ボトックス注射(ボツリヌス注射)は、シワ改善などに高い効果を発揮する施術です。1度の注射で一定期間効果を持続させることができ、その手軽さから幅広い世代に高い人気を誇ります。
一方で、その手軽さゆえ安易に受けてしまい「思うような効果が得られなかった」「表情がおかしくなってしまった」などの失敗につながるケースも。
今回は、ボトックス注射でよくある失敗例を紹介するとともに、失敗しないためにできることを解説します。ボトックス注射を検討している人は、クリニックを受診する前にチェックしておきましょう。
この記事のポイント
ボトックス注射でよくある失敗例

ボトックス注射(ボツリヌス注射)とは、ボツリヌス菌から抽出したタンパク質を主成分とする注射製剤を、表情筋などに注入する施術です。
筋肉の収縮を妨げる作用があり、表情筋の過度な緊張によって起こる「表情シワ」を目立たなくさせる効果があります。また、いわゆる”筋肉太り”や”凝り”の解消にも効果的です。
注入後は数日~2週間ほどで効果が現れ始め、3~6ヶ月ほど持続します。
そんなボトックス注射ですが、思ったような仕上がりにならず「失敗したな…」と感じてしまうことも。まずはよく見聞きする失敗例を原因とともに紹介します。
十分な効果が出なかった
まず紹介するのが、せっかくボトックス注射を打ったのに「思ったより効果が弱かった」「変化が感じられなかった」というケースです。
考えられる原因としては、注入量が少なかったパターンと、施術後の過ごし方に問題があったパターンの2つが考えられます。
まずは注入量が少なかったパターン。これは「失敗」というよりも、リスクを避けるための対処であるケースがほとんどでしょう。
ボトックス注射は、入れすぎるとさまざまな不具合が出るリスクがあり、それを避けるために医師があえて注入量を加減する場合があるのです。特に初めてボトックス注射を受ける際などは、リタッチを前提に少なめの量に留めた方が失敗のリスクが少なく済みます。
施術前にクリニックの方針やリタッチ料金の有無などを確認し、認識のズレが起きないようにすることが大切です。
もうひとつは、施術後の過ごし方に問題があったパターン。例えば施術直後に体温を高める行為をしてしまったケースなどがあります。ボトックス注射は熱に弱く、施術後に体が温まるような行動をとることで効果が減退してしまうことがあるのです。
施術時にクリニックから注意事項の説明があるはずですので、それをしっかり聞いて必ず守るようにしましょう。
表情の違和感
ボトックス注射を打ったことで表情が不自然になってしまう失敗もよくあります。これは過剰な注入量や、注入位置のズレが主な原因です。
表情筋は本来、顔の細かい表情を作り感情を表現する役割を持っています。ボトックスを過剰に注入してしまうと細かな表情の表現が難しくなり、無愛想な表情や引きつったような表情になってしまうことがあるのです。
また顔の筋肉はひとつひとつが小さく、かつ複雑に密集しているため、注入位置が僅かにずれるだけで他の筋肉にまで影響が及んでしまう場合があります。
失敗を避けるためには、人体の構造に詳しく経験豊富な医師を選ぶことが大切です。
眉が釣り上がる|眉間ボトックス
眉間はボトックス注射の人気部位のひとつです。眉を寄せたときにできる縦シワを予防・改善できるとともに、眉を寄せる癖を抑えることで穏やかな印象を与えることができます。
この眉間ボトックスによくある失敗として、施術後に眉尻部分がつり上がる「スポックブロウ」と呼ばれる状態になることがあります。

眉間のシワは、皺眉筋と鼻根筋という2つの筋肉の境目が織り込まれることでできてしまうケースが多いため、そこにボトックス注射を行うことで改善が見込めます。

しかし皺眉筋外側の力がもともと強い人、あるいは皺眉筋外側だけ注入量が少なかった場合などに、筋力のバランスが崩れ、怒ったようなつり眉になってしまうのです。
スポックブロウになった場合は、眉尻部分にボトックスを追加することで改善できることが多いです。
目が重くなる|額ボトックス

