脂肪溶解注射とは?脂肪吸引との違いやメリット、注意点を解説

脂肪溶解注射は、顔や身体の気になる部分に薬剤を注入し、局所的な脂肪の減少を目指す美容医療です。メスを使用しないため、脂肪吸引などの外科的な施術に抵抗がある方からも注目されています。
一方で、使用する薬剤によって成分や作用、期待できる効果、副作用などは異なります。「脂肪溶解注射を受ければ簡単に痩せられる」「ダウンタイムがほとんどない」といったイメージだけで施術を決めるのは避けましょう。
この記事では、脂肪溶解注射の仕組みや効果、適応部位、ダウンタイム、リスクや注意点について解説します。

この記事のポイント

  • 脂肪溶解注射の効果がわかる
  • 脂肪溶解注射のメリットがわかる
  • 脂肪溶解注射のリスクや注意点がわかる

目次

脂肪溶解注射とは?

脂肪溶解注射とは、脂肪が気になる部位に薬剤を注入し、脂肪細胞の破壊や脂質の分解などを通じて、局所的な脂肪の減少を目指す施術です。脂肪吸引のように脂肪を物理的に取り除くのではなく、薬剤の作用を利用する点が特徴です。

脂肪溶解注射の仕組み

脂肪溶解注射の作用は、使用する薬剤の成分によって異なります。
代表的な成分のひとつが、デオキシコール酸です。デオキシコール酸は胆汁酸の一種で、脂肪を乳化する作用があります。一定の濃度では細胞膜を傷害する作用もあり、脂肪細胞を破壊することで局所的に脂肪を減少させます。
脂肪細胞が破壊された後は、炎症反応などを経て、細胞の残骸などが体内で処理されます。その過程で、注入した部位の脂肪量が減少していくのです。

ただし、すべての脂肪溶解注射が同じ作用を持つわけではありません。デオキシコール酸のほか、ホスファチジルコリンなどを配合した製剤もあり、成分の組み合わせや濃度によって作用や副作用の程度が異なります。
また脂肪溶解注射で得られる効果は、製剤の成分や注入量、注入部位、脂肪の厚さなどによって変わります。特定の成分が配合されていることだけで、十分な効果や安全性が保証されるわけではありません。

脂肪溶解注射のメリット

脂肪溶解注射には、次のようなメリットがあります。

メリット①気になる部位の脂肪減少を目指せる
 顎下や頬、フェイスラインなど、部分的な脂肪が気になる部位にアプローチできます。

メリット②メスを使用しない:
切開を伴わないため、脂肪吸引などの外科的な施術に比べて身体への負担を抑えられる場合があります。

メリット③比較的短時間で施術できる
 注入範囲や注入量によって異なりますが、施術そのものは比較的短時間で行われます。

メリット④段階的な変化を目指せる
 複数回に分けて施術することで、経過を確認しながら脂肪の減少を目指せます。

ただし注射による施術であっても、腫れや痛み、内出血などが生じる可能性があります。また、脂肪吸引と比べて負担が小さい場合でも、効果の大きさや確実性が同等というわけではありません。

脂肪溶解注射に期待できる効果

脂肪溶解注射では、局所的な脂肪を減らすことで、輪郭をすっきりさせたり、部分的なボリュームを調整したりする効果が期待されます。具体的な効果を紹介しましょう。

二重あごやフェイスラインの改善

顎下に脂肪が蓄積すると、あごと首の境界が不明瞭になり、二重あごが目立つことがあります。脂肪溶解注射によって顎下の脂肪が減少すれば、フェイスラインがすっきりと見える可能性があります。
ただし、二重あごの原因は脂肪だけではありません。皮膚のたるみ、骨格、筋肉の状態なども関係するため、脂肪が主な原因ではない場合には、十分な改善が得られないことがあります。

頬や口元の脂肪を減らす

頬や口横の脂肪が目立つと、顔の下半分が重たく見えることがありますよね。脂肪溶解注射は、頬や口元の局所的な脂肪を減らし、輪郭を整える目的で用いられることもあります。
ただし頬の脂肪は顔の立体感や若々しい印象にも関係しています。脂肪を減らしすぎると、頬がこけたり、かえって老けた印象になったりする可能性があるため、注入部位や量を慎重に判断することが大切です。

二の腕やお腹などの部分痩せ

製剤や医師の判断によっては、二の腕やお腹、太ももなどの脂肪が気になる部位に使用されることもあります。
ただし顔以外の部位では、脂肪の厚さや範囲、必要な注入量などが異なります。また、部位によって科学的な有効性や安全性に関する根拠の蓄積にも差があります。
脂肪溶解注射は、全身の体重を大きく減らすための治療ではありません。広範囲の脂肪を減らしたい場合には、食事や運動による体重管理、他の痩身治療なども含めて検討する必要があります。

脂肪細胞の減少によるリバウンドの抑制

デオキシコール酸などによって脂肪細胞そのものが破壊された場合、その細胞が元の状態に戻ることは基本的にありません。そのため、治療した部位の脂肪量が維持されやすくなる可能性があります。

ただし脂肪溶解注射を受ければリバウンドしないというわけではありません。残っている脂肪細胞は体重増加などによって大きくなる可能性があるため、施術後も体重や生活習慣を適切に管理することが大切です。

脂肪溶解注射は何回受けると効果が出る?

