年齢とともに目立ってくるシミ。メイクでカバーしきれず、大きな悩みとなっている人は多いものです。
そんなときは自分一人で悩まずに、皮膚科や美容皮膚科での専門的な治療を考えてみるのも一つの解決策!ここでは美容皮膚科で行われるシミ取りレーザーを中心に、シミ治療に役立つ情報をご紹介します。
この記事のポイント
- 皮膚科と美容皮膚科で行われるシミ取りの違いがわかる
- 美容皮膚科で行うシミ取りレーザーの流れやリスクがわかる
- 美容皮膚科でシミ取りを行う際に必要な準備がわかる
シミ取りをするなら皮膚科or美容皮膚科?
「シミ取り」というと、いわゆる「シミ取りレーザー」の治療を指すことがほとんどだと思います。
シミ取りレーザーを検討するときにまず悩むのが、「皮膚科と美容皮膚科、どちらに相談するべき?」という疑問ではないでしょうか。まずはこの二者の違いについてご紹介します。
皮膚科でのシミ治療
保険診療をメインとする一般的な皮膚科では、費用面の負担が少なくシミ取りを行える点がメリットです。一方でシミの種類によっては治療対象外となる点に注意が必要です。
保険適用となるのは、太田母斑や扁平母斑、外傷性色素沈着といった、「疾患」に該当するシミやアザに限られます。
加齢や紫外線の影響でできる一般的なシミ(老人性色素斑)やソバカス(雀卵斑)、ホルモンバランスの変化で現れる肝斑などの治療は美容目的と判断され、保険診療のみを行っているクリニックなどでは治療ができないケースが多いのです。
美容皮膚科でのシミ治療
美容皮膚科は自由診療がメインとなるため、加齢によるシミやソバカス、肝斑の治療も行うことができます。またシミ取りレーザー以外にも幅広い選択肢がある点や、施術前後のスキンケアを含むフォローが充実している点もメリットでしょう。
一方で皮膚科と比べ費用が嵩みがちである点はデメリットと言えます。
結論として、疾患に該当するシミの場合は皮膚科、その他のシミの場合は美容皮膚科を受診するのが基本的には正解です。
とは言え、ご自身で判断できない場合は好きな方を受診すれば問題ありません。診察を通して保険適用の可否や適切な治療方針を確認しましょう。
美容皮膚科で行うシミ取りレーザー
ここからは、美容皮膚科でできるシミ取り施術を中心にご紹介します。
いわゆるシミ取りレーザーとは、シミの原因となるメラニン色素をレーザーで破壊する施術のこと。まずはシミ取りレーザーの具体的な施術内容や流れについて見ていきましょう。
シミ取りレーザーの適用範囲
シミ取りレーザーが適応となるのは、主に老人性色素斑・雀卵斑・ADMなどのタイプです。一方、脂漏性角化症のように凹凸を伴うタイプはイボに分類され、Co2レーザーでの治療が適しています。
またいくつかの種類のシミが混在している場合もあり、複数の施術を組み合わせて治療を進めることもあります。シミの種類や肌の状態によって施術の種類や回数が異なるため、医師の診断に基づいて適切な方法をとることが重要です。
シミ取りレーザーの流れ
シミ取りレーザーの治療について、一般的な流れを紹介します。
①診察
医師がシミの種類や状態を見極め、レーザー治療が適切かどうかを判断します。
また、最終的にどのような状態を目指したいかといった希望や、それに必要な施術回数、ダウンタイムについてなどの説明を受け、施術内容をすり合わせていきます。
②レーザー照射
シミに対してレーザーを照射します。使う機器により、ゴムに弾かれたような痛みや灼熱感が伴う場合が多いです。施術時間としては、シミの個数や大きさによって異なりますが、レーザー照射自体は10分程度で完了する場合がほとんどです。
③照射部の保護・アフターケア
レーザー照射後の皮膚は軽い火傷を負ったような状態で、赤くただれたような見た目になっていることが多いです。この後の流れはレーザーの出力やクリニックごとの方針によって異なりますが、恵比寿アズクリニックの場合は照射部にテープを張り付けて保護します。
最低1週間はテープによる保護を行い、その間軟膏を塗布することで炎症を防ぎます。
④再診
こちらも恵比寿アズクリニックの場合に限りますが、施術1~2週間後に再診を行い、肌の状態を確認します。この頃には照射部が黒っぽいカサブタとなっています。
テープをはがす際にカサブタが一緒に剥がれる場合が多いですが、残った場合も洗顔など日常的なスキンケアを行う中で自然と剥がれていきます。
かさぶたが剥がれた部分は元の肌色より薄い白~ピンク色になっており、次第に自然な肌色に戻ります。
シミ取りレーザーの費用
自由診療のシミ取りレーザーは、各クリニックが独自に価格を設定します。
使用するマシンの種類や、軟膏・テープなどのケアに必要な物品などがクリニックによって異なるほか、シミの数や種類、肌の状態なども関わるため、1回の治療にかかる費用は数千円~数万円の幅があります。
また麻酔代、軟膏代、テープ代などが別料金でかかる場合もあるため、カウンセリングの際に納得いくまで確認することが大切です。
恵比寿アズクリニックの場合は次のような料金体系となっています。
| 直径5mm | 5,500円(税込) |
|---|---|
| 直径10mm | 11,000円(税込) |
| 直径15mm | 16,500円(税込) |
| 直径20mm | 22,000円(税込) |
| シミ取り放題 (期間限定) |
59,800円(税込) |
※別途テープ代や南光台がかかる場合があります
恵比寿アズクリニックのシミ取りレーザー

