シミと一口に言っても、その種類は大きく6つに分けられ、それぞれに原因と対処方法が異なります。
この記事ではシミの種類ごとの原因を詳しく解説し、それに基づいたおすすめの解決策をご紹介します。
一生懸命ケアしていても、シミがなかなか改善されない。それどころか新たにできてしまうという方はぜひご覧ください。
この記事のポイント
- 老人性色素斑の原因と改善方法
- 雀卵斑(そばかす)の原因と改善方法
- 肝斑の原因と改善方法
老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)とは?
老人性色素斑は、一般的に「シミ」と呼ばれるもので最も多いタイプです。
境界線がはっきりとした薄茶色の楕円形の沈着で、5mm~10mmと比較的大きいのが特徴です。
老人性色素斑の原因
老人性色素斑の主な原因は、紫外線と加齢です。
紫外線が当たると、その刺激から肌を守ろうと肌の基底層にあるメラノサイトという組織が、シミのもととなるメラニン色素を生み出します。
悪いイメージを持たれがちなメラニンですが、実は肌を紫外線ダメージから守る役割を果たしているのです。
生成されたメラニンは、通常肌のターンオーバーによって肌表面に押し上げられ、古い角質とともにはがれ落ちていきます。しかし加齢やストレスなどにより肌のターンオーバーが滞ると、メラニンが排出されずに皮膚内に滞留し、シミになってしまうのです。
また「老人性」とついてはいますが必ずしも高齢の方だけにできるわけではなく、紫外線に長時間さらされるような生活をしていると、若いうちから現れ始めることもあります。
老人性色素斑ができやすい部位
老人性色素斑は、紫外線にさらされやすい頬骨まわりや鼻、額などによく見られます。
特に高齢の男性は日焼け対策を行う習慣のない方が多く、大きくくっきりとしたシミのある方もよく見受けられます。
また色白な人は、そこまで紫外線を浴びていなくてもシミが目立つようになることがあります。
老人性色素斑の改善方法
老人性色素斑は美白化粧品によるケアで予防することが可能です。
しかしすでにシミとして現れてしまった場合にはホームケアで改善することは難しく、医薬品や美容皮膚科での治療が最善策となります。主な治療方法は次の通りです。
・塗り薬(美白製品)
・飲み薬(美白成分)
・レーザー治療
・IPL(光治療)
-恵比寿アズクリニックでの治療例|ピコレーザー(スポット照射)
ピコレーザーは、従来のレーザー治療機に比べて1000分の1秒(ピコ秒)という速さでレーザーを照射することができます。それにより肌への負担が少なく、ダウンタイムを抑えることができるため、これまでのレーザー治療の欠点を補った革命的なレーザーと言われています。
いわゆる「シミ取りレーザー」と呼ばれる治療は、このピコレーザーをピンポイントに照射することで、ターゲットの色素粒子を粉砕するピコスポットのことです。
シミの状態にもよりますが1回の施術で完全に消せるケースも多く、薄いシミまで逃さず取りきることが可能です。高い治療効果と安全性を兼ね備えており、従来のレーザーと比べ炎症後色素沈着も発生しにくいと言われています。
雀卵斑(じゃくらんはん)とは?