脂肪溶解注射の必要回数は、使用する薬剤や注入部位、脂肪の量、目指す仕上がりなどによって異なります。1回の施術で変化を感じる場合もありますが、十分な変化を得るために複数回の施術が必要となることもあります。
また注入直後は薬剤による腫れや炎症が生じるため、すぐに最終的な仕上がりを判断することはできません。腫れが落ち着き、組織の変化が進むまで一定の期間が必要です。
施術間隔についても一律ではありません。使用する製剤の特性や前回の施術後の反応を確認しながら、医師と相談して決めることが重要です。
なお、同じ薬剤を使用しても、すべての方に同じ程度の効果が得られるとは限りません。

脂肪溶解注射の薬剤

脂肪溶解注射にはさまざまな製剤があり、配合成分や濃度、製剤設計などに違いがあります。具体例として、恵比寿アズクリニックで取り扱っているネオベラとミケランジェロの2種類の製剤ついて解説します。

ネオベラ(NEOBELLA)

ネオベラは、デオキシコール酸を0.5%の濃度で配合した脂肪溶解注射です。さらに、脂肪燃焼をサポートすることで知られる、L-カルニチンも配合されています。
デオキシコール酸による脂肪細胞への作用を利用し、局所的な脂肪の減少が目指せます。恵比寿アズクリニックでは顔への施術に活用しており、主にフェイスラインや顎下など、脂肪のもたつきが気になる部位に注入します。
L-
カルニチンは、脂肪酸をミトコンドリアへ運ぶ過程に関与する成分です。ただし、L-カルニチンが配合されていることだけで、注入部位の脂肪がどの程度減少するかが保証されるわけではありません。
ネオベラは従来の脂肪溶解注射と比較して、腫れや痛みなどが出にくい製剤と言われていますが、実際の反応には個人差があり、腫れや痛みが全く起こらないわけではありません。

ミケランジェロ(Michelangelo)

ミケランジェロは、デオキシコール酸ナトリウムやホスファチジルコリンなどに加え、L-カルニチン、カフェイン、リポ酸などを配合した製剤です。恵比寿アズクリニックでは、主にボディへの施術に活用しています。
デオキシコール酸濃度は2.4%とされており、ネオベラとは配合成分や濃度が異なるため、同じ脂肪溶解注射でも特徴が異なります。

デオキシコール酸
ナトリウム
脂質を乳化する作用を持つ成分
濃度などの条件によって細胞膜を傷害する作用がある
ホスファチジルコリン  細胞膜を構成するリン脂質の一種
脂質の代謝をサポートする
L-カルニチン 脂肪酸の代謝に関与する成分
カフェイン 中枢神経への作用などで知られる成分
脂肪溶解注射では局所代謝などへの作用が期待される
リポ酸 エネルギー代謝に関与する成分。抗酸化作用も知られている

ただし、これらの成分が配合されていることと、注入部位の脂肪減少に対する臨床的な有効性が十分に証明されていることは別です。成分ごとの作用に関する知見を、そのまま製剤全体の効果として解釈しないことが大切です。
またデオキシコール酸の濃度が高いからといって、必ずしも治療効果が高く、ダウンタイムが短いとは限りません。濃度や製剤設計、注入量、注入部位などを総合的に考える必要があります。

ネオベラとミケランジェロの違い

ネオベラ ミケランジェロ
デオキシコール酸
関連成分の濃度
0.5% 2.4%
主な配合成分 デオキシコール酸
L-カルニチン
デオキシコール酸ナトリウム
ホスファチジルコリン
L-カルニチン
カフェイン
リポ酸 など
特徴 局所的な脂肪減少を
目指す製剤
複数の成分を
組み合わせた製剤
ダウンタイム 腫れ、痛み、内出血など
が起こる可能性がある
腫れ、痛み、内出血など
が起こる可能性がある

※上記は製剤の紹介情報に基づく比較です。配合成分や濃度の表記、実際の使用方法は、採用する製剤の最新資料で確認する必要があります。また両製剤の効果や安全性を直接比較した質の高い臨床試験の情報は限られているため、濃度だけで優劣を判断することはできません。