恵比寿アズクリニックでは、ピコレーザーを使用したシミ取りを行っています。
ピコレーザーは、従来のレーザー治療機に比べて1000分の1秒(ピコ秒)という速さでレーザーを照射することができます。それにより肌への負担が少なく、ダウンタイムを抑えることができるため、これまでのレーザー治療の欠点を補った革命的なレーザーと言われています。
レーザーの出力を変えることで、「ピコスポット・ピコトーニング・ピコフラクショナル」の3種類の施術を行うことができ、いわゆる「シミ取りレーザー」と呼ばれる治療は、ピコレーザーを高出力かつピンポイントに照射する「ピコスポット」のことを指します。
特にアズクリニックで使用している機種エンライトンSRは高い治療効果と安全性を兼ね備えており、従来のレーザーと比べ炎症後色素沈着も発生しにくいと言われています。
▶ピコレーザー詳細 https://az-clinic.tokyo/picolaser/
美容皮膚科で行うシミ取りのリスクとデメリット
シミ取りに限らず、美容医療には必ずマイナス面が伴います。よくあるリスクやデメリットを知っておきましょう。
炎症後色素沈着のリスクがある
治療後しばらくすると、再びシミが濃く浮き出てしまう「炎症後色素沈着」が起こる場合があります。
これはレーザーによる熱ダメージによるもので、治療前のシミとは異なる状態です。
肌のターンオーバーによって自然と解消されていきますので、過度に不安になる必要はありません。
肝斑が併発している人、加齢などでターンオーバーが滞りがちな人、肌がダークトーンな人などは炎症後色素沈着が出やすく、事前にトレチノインやハイドロキノンなどの外用薬を使って予防処置を行うこともあります。
また施術後に強い紫外線を浴びると炎症後色素沈着のリスクが高まるため、治療後半年~1年程度は普段以上の日焼け対策が必要となります。さらに言えば、施術自体を紫外線が比較的弱い秋冬に受けるというのも、リスクを下げるためには大切ですよ。
ダウンタイムが長い
シミ取りレーザーは、美容皮膚科でできるあらゆる施術の中でも特にダウンタイムが重くなりがちです。クリニックによりますが、施術後1~2週間はテープによる保護や軟膏でのケアが必要なため、周囲の目が気になったり、面倒に感じたりすることも多いです。
しかしその分、1回の施術で大きな変化が得られる点は大きなメリット。ADMなど複数回の照射が必要になるタイプもありますが、一般的なシミであれば1回で完全に取りきれるケースが多いです。
どうしてもダウンタイムを出したくない場合には、レーザートーニングやフォトフェイシャルなど別の治療を検討してみても良いでしょう。
後戻りのリスクは?
レーザーでしっかりシミを取ったにも関わらず、同じ場所にまたシミができてしまったらガッカリしますよね。このような状況になると「消したはずのシミが元に戻った」「シミ取りが効かなかった」と感じる人もいますが、実はそうではありません。
一般的にシミは紫外線や摩擦などの外部刺激を原因として発生します。シミを取ったとしても、そういった外部刺激を受け続けてしまうと、同じような場所に新たなシミが発生する可能性はゼロではありません。
つまり「消したはずのシミが戻った」のではなく「全く別の新たなシミができた」というのが正解です。だからこそ、毎日の紫外線対策や摩擦のないスキンケアを習慣づけることはとても大切なのです。
シミ取りするなら早めに美容皮膚科へ!
シミ取りをしようと決めたなら、早めに美容皮膚科を受診しましょう。「この日に受けたい」と思ったその日に初めて受診しても、施術が受けられないケースが非常に多いからです。
その理由について詳しく解説します。
シミ取りレーザーが適さないシミがある
シミ取りレーザーが適応でないタイプのシミで最も多いのが肝斑(かんぱん)です。