雀卵斑とは2~3mm程度の小さな斑点で、一般にそばかすとして知られています。スズメの卵の模様に似ていることから名付けられました。
3歳以降にでき始め、思春期に目立つようになる方が多いのが特徴です。
雀卵斑の原因
雀卵斑の発生には遺伝的な要因が大きくかかわっており、色白で色素が薄い人に多く見られます。
大人になるにつれて薄くなっていくケースもありますが個人差があり、紫外線によって色が濃くなることもあるため、紫外線対策が非常に重要です。
雀卵斑ができやすい部位
雀卵斑は鼻や頬、さらに肩や背中などさまざまな部位に現れます。特に目の周りなど皮膚が薄い部位に発生しやすく、範囲が広いほど目立つ場合が多いです。
雀卵斑の改善方法
老人性色素斑と同様レーザー治療によって改善できます。
ただしレーザー治療は施術後にテープによる保護が必要なため、広範囲におよぶ雀卵斑の場合はダウンタイムが重くなりがちです。その場合にはフォトフェイシャルやレーザートーニング等のダウンタイムの軽い治療を繰り返し、全体的なシミを減らした後で、足りない部分だけレーザー治療を施す方法をおすすめすることもあります。
-恵比寿アズクリニックでの治療例|IPL(フォトフェイシャル)
フォトフェイシャルはIPL(Intense Pulse Light)という特殊な光を照射することで、肌のシミやくすみ、赤み、細かなしわ、毛穴など、あらゆる肌の悩みを一挙に改善する美肌治療です。
シミを1度で消すことはできませんが、レーザー治療とは異なりダウンタイムがほとんどないのがメリットです。顔全体に広がるシミやそばかすなど、テープ保護が難しい場合に有効な治療といえます。
恵比寿アズクリニックで導入しているステラM22というフォトフェイシャルマシンは波長の選択肢が多く、悩みに応じて細やかなカスタマイズが可能です。
肝斑(かんぱん)とは?
肝斑は老人性色素斑と混同される場合が多いのですが、比較的色が薄く左右対称に出現するのが特徴です。また老人性色素斑と比べ輪郭がはっきりせず、広い範囲にもやっと広がっている点も見分ける指標です。
レーザー治療が逆効果となる場合が多いため、治療を進める際には医師の正確な診断が鍵となります。
肝斑の原因
肝斑のはっきりとした原因は解明されていませんが、女性ホルモンの変動、ストレス、皮膚の摩擦などが大きく影響しているというのが通説です。
また紫外線によって状態が悪化することもあり、これらの外的・内的要因によりメラニンの生成が促され、シミとなって顔に現れます。
30~40代の女性によく見られ、60代に差し掛かると自然に薄くなる、あるいは消えていく人もいます。この変化は、ホルモンバランスの変動が大きく関わっていると考えられます。
肝斑の改善方法
肝斑は外部からの刺激に非常に敏感で、気になって触れば触るほど悪化する可能性がありますので、自己判断での過度なケアは避けるのが賢明です。
美容皮膚科で治療を行う場合でも、強い刺激を加えるシミ取りレーザーは不向きなため、肌に負担の少ない施術で改善をはかります。また補助的にトラネキサム酸などの内服薬を併用することで、治療効果を高めることにつながります。
-恵比寿アズクリニックでの治療例|ピコトーニング
ピコトーニングは、シミ取りレーザーとしても使用するピコレーザーを弱いレベルで広範囲に照射する治療方法です。スポット照射とは違い1度でシミを取りきることはできませんが、複数回施術を行うことでメラニン色素を徐々に分解して体外へ排出し、シミや肌のくすみを目立たなくしていきます。
ダウンタイムがほとんどなく、通常のレーザー治療が刺激となってしまう肝斑の治療にも対応できます。
-恵比寿アズクリニックでの治療例|ポテンツァ(肝斑モード)
ポテンツァは高周波(RF)のエネルギーを活用した美容施術です。チップをカスタマイズすることで、さまざまな肌悩みに応じた治療が可能となります。
中でもS-16チップは肝斑に効果的。極細の針を肌に刺し、針先からメラノサイト周辺にRFを照射することで、メラノサイトの働きを弱らせメラニンの生成を抑制します。
後天性メラノサイトーシス(ADM)とは?
「あざ」とも呼ばれ、皮膚の深層である真皮にメラニンが発生した状態を指します。頬に左右対称に表れることが多く、グレーや青みを帯びた独特の褐色をしています。
後天性メラノサイトーシス(ADM)の原因
ADMの原因ははっきりとはわかっていませんが、遺伝や紫外線、ホルモンバランスの乱れなどが影響しているといわれています。
老人性色素斑や肝斑などと混在している場合もあり、複数の治療方法を組み合わせることで改善をはかるケースが多いです。
後天性メラノサイトーシス(ADM)の改善方法
ADMの治療にはシミ取りレーザーが使用されることが多いです。
しかし他のシミと比べ皮膚の深い層にメラニンが滞留している状態のため、1回の施術で取りきることは不可能な場合がほとんど。ある程度の期間が必要にはなりますが、3~5回程度レーザー治療をくり返すことで改善が見込めます。
脂漏性角化症(しろうせいかっかしょう)とは?
脂漏性角化症は老化に伴って現れるシミの一種で、ホクロに似た外見をしています。
色は茶色からこげ茶色で、少し盛り上がった斑点やイボのような形状をしているため他のシミとも見分けやすいタイプのシミと言えます。
脂漏性角化症の原因
脂漏性角化症は主に皮膚の老化現象が原因で発生し、40代以降の年代に多く見られます。
表皮が薄くなりケロイド状になるか、あるいは硬くなることもあります。
脂漏性角化症ができやすい部位
首回りや背中など、老化により男女を問わず発生しやすい部位があります。盛り上がったホクロのような形状のため、隠しにくい場所にできると見た目にも大きく影響し、気になることが多いです。
脂漏性角化症の改善方法
脂漏性角化症は、化粧品や医薬品による改善はほとんど見込めません。レーザー治療やメスによる切除が適応となります。
-恵比寿アズクリニックでの治療例|CO2レーザー
Co2レーザーは、メスを使用せずに盛り上がったほくろやイボを除去する治療機です。
肌の深部や周囲の皮膚に不要なダメージを与えず、切開に比べて傷跡が残りにくいのが特徴。
脂漏性角化症も1回の施術で改善できる場合が多いです。
炎症後色素沈着とは?
炎症後色素沈着とは、その名の通りニキビや虫刺されなどの炎症が治った後に残る色素沈着のことを指します。
肌のターンオーバーとともに自然と解消されていくことが多いですが、場合によっては症状が長引くこともあります。
炎症後色素沈着の原因
繰り返し同じ場所にニキビが発生すると、その跡が色素沈着として残りがちで、容易には消えにくくなる傾向があります。
また肌の自然な回復能力が低下していることが一因となっており、肌のターンオーバーが乱れがちな40代以上の方に起こりやすいのも特徴のひとつです。
炎症後色素沈着の改善方法
肌の再生を促し、色素沈着を薄くすることで改善を早めることが可能です。
美白有効成分を含む美容液や医薬品の使用が効果的であり、十分な睡眠を取るなどの基本的な生活習慣を整えることも大切。主な改善方法は以下のとおりです。
・ハイドロキノンを含む塗り薬
・有効成分配合の薬用美容液(ビタミンC誘導体、ナイアシンアミド、プラセンタ等)
・フォトフェイシャル
・ケミカルピーリング
・エレクトロポレーション
・高濃度ビタミンC点滴
-恵比寿アズクリニックでの治療例|ケミカルピーリング
酸性の薬剤を顔全体に塗布することで肌表面にある古い角質を取り除く施術です。ターンオーバーを活性化させることで、炎症後色素沈着の改善を早める効果が期待できます。
また肌荒れや毛穴の開き・黒ずみ、くすみ、ハリ改善などさまざまな肌悩みに対して有効で、トータルな美肌を目指す方にもおすすめです。
恵比寿アズクリニックでは、お肌の状態に合わせマッサージピールとミックスピールマヌカの2種類の施術からご提案しています。
まとめ
シミの治療はタイプに応じて適切に行うことが非常に重要です。一生懸命ケアしていても、そのシミの種類に見合わなければ思うような結果を得ることは難しいかもしれません。
ですから、まずは専門医のアドバイスを受け改善方法を見極めることから始めましょう。適切な診断と治療方法の選択が、美しい肌への第一歩ですよ。
シミ治療についてはYouTubeでも詳しくご紹介しております。ぜひこちらも参考にしてください。