【医師監修】2月から本格化!花粉による肌荒れの予防と対処方法

花粉の飛散が本格化する時期になると、花粉症の人は鼻水や目の痒みなどさまざまな症状に悩まされます。肌が受ける影響も大きく、毎年決まって同じ時期に肌荒れが起きてしまうという人も少なくありません。

民間の気象情報会社ウェザーニューズによると、2025年は2月中旬から3月上旬にかけて各地で花粉の飛散が本格化し、西日本を中心に多くの地域で平年を上回る飛散量になると予想されています。本格的な花粉シーズンに入る前にしっかり対策をしておきたいですね。
そこで今回は、花粉による肌荒れの予防方法と、肌荒れが起きてしまった場合の対処方法について解説していきます。花粉症の方は必見ですよ!

この記事のポイント

  • 花粉による肌荒れの特徴や原因がわかる
  • 花粉による肌荒れの予防方法がわかる
  • 花粉による肌荒れが起きた場合の対策がわかる

目次

花粉による肌荒れはなぜ起こる?

花粉の季節になると、肌が痒くなったり赤みが出たり…こうした花粉による肌荒れのことを「花粉皮膚炎」と呼びます。
まずは花粉がなぜ肌荒れにつながるのか、その原因を知っておきましょう。

花粉皮膚炎の主な症状

花粉により炎症が起きると、肌の痒みや赤み、発疹などの症状が現れます。さらに炎症が進むと患部に腫れや熱感が生じるようになり、痒みに耐えられず掻いてしまうと色素沈着が発生することも。
炎症を伴わない場合でも、花粉によって肌がカサカサと乾燥し、ひどい粉吹き状態となってしまうことがあります。化粧ノリが悪くなり「お肌に元気がないな」と感じると、気持ちも落ち込んでしまいがちですよね。

これらの症状は、花粉が付着しやすい顔や首を中心に起こります。特にまぶたや口まわり、首まわりなど皮膚が敏感な部分は症状が強く出ることが多く、毎年同じような箇所に肌荒れが起きる人も少なくありません。
これらの部位によく肌荒れが起きる人や、鼻水・目の痒みなど花粉症に特有の症状が併発している人、季節によって肌の状態が大きく変化するという人は、花粉皮膚炎を疑うべきでしょう。

花粉皮膚炎が起こるメカニズム

 花粉皮膚炎は、スギやヒノキなど植物の花粉に対するアレルギー反応が肌に表れている状態。肌に付着した花粉を身体が異物とみなし、免疫機能が過剰に働いてしまうことで起こります。
通常は皮膚に備わったバリア機能が異物の侵入をガードしてくれているのですが、花粉症のある人はバリア機能をかいくぐって侵入してきた微量の花粉にさえも強く反応してしまうことがあります。また乾燥肌や敏感肌で元々バリア機能が低下している人などは、より炎症が強く出てしまうことが多く注意が必要です。

花粉が直接の原因になるだけでなく、目を擦ったり鼻をかんだりをくり返すうちに、目鼻周辺の皮膚が摩擦で弱くなり、炎症を起こしてしまうことも少なくありません。

花粉による肌荒れの予防方法

花粉による肌荒れを防ぐために大切なのは、次の2つの考え方です。

①花粉を肌に触れさせない
②肌のバリア機能を高める

それぞれについてみていきましょう。

花粉を肌に触れさせない

まずはアレルゲンである花粉を避けることが何より重要です。花粉を肌に触れさせず、家の中にも持ち込まないよう工夫しましょう。

マスク、メガネ、帽子、スカーフなどで肌を覆う
マスクは数時間おきに取り換える
・着用した衣類はこまめに洗濯する
・ニットなど凹凸の多い服や静電気の起きやすい素材の服は避ける
・帰宅後は玄関で衣類ブラシなどを使い、コート類の花粉を落とす
・できれば帰宅後すぐにシャワーを浴びて部屋着に着替える
・シャワーが難しければ洗顔だけでもすぐに行うと◎
・洗濯物は部屋干しする
・寝具も外に出さず、日当たりの良い窓際などで干す

ここまで徹底しても、完全に花粉の侵入を防ぐのは難しいものです。花粉シーズンは普段以上に部屋の掃除をこまめに行うよう心がけ、空気清浄機なども活用すると良いでしょう。

肌のバリア機能を高める

本格的な花粉シーズンに入る前から意識しておきたいのが、肌のバリア機能を高めることです。

バリア機能が正常に働いている肌は肌内部もうるおいで満たされており、花粉をはじめとする外部刺激の影響を受けにくい状態です。
しかし肌が乾燥したりダメージを受けたりしてバリア機能が弱まると、花粉が肌に侵入しやすくなり、より肌荒れが起きやすい状態となってしまいます。
肌のバリア機能を高めるためには、次の3つのポイントを守ることが大切です。

①肌を擦らない
摩擦を加えると角質が傷つき、バリア機能の低下につながります。
洗顔やメイクの際には擦らずやさしく行うよう心がけましょう。

②保湿を徹底する
化粧水で肌に水分を与え、乳液やクリームで水分の蒸発を抑えます。
肌のうるおいを守るだけでなく、花粉が皮膚に直接触れないようにする効果も。

③紫外線対策を徹底する
バリア機能を弱める最大の要因は紫外線です。
冬でも毎日日焼け止めを塗り、その後の花粉シーズンに備えましょう。

花粉が本格的に飛散する前から丁寧なスキンケアを心がけ、肌を強く保っておくことで、花粉による影響を跳ね返すことができるはずです。

花粉による肌荒れが起きてしまったら?

しっかり予防していても、花粉による肌荒れが起きてしまうこともありますよね。
そんなときの対処方法を最後にご紹介します。

炎症が出たらすぐに皮膚科を受診する

軽い乾燥程度であれば保湿を徹底することで改善する場合もありますが、赤みや痒み、発疹などの症状が現れたら皮膚科を受診することをお勧めします。
皮膚科では、肌荒れが花粉によるものかどうかを診断するとともに、アレルギー症状を抑える内服薬や炎症止めのステロイド軟膏、保湿剤などを処方します。医師の指示のもと薬による治療を行うことで、効果的に症状を改善させることができるでしょう。
炎症が悪化してからでは治療に時間がかかってしまいますので、できるだけ早めに受診することが大切ですよ。

痒くても掻くのはNG

花粉皮膚炎による痒みは耐え難いものではありますが、そこでポリポリと掻いてしまうと炎症が悪化し、さらにひどい痒みが出る悪循環に陥ってしまいます。また色素沈着にもつながるため、絶対に掻かないように気をつけましょう。

痒みが出たときには、タオルでくるんだ保冷剤や冷たいおしぼりなどで患部を冷やすようにしてください。かゆみが鎮まって楽になるはずです。
また皮膚科で処方された軟膏を塗ることもかゆみの緩和につながりますよ。

生活習慣を見直して肌の調子を整える

規則正しい生活を心がけ、肌の代謝を促すことも肌荒れ改善には不可欠です。
中でも意識したいのが、質の高い睡眠をとること。肌のターンオーバーは睡眠中に活発に行われるため、良質な睡眠は肌の回復にとても大切な要素なのです。
忙しい中でも17時間程度は睡眠時間を確保し、質の良い睡眠をとれる環境を整えましょう。

・就寝時間の最低1時間前(できれば2時間前)には食事を済ませる
・就寝時間の1時間前くらいに入浴する
・就寝前1時間はパソコンやスマートフォンを見ない

しっかりと休むことで肌は自然と健康的な状態を取り戻し、美しさを保つことができますよ。

また食事で必要な栄養素をしっかり摂取することも大切。タンパク質ビタミン類などを意識して摂るようにしてください。

まとめ

「毎年花粉によって肌荒れが起きてしまう…」と悩んでいる人は、今から準備を始めましょう。しっかりと対策を講じることで、去年よりも症状が軽く済むかもしれません。
また肌荒れが起きてしまったら、早めに皮膚科を受診し適切な治療を受けることも大切です。花粉の時期を乗り越えて健やかに春を迎えるには、早めに行動を起こすことが必要ですよ。

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記事監修

奥野彰子/医師

奥野 彰子

医師・恵比寿アズクリニック院長

  • 東京慈恵会医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学付属病院にて形成外科に入局。
  • 2008年より美容皮膚科 院長を15年勤める。
  • 2023年5月 恵比寿アズクリニック院長に就任。

詳細プロフィール

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