脂肪溶解注射のダウンタイム

脂肪溶解注射は切開を伴わない施術ですが、注射による刺激や薬剤の作用によって、施術後に腫れや痛みなどが生じることがあります。

施術後に起こりやすい症状

ダウンタイムの程度や期間は、薬剤の種類、注入量、注入部位、体質などによって異なります。起こりうる症状には次のようなものがあります。

腫れ・むくみ

注入部位に炎症反応が生じることで、腫れやむくみが現れることがあります。顔への注入では、施術直後よりも翌日以降に腫れが目立つ場合もあります。
腫れは数日程度で解消することもありますが、薬剤や注入量によっては、より長く続く場合もあります。

痛み・圧痛

注射による痛みのほか、施術後に筋肉痛のような痛みや、押したときに圧痛が生じることがあります。
通常は時間の経過とともに解消しますが、強い痛みが続く場合や、徐々に悪化する場合には医療機関へ相談してください。

赤み・内出血

注射針による刺激で、赤みや内出血が生じることがあります。多くは時間の経過とともに改善しますが、内出血は消失するまでに1〜2週間程度かかる場合もあります。

しこり・硬さ

施術後に注入部位が硬く感じられたり、しこりのようなものが触れたりする場合があります。炎症反応に伴う一時的な変化であることもありますが、長期間続く場合や、痛み・赤みを伴う場合には診察が必要です。

ダウンタイム中の過ごし方

施術後は、医師の指示に従って過ごしましょう。恵比寿アズクリニックでは次のようにご案内しています。

・注入部位を強く揉んだり、圧迫したりしない
・激しい運動や飲酒、長時間の入浴など、腫れを助長する可能性のある行為は控える
・注入部位に強い刺激を与えない
・腫れや痛みなどの症状が悪化した場合は、早めに医療機関へ相談する

大切な予定がある場合は、腫れや内出血が残る可能性を考慮し、余裕を持ったスケジュールで施術を受けることをお勧めします。

脂肪溶解注射の副作用・リスク

脂肪溶解注射は、身体への負担が比較的小さい場合がある一方で、医療行為である以上、副作用や合併症のリスクがあります。起こりうる副作用をまとめますので、脂肪溶解注射を検討している人は覚えておきましょう。

腫れや痛みが長引く

薬剤による炎症反応などにより、腫れや痛みが想定より長く続くことがあります。特にデオキシコール酸を含む製剤では、注入部位や注入方法によって、強い炎症反応が生じる可能性があります。
症状が長引く場合には、感染やほかの合併症が起きていることも考えられるため、早めに医療機関を受診しましょう。

しこりや硬結が残る

注入部位に硬結や結節が生じることがあります。時間の経過とともに改善する場合もありますが、長期間残ったり、治療が必要になったりするケースも報告されています。
強い痛みや赤み、熱感を伴う場合には、自己判断で様子を見続けず、医師の診察を受けてください。

感染・皮膚障害

脂肪溶解注射では、注入部位の炎症や感染、皮膚障害などが起こる可能性があります。デオキシコール酸を含む製剤では、注入部位や方法によって神経などの周辺組織に影響が及ぶこともあります。
強い痛み、皮膚の色の変化、水疱、膿、発熱などがみられた場合は、速やかに医療機関へ連絡してください。また、口元の動かしにくさや左右差、飲み込みにくさが生じた場合も、速やかに医師の診察を受けてください。

神経や周辺組織への影響

顔面には、表情筋を動かす神経や血管などが走行しています。注入部位や深さが適切でない場合、神経や周辺組織が傷害される可能性があります。特に顎下などの部位では、神経への影響によって口元の動かしにくさや左右差などが生じることがあります。
デオキシコール酸注射については、米国FDAも、承認された部位以外への使用に伴う神経損傷などのリスクを注意喚起しています。注入部位の解剖学的知見のある医師が、適切な適応を判断することが重要です。

仕上がりの左右差や凹凸

脂肪の減少が均一に起こらなかった場合、左右差や皮膚表面の凹凸が生じることがあります。また脂肪を減らしすぎると、頬のこけや皮膚のたるみが目立つ可能性もあります。
脂肪の量だけでなく、皮膚の弾力や骨格、加齢による変化なども考慮して治療計画を立てることが大切です。

アレルギー反応など

薬剤の成分に対するアレルギー反応が起こる可能性もあります。過去に薬剤や注射でアレルギー症状を起こしたことがある方は、事前に医師へ伝えてください。

脂肪溶解注射を受ける前に知っておきたい注意点

このように、脂肪溶解注射は「注射だけだから安全」「腫れが少ない製剤ならリスクがない」とは言い切れません。薬剤の特徴とリスクを理解したうえで、施術を検討することが重要です。
これを踏まえ、脂肪溶解注射を検討するなら知っておきたい注意点を紹介します。

国内での承認状況を確認する

脂肪溶解注射として使用される製剤には、日本国内で医薬品として承認されていないものがあります。未承認の製剤を使用する場合は、国内での承認状況や、海外での承認の有無、期待できる効果とリスクについて十分な説明を受けることが重要です。
また、医薬品副作用被害救済制度の適用は、医薬品の承認状況や使用方法などによって異なります。使用する製剤について、制度の対象となるかどうかも事前に確認しましょう。

脂肪以外の原因がないか確認する

顔の大きさやフェイスラインのもたつきは、脂肪だけで決まるわけではありません。皮膚のたるみ、筋肉の発達、骨格、むくみなどが主な原因の場合、脂肪溶解注射だけでは十分な改善が得られない可能性があります。
原因に合わない治療を受けると、期待した効果が得られないだけでなく、脂肪が減りすぎて頬がこけたり、たるみが目立ったりすることもあります。まずは医師の診察を受け、悩みの原因に合った治療方法を選ぶことが大切です。

妊娠中・授乳中や持病がある場合は相談する

妊娠中・授乳中の方や、持病がある方、服用中の薬がある方は、施術を受ける前に必ず医師へ相談してください。特に、注射部位に感染や皮膚炎などがある場合、出血しやすい状態にある場合、薬剤の成分にアレルギーがある場合などは、施術の可否を慎重に判断する必要があります。
個々の製剤によって注意事項が異なるため、一律に施術可能と判断することはできません。

施術後の経過観察や緊急時の対応を確認する

施術を受ける際は、薬剤の説明だけでなく、施術後の診察体制や、合併症が起きた場合の対応についても確認しておきましょう。
強い痛みや腫れ、皮膚の色の変化、口元の動かしにくさ、発熱などの症状が現れた場合には、早めに医療機関へ連絡することが重要です。

FAQ|脂肪溶解注射に関するよくある質問

Q. 脂肪溶解注射は1回でも効果がありますか?

1回の施術で変化を感じる方もいますが、効果の程度には個人差があります。脂肪の量や注入部位、使用する薬剤によっては、複数回の施術が必要になることもあります。
また、施術直後は腫れなどの影響があるため、最終的な仕上がりは一定期間経過してから判断することが大切です。

Q. 脂肪溶解注射のダウンタイムはどれくらいですか?

腫れや痛みは数日程度で軽快することがありますが、薬剤や注入量によっては長引く場合があります。内出血やしこりなどが残ることもあるため、一律に「数日で必ず治まる」とは言い切れません。
施術前に、使用する製剤の特徴と予想される経過について医師に確認しておきましょう。

Q. 脂肪溶解注射を受けるとリバウンドしませんか?

薬剤によって脂肪細胞が破壊された場合、基本的にその細胞が元の状態に戻ることはないため、そういった意味で「リバウンドしにくい施術」と紹介されることがあります。
しかし残っている脂肪細胞が大きくなる可能性はあるため、施術後に体重が増加すると、再び脂肪が目立つことはあります。

Q. 脂肪溶解注射と脂肪吸引はどちらがよいですか?

どちらが適しているかは、脂肪の量や範囲、希望する仕上がり、ダウンタイムへの許容度などによって異なります。
脂肪溶解注射は切開を伴わず、局所的な脂肪減少を目指す治療です。一方、脂肪吸引はカニューレなどを用いて脂肪を物理的に取り除く外科的な施術で、より大きな脂肪量の減少を目指す場合に選択肢となります。
それぞれのメリットとリスクを理解し、医師と相談して選ぶことが大切です。

まとめ

脂肪溶解注射は、顎下や頬、フェイスラインなど、部分的な脂肪が気になる方にとって選択肢のひとつとなります。
しかしお悩みの原因が必ずしも脂肪のみにあるとは限らないため、施術を検討する際は、脂肪の量だけでなく、たるみや骨格なども含めて悩みの原因を見極め、自分に適した治療方法を選ぶことが大切です。
薬剤の承認状況やリスクについても十分な説明を受け、納得したうえで施術を検討しましょう。

※記事内でご紹介している各商品は記事執筆時の情報に基づいて掲載をしており、変更となっている可能性がございます。ご購入の際は最新情報をお確かめください。

恵比寿アズクリニックお得なサブスクのご案内

恵比寿アズクリニックでは、患者様お一人おひとりに合わせてメニューをカスタマイズできる定額制プランをご用意しております。

アズクリで人気の施術も最大30%OFF※。大変お得なプランとなっております。

※プレミアムプランの場合

監修医師紹介

奥野彰子/医師

奥野 彰子 / Akiko Okuno

医師・恵比寿アズクリニック院長

  • 東京慈恵会医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学付属病院にて形成外科に入局。
  • 2008年より美容皮膚科 院長を15年勤める。
  • 2023年5月 恵比寿アズクリニック院長に就任。

監修医師詳細プロフィール

この記事をシェア
目次