プラセンタ注射をすると献血できない?2026年10月からルールが変わりました

「プラセンタ注射を受けていると献血できない」と聞いたことはありませんか?
これまで、ヒトの胎盤を原料とするプラセンタ注射を受けた方は、献血を控える必要がありました。
ところが2026年10月1日から献血のルールが変更され、プラセンタ注射を受けた方も、最後に注射を受けてから3か月が経過すれば献血できるようになりました。
なぜこれまで献血が制限されていたのでしょうか?また、今回なぜルールが変わったのでしょうか?この記事では、プラセンタ注射と献血の関係についてわかりやすく解説します。

この記事のポイント

  • プラセンタ注射後の献血に関するルールの変更内容がわかる
  • これまでプラセンタ注射後の献血が制限されてきた理由がわかる
  • プラセンタ注射後に献血を行う場合の注意点がわかる

目次

プラセンタ注射の基本情報

プラセンタ注射は、ヒトの胎盤から抽出・加工した成分を注射する治療です。プラセンタには、アミノ酸やペプチドなどさまざまな成分が含まれており、古くから美容や健康を目的として利用されてきました。献血の話に入る前に、まずはプラセンタ注射の概要を紹介します。

プラセンタ注射の種類

日本で医療用医薬品として承認されているヒト胎盤由来の注射剤には「メルスモン」と「ラエンネック」があります。どちらもヒト胎盤由来の成分を含む「特定生物由来製品」で、それぞれの国内で承認されている効能・効果は異なります。

メルスモン 更年期障害、乳汁分泌不全
ラエンネック 慢性肝疾患における肝機能の改善

美容医療におけるプラセンタ注射

一方、美容医療の分野では、プラセンタ注射が肌のハリやツヤ、乾燥、肌荒れなど、肌のコンディションを整える目的で利用されることがあります。
プラセンタにはアミノ酸やペプチドなどさまざまな成分が含まれており、肌の状態を整えることが期待されています。ただし、美容目的での効果については研究途上の部分もあるため、「シミやシワが治る」といった治療ではなく、健やかな肌を保つためのサポートとして取り入れる治療と考えるとよいでしょう。

なお、プラセンタ注射はヒトの胎盤を原料としているため、感染症の伝播を防ぐための安全対策が講じられていますが、ヒト由来製品であることに伴うリスクを完全になくすことはできません。治療を受ける際は、医師から説明を受けたうえで、自分の目的や体調に合っているかを確認することが大切です。

プラセンタ注射をすると献血できなかったのはなぜ?

これまで、プラセンタ注射を受けた方は、原則として献血を控えることになっていました。その理由として関係していたのが、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)という非常にまれな病気です。

 vCJDとは

vCJDは、BSE(牛海綿状脳症)との関連が知られている神経の病気です。感染した人の血液を介して感染する可能性も考えられていることから、輸血による感染を防ぐため、献血にはさまざまな安全対策が設けられています。
プラセンタ注射は、ヒトの胎盤を原料として作られた医療用製剤です。従来、プラセンタ注射によってvCJDに感染することが確認されていたわけではありませんでした。しかし当時はそのリスクを完全に否定できなかったため、血液の安全性をできるだけ高く保つという考え方から予防的に献血が制限されていました。
つまり「プラセンタ注射を受けた人は危険だから献血できなかった」ということではありません。あくまで万が一のリスクを考えて設けられていた安全対策だったのです。

従来の献血ルール

従来のルールでは、プラセンタ注射を一度でも受けたことがある場合、基本的に献血を控える必要がありました。

・何年も前に一度だけ受けた
・美容目的で定期的に受けている
・最後に受けてからかなり長い期間が経っている

このような場合でも、プラセンタ注射の使用歴があることを理由に献血が制限されていました。このルールは、プラセンタ注射による感染症が確認されたからではなく、血液の安全性を最優先した予防的な措置として長く続けられてきたものです。

プラセンタ注射後の献血ルール変更について|2026年10月~

こうした献血のルールが、2026年10月1日から変更されました。現在は、プラセンタ注射を受けた方でも、最後にプラセンタ注射を受けてから3か月が経過すれば、献血が可能となっています。
つまり以前のように「一度でもプラセンタ注射を受けたら、ずっと献血できない」というルールではなくなりました。

変更内容

ルール変更前後の内容をまとめると、次のようになります。

2026年9月30日まで 2026年10月1日から
プラセンタ注射の使用歴あり 期間を定めず基本的に献血不可 最終使用日から3か月間は献血不可
3か月経過後 原則として献血不可 プラセンタ使用歴を理由とする制限なし
対象となる国内承認の注射剤 ラエンネック、メルスモン ラエンネック、メルスモン

※献血の際には、プラセンタ注射以外にもさまざまな基準があります。最終的な献血の可否は、当日の問診や健康状態などを含めて判断されます。

なぜ2026年からルールが変わったの?

「今まで献血できなかったのに、どうして急にルールが変わったの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
今回の変更は、単純に「プラセンタ注射の安全性が変わった」ということではありません。これまでの長期間にわたるvCJDの発生状況や感染リスクに関する研究、海外の状況などを総合的に評価した結果、従来の献血制限を見直すことが適切と判断されたのです。
日本では2005年に国内で初めてvCJD患者が確認されましたが、その後、新たな患者は確認されていません。また、vCJDに関する研究が進み、感染リスクについても以前より詳しく評価できるようになりました。
こうした科学的な知見の積み重ねを踏まえて、厚生労働省で献血基準の見直しが検討され、2026年10月1日から新しいルールが適用されることになったのです。

「プラセンタ注射は危険」という意味ではない

献血のルールが変更されたと聞いて「今まで献血できなかったということは、プラセンタ注射は危険だったの?」と心配になる方もいるかもしれません。しかし、献血が制限されていたことと、プラセンタ注射そのものが危険であることは別の話です。

これまでの献血制限は、プラセンタ注射を受けたことによるvCJD感染が確認されていたために設けられていたわけではありません。ヒトの胎盤を原料とする製剤であることから、万が一の可能性も考えて、輸血を受ける方の安全を守るために慎重な対応がとられていました。
その後の研究や国内外の状況を踏まえてリスクが見直され、今回のルール変更につながっています。

プラセンタ注射を受けたら、いつから献血できる?

2026年10月1日以降は、最後にプラセンタ注射を受けた日から3か月間が献血を控える期間です。
たとえば1月10日に最後のプラセンタ注射を受けた場合、4月10日以降は、プラセンタ注射の使用歴だけを理由として献血を制限されることはありません。定期的にプラセンタ注射を受けている方は、最後に注射を受けた日を基準に考えるとわかりやすいでしょう。

ただし、献血にはプラセンタ注射以外にもさまざまな基準があります。そのため、3か月経過していれば必ず献血できるという意味ではなく、当日の健康状態や服薬状況などを含めて最終的に判断されます。

プラセンタのサプリメントや化粧品も献血に影響する?

今回の献血ルールで対象となっているのは、ヒトの胎盤を原料としたプラセンタ注射剤です。そのため、プラセンタを配合した化粧品やサプリメントを使用している場合と、医療機関でプラセンタ注射を受けている場合は、同じように考えることはできません。
献血について不安がある場合は、使用している製品について献血会場で相談するとよいでしょう。

プラセンタ注射後に献血するときのポイント

プラセンタ注射を受けたことがある人で、これから献血を考えている場合、次の点を確認しておきましょう。

最後にプラセンタ注射を受けた日を確認する

献血を希望する場合は、最後にプラセンタ注射を受けた日を確認しましょう。最終使用日から3か月以上経過していることがひとつの目安になります。

献血時の問診では正確に伝える

献血をする際には、健康状態や薬剤の使用状況などについて問診があります。プラセンタ注射を受けたことがある場合も、自己判断で省略せず、正確に伝えるようにしましょう。
最終的な献血の可否は、献血会場で判断されます。

その他の献血基準も確認する

今回プラセンタ注射に関するルールは緩和されましたが、献血にはその他にもさまざまな基準があります。海外への渡航歴、体調、服薬状況などによって献血できない場合もあります。
「プラセンタ注射から3か月経ったから必ず献血できる」と考えるのではなく、当日の問診で確認することが大切です。

FAQ|プラセンタ注射後の献血に関するよくある質問

昔プラセンタ注射を受けました。もう献血できますか?

はい。

2026年10月1日以降は、最後にプラセンタ注射を受けてから3か月以上経過していれば、プラセンタ注射の使用歴だけを理由に献血が制限されることはありません。
ただし、その他の基準によって献血できない場合があります。

プラセンタ注射を受けた翌日に献血できますか?

いいえ。

現在も、最後にプラセンタ注射を受けてから3か月間は献血を控える必要があります。3か月経過後に、その他の献血基準を満たしていれば献血が可能です。

プラセンタ注射を続けている場合はどうなりますか?

定期的にプラセンタ注射を受けている場合は、最後に注射を受けた日から3か月が経過する必要があります。献血を予定している場合は、最後の注射日を確認しておきましょう。

プラセンタ注射を受けていることを献血時に伝える必要はありますか?

はい。

献血時の問診では、プラセンタ注射を含め、聞かれた内容について正確に申告することが大切です。

まとめ

献血によって集められた血液は、病気やけがの治療、手術などの際に必要とされる輸血に使われています。血液は人工的に作ることができず、長期間保存することもできないため、安定して血液を確保するためには、一人ひとりの継続的な献血への協力が大切です。
これまでプラセンタ注射のために献血を控えていた方も、最後の注射から3か月以上経過していれば、献血という形で誰かの治療を支えることができます。プラセンタ注射を受けている方で献血を希望する場合は、最後に注射を受けた日を確認したうえで、献血会場で相談してみましょう。

なお、献血の可否はプラセンタ注射の使用歴だけで決まるものではありません。当日の体調やその他の基準も含めて判断されるため、献血を希望する際は献血会場で確認してください。

※記事内でご紹介している各商品は記事執筆時の情報に基づいて掲載をしており、変更となっている可能性がございます。ご購入の際は最新情報をお確かめください。

恵比寿アズクリニックお得なサブスクのご案内

恵比寿アズクリニックでは、患者様お一人おひとりに合わせてメニューをカスタマイズできる定額制プランをご用意しております。

アズクリで人気の施術も最大30%OFF※。大変お得なプランとなっております。

※プレミアムプランの場合

監修医師紹介

奥野彰子/医師

奥野 彰子 / Akiko Okuno

医師・恵比寿アズクリニック院長

  • 東京慈恵会医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学付属病院にて形成外科に入局。
  • 2008年より美容皮膚科 院長を15年勤める。
  • 2023年5月 恵比寿アズクリニック院長に就任。

監修医師詳細プロフィール

この記事をシェア
目次