使って国内工場で生産、着色料無添加など安全面にも配慮しており、安心して続けることができる点も魅力的です。
ファンケル DHA&EPA
出典:ファンケル公式サイト
価格:2,100円(税込)/150粒(30日分)
栄養素の吸収効率に着目したサプリメントです。
1日の推奨摂取量(5粒)あたりDHA460mg・EPA40gを配合。また酸化しやすいDHAを保護するオリーブ葉エキスを加えるとともに独自の自己乳化製法により吸収効率を高め、成分をしっかりと取り込まれるようサポートします。
価格も比較的手ごろで続けやすい点もメリットです。
ワカサプリ 植物性オメガ-3
出典:ワカサプリストア
価格:4,536円(税込)/120粒(30日分)
宇宙開発技術を応用して開発された、植物性オメガ-3サプリメントです。1日の推奨摂取量(4粒)あたり、DHA360mg・EPA180gを配合しています。
藻類由来の油脂を生成しているため、マグロやカツオなど海洋性サプリのように重金属や有害物質による汚染の心配がありません。
完全密封されたタンクの中で培養するなどこだわり抜いた製法をとっているため、安心面を重視する人にオススメです。
DHA・EPAサプリメントを選ぶポイント
DHA・EPAを配合したサプリメントにはたくさんの種類があり、ドラッグストアでも簡単に購入することができます。そうした中でどれを選べば良いのか、3つのポイントをご紹介します。
成分の配合量で選ぶ
まずチェックすべきは栄養素の配合量です。
パッケージに「DHA・EPA」と書いてあっても、その人が必要とする配合量が含まれていない場合もあります。特に他の栄養素とあわせて配合している製品などは、その分DHA・EPAの配合量が少なくなる傾向にあります。
ただし「配合量が多ければ良い」というわけではなく、普段の食事でどの程度DHA・EPAを摂れているかによって、サプリメントで補うべき量も変わってきます。ご自身の食習慣を振り返りながら製品を選んでみましょう。
酸化防止成分で選ぶ
DHAに言える特徴として、非常に酸化しやすいという弱点があります。DHAの豊富な青魚が、とりわけ傷みやすいと言われていることからもイメージしやすいところですよね。
サプリメントに含まれるDHAも例外ではなく、長期保管などにより酸化してしまうと、栄養素の力を最大限生かすことができず、期待するような作用も得られません。
そのためDHAを含むサプリメントを選ぶポイントとして、酸化から守る成分が一緒に配合されているかを確認しましょう。
代表的な成分としては、ビタミンEやアスタキサンチンなどがあります。
安全性・信頼性で選ぶ
サプリメントは毎日飲み続けることが重要ですが、それゆえに安全面も気になるところです。
・原材料が明確
・生産工程が公開されている
・検品基準を満たしている
・消費期限が掲載されている
これらをクリアしたものであれば、ある程度安心できますよね。日本国内で製造されたサプリメントであれば一定の安全基準を満たしていると思いますが、特に注意が必要なのが海外製のサプリメントです。
最近は個人輸入サイトなどを通じて手軽に海外製のサプリを購入することができますが、安全基準が日本と異なる場合があるのです。また偽造品が届いたり、健康被害が出てしまったりした場合の補償なども難しいケースが多いため、初心者にはおすすめできません。
DHA・EPAサプリメントを飲むときの注意点
サプリメントは「食品」に分類されるもので、医薬品に比べ体への影響もマイルドです。だからこそ、最大限に効果を発揮できる飲み方をしたいですよね。また口に入れるものである限り、健康のために注意が必要なポイントもあります。
最後に、DHA・EPAサプリメントを飲むときに気を付けるべきポイントについて触れておきます。
摂取量や飲み合わせに気を付ける
不足分を補いたいからと、推奨摂取量以上を飲むのは止めましょう。DHA・EPAを含むオメガ3脂肪酸は、1日3g以上の摂取が過剰摂取にあたると言われています。
・血液が固まりにくくなる
・下痢や吐き気など消化器系の不調
・心房細動のリスク上昇
例えば青魚を一時的にたくさん食べたからと言って、ただちにこのような不調が現れるというわけではありませんが、サプリメントを規定量以上飲み続けた場合には過剰摂取が常態化してしまい、副作用のリスクが高くなってしまうのです。
またサプリメント同士の飲み合わせにも注意が必要な場合があります。サプリメントは「食品」に分類される商品のため、併用が問題になることはあまりありませんが、補助的に配合されている栄養素が重なり過剰摂取になる可能性は0ではありません。
また常備薬など医薬品との飲み合わせには注意が必要なため、不明点がある場合はかかりつけ医や薬剤師に確認するようにしましょう。
温かい飲み物では飲まない
DHAやEPAは熱に弱い性質があるため、湯気が上がるほど熱い飲み物で飲むのはお勧めできません。冷水~常温の水で飲むのが良いでしょう。
どうしても温かさが欲しい場合には、せめて体温程度のぬるま湯で飲むのがおすすめです。
合わないと感じたら高額サプリでも止める
どのようなサプリメントを選ぶにせよ、身体に合わないと感じたら摂取を止めるようにしましょう。高額のサプリメントや、たくさんまとめ買いした場合などはもったいなく感じてしまいますが、無理に続けて体調不良を起こしては元も子もありません。
ご自身の体調や肌の変化を確かめながら、慎重に摂取していきましょう。
まとめ
魚中心の食生活を続けるのはなかなか大変なものです。そうした中でDHA・EPAサプリメントを活用するのは非常に手軽な方法のひとつ。「魚が苦手」という人にも役立つ方法かもしれませんね。
とはいえ、サプリメントはあくまで補助。美容と健康を支える基礎は毎日の食事ですので、食生活の見直しも同時に行いましょう。