【医師監修】生理前の肌荒れ対策!原因から改善方法まで徹底解説

「最近お肌の調子が良くないな…」と思ったら、生理前のタイミングと重なっていた!なんてことはありませんか?

ただでさえ気分が落ち込みやすいのに、肌が荒れると余計に憂鬱な気持ちになってしまいますよね。

そこで今回は生理前の肌荒れの原因や対策についてご紹介していきます。少しでも前向きな気持ちで過ごせるよう、ご自身に合った方法を取り入れてみてください!

この記事のポイント

  • 生理前のホルモン変化と肌荒れの関係がわかる
  • 生理前に肌荒れが起こるメカニズムがわかる
  • 生理前の肌荒れ対策がわかる
目次

生理前におとずれる肌荒れ症状のチェック

まずは生理前に起こりがちな肌トラブルとその原因について、きちんと理解しておきましょう。自分の体の変化を自覚するだけでも、不快感やストレスの軽減につながりますよ。
生理前によくある肌荒れの症状には、次のようなものがあります。

・ニキビや吹き出物ができる
・オイリーになる
・乾燥する
・敏感になる、かゆくなる
・シミ、そばかすができる
・くすみが生じる

こんな症状に悩まされている場合は、生理前のホルモンバランスの変化が原因の可能性大!
ぜひご自身の症状と照らし合わせてみてください。

生理前のホルモンバランスの変化と肌荒れの関係

生理前の肌荒れには、ホルモンバランスの変化が大きく影響しています。
女性ホルモンには「エストロゲン(卵胞ホルモン)」「プロゲステロン(黄体ホルモン)」2つがあり、どちらも卵巣から分泌されます。

エストロゲンとは?

「女性らしさをつくるホルモン」とも言われ、成長期には生殖器官や乳房を発育させる働きを担います。
月経後期から排卵期にかけて徐々に分泌が増え、卵巣内の卵胞を成熟させることで妊娠の準備をするという、大切な役割も担っています。
コラーゲンを生成して肌にうるおいとハリを与えたり、自律神経を整えて心を落ち着かせたりといった嬉しい働きもあるため、エストロゲンが多く分泌されている期間は心身ともに好調でいられる時期といえるでしょう。

プロゲステロンとは?

妊娠を助ける役割を担うホルモンで、エストロゲンと