眼瞼下垂の症状がある人は、額ボトックスに注意が必要です。
眼瞼下垂とは、上まぶたが垂れ下がることで視野が狭くなる症状のこと。加齢によるまぶたの筋力低下のほか、ハードコンタクトの長期使用や目を擦る癖などが引き金となることもあります。
眼瞼下垂の症状がある人は、まぶたの筋肉だけでなく、額の筋肉も同時に使って目を開いていることが多いため、額ボトックスを行うことで一層目が開きにくくなってしまうのです。特に40代以上の人が額ボトックスを行う場合には、注入量を少なめに抑えたり、他のシワ治療を併用したりといった対策を行うと安心です。
皮膚がたるむ・コケる|咬筋ボトックス
歯を噛み締めるときに使う咬筋にボトックス注射を行うと、筋肉が痩せることで小顔効果が得られるほか、食いしばりや歯ぎしりを抑制して歯の摩耗を防ぐこともでき、幅広い世代に人気の部位です。
しかし「筋肉が痩せる」ということは、その分「皮膚が余る」ことを意味します。肌にハリのある人であればそれほど気になりませんが、もともと軽度のたるみがみられる人や年配の人に咬筋ボトックスを行うと、一層たるみが強くなったり、頬のコケ感が強調されたりして、年齢以上に老けた印象となることも。
注入量や施術頻度を適切に行うことで、やりすぎを防ぎましょう。
ボトックス注射で失敗したときの対処方法

「ボトックス注射で失敗したかもしれない」「違和感がある」そんなときはどうすれば良いのでしょうか。失敗したときにできることを紹介します。
再度ボトックスを打って調整する
「失敗したかも…」と思ったら、まずは施術を受けたクリニックに相談しましょう。
・注入量が少なく、効果が十分に出なかった
・筋力のバランスが崩れたことで、表情に違和感が出た
このようなケースの場合、再度適切にボトックスを注射することで、不具合をリカバリーできることが多いです。例えばスポックブロウが起きてしまったら、皺眉筋の眉尻側にボトックスを追加することで筋力のバランスが整い、つり上がっていた眉毛が元に戻ります。
ただし、クリニックによっては後日リカバリーのために再施術を行うと、別途料金がかかることも。施術を行う前に料金体系についてしっかり確認しておきましょう。
効果が切れるのを待つ
リカバリーが難しい場合には、そのまま効果が切れるのを待つしかありません。
ボトックス注射の効果は永遠に持続するものではなく、3~6ヶ月ほどで元の状態に戻ります。その間は不便な状態となってしまいますが、時間が確実に解決してくれるという点は一種の安心材料とも言えます。
とはいえ、できることなら失敗せず納得いく効果を得たいですよね。そのためにも失敗リスクを減らすための予防方法を知っておくことが大切です。
ボトックス注射で失敗しないコツ

「結局のところ医師に頑張ってしまうしかないのでは?」と思われるかもしれませんが、ボトックス注射で失敗しないためにご自身でできることもいくつかあります。最後に失敗を防ぐコツをご紹介します。
医師・クリニックは慎重に選ぶ
何より大切なのが医師・クリニック選びです。
どのようなクリニックが良い・悪いと一概に言えないのが難しいところですが、極端に安い料金設定のクリニックや、受診当日の施術を無理に勧めてくるクリニックなどは注意した方が良いでしょう。
一方で、施術前にリスク面の説明をしっかりと行い、不具合が起きたときの対処方法まで言及してくれるようなクリニックは安心感がありますね。リカバリーにかかる費用やダウンタイム中の注意点など、わからないことは事前に何でも質問して、疑問や不安の残らない状態で施術を受けましょう。
施術後に患部を温めすぎない
施術後の過ごし方にも注意が必要です。特にボトックスは熱に弱い性質があるため、施術後は過度に体を温めないようにしてください。
・入浴
・飲酒
・発汗を伴う激しい運動
・サウナや岩盤浴などのリラクゼーション
これらは少なくとも施術当日は控えることをお勧めします。
顔への施術の場合、入浴は翌日から通常通り行っても問題ないですが、激しい運動やサウナなど極端に汗をかく行為は2~3日ほど控えた方が無難です。
施術後は患部のマッサージを避ける
ボトックスは特定の筋肉に作用させることで効果を発揮します。しかしボトックスがまだ固定していない間に患部を強く揉むようなマッサージを行うと、効果が十分に得られないばかりか、隣り合った筋肉にまでボトックスが波及し、表情の違和感につながることも。
患部へのマッサージは最低でも2週間は控えるのが無難です。
まとめ
ボトックス注射は手軽に受けられる反面、未熟なドクターによる施術や間違ったダウンタイムの過ごし方によって失敗につながることもゼロではありません。失敗しないように、そして万が一失敗してしまっても適切に対処ができるように、正しい知識を身につけましょう!