肝斑はホルモンバランスの乱れなどに紐づいて発生するシミで、30~40代の女性に多く見られます。主に頬骨周辺に左右対称に広がって出現し、一般的なシミと比べ境界が不明瞭で「くすみ」のように見えるのが特徴です。
肝斑は皮膚の炎症と密接に関係しており、シミ取りレーザーにより炎症が悪化することで、肝斑が濃くなってしまうことがあります。
そのためシミ取りレーザーではなく、レーザートーニングなど低出力のレーザーを使った治療や、内服薬による治療を行うのが一般的です。いずれの治療法もシミ取りレーザーほどの即効性はなく、2~6カ月程度の通院が必要になります。
「この日までにシミを改善したい」と思って受診しても、その希望が叶わなくなってしまう場合が多いため、気になったら早めに診察を受けることが大切です。
プレトリートメントが必要な場合がある
シミ取りレーザーを行う場合も、事前に準備期間を設けることがあります。これをプレトリートメントと呼び、1~3カ月程度を要することが多いです。
「この日にシミ取りレーザーを受けよう」と思っていたのに、肌の状態によってはプレトリートメントが必要と判断され、レーザーの施術時期が後ろ倒しになってしまったというのはよくあるパターンです。
プレトリートメントには次のような目的があります。
・肌の状態を整えて炎症後色素沈着を防ぐ
・予めシミの数を減らすことでレーザーによるダウンタイムを軽くする
・肝斑が併発している場合に、レーザによる悪化を防ぐ
プレトリートメントには
①トーニングやフォトフェイシャルなどダウンタイムのないシミ治療を行う方法
②トラネキサム酸やビタミンCなどの内服薬を使う方法
③シミに効果的な医療専売化粧品などのホームケアを行う方法
などがあり、複数の治療を組み合わせて行うこともあります。「手っ取り早くシミを消したい」と思っている人にとってはもどかしいかもしれませんが、仕上がりを左右する大切な期間なのです。
シミ取りレーザーが推奨されない時期がある
シミ取りレーザーは紫外線の弱い時期に受けるのがベストです。特にたくさんのシミを一気に取るような場合には、紫外線の強い春~夏は避けた方が望ましいとされています。
「すぐに受けたい」と思っていても、時期的に適さないためにスケジュールを考え直すということも少なくありません。
ご自身にとって最適なタイミングで受けるためにも、思い立ったら早めに受診しておきましょう。
美容皮膚科で行うシミ取りレーザー
美容皮膚科では、シミ取りレーザー以外にもさまざまなシミ治療を提供しています。ダウンタイムがなく気軽に受けやすい施術も多く「治療したことが周りにバレたくない」という人でもさまざまな選択肢をとることができます。
最後に、シミ取り以外のシミ治療についてご紹介しましょう。
医薬品による治療
まずは、シミに効果的な内服薬や外用薬を使って治療をする方法です。期間はかかりますが少しずつシミを薄くすることができ、他の治療と併用することが多いです。
シミ治療に使用される医薬品には、次のものがあります。
| ビタミンC内服薬 | 強力な抗酸化作用でメラニンの生成を抑制する すでにできてしまったメラニンを無色化することも可能 |
|---|---|
| トラネキサム酸内服薬 | 肝斑の原因となるプラスミンの働きを抑制する |
| ハイドロキノン外用薬 | メラニン合成酵素チロシナーゼの働きを抑制する |
| トレチノイン外用薬 | 肌のターンオーバーを促進しメラニンの定着を防ぐ |
レーザートーニング

レーザーを使う点はシミ取りレーザーと同じですが、より低出力で広範囲に照射する方法です。回数を重ねることで少しずつメラニン色素を抑制し、シミを薄くすることができます。
恵比寿アズクリニックのようにピコレーザーを使用する場合は「ピコトーニング」と呼ばれます。
ピコトーニングは肝斑に有効な施術のひとつとして知られ、シミ取りレーザー前のプレトリートメントとしても活躍します。
施術中はパチパチとした刺激を感じることがありますが、シミ取りレーザーほど痛みや熱感は強く感じず、ダウンタイムも基本的にはありません。
フォトフェイシャル

IPL(Intense Pulsed Light)という特殊な光を照射することで、シミやくすみ、赤み、細かなしわ、毛穴の開きなど、あらゆる肌トラブルを一挙に改善する美肌治療です。
シミ取りレーザーとは異なり、処置後のダウンタイムがほとんどないため、広範囲に広がるシミやそばかすの治療に適しています。
ただし肝斑の改善にはつながりにくいため、肝斑が見られる場合はトーニングをお勧めします。
ポテンツァ

ポテンツァは、高周波(RF)のエネルギーを活用した美容施術です。チップをカスタマイズすることで、さまざまな肌悩みに応じた治療が可能となります。
中でも「S-16」や「S-25」のチップは肝斑に効果的。極細の針を肌に刺し、針先からメラノサイト周辺にRFを照射することで、メラノサイトの働きを弱らせ、メラニンの生成を抑制します。
まとめ
美容医療は年々進歩しており、以前に比べて手頃な価格で、自分に合った治療を選択しやすくなっています。
シミに悩み、暗い思いで毎日を過ごしているならば、一歩踏み出して本格的なケアに挑戦してみる価値はあります。
肌トラブルを解決し、ストレスから解放された毎日を過ごすために、美容皮膚科での専門的な治療を検討してみてはいかがでしょうか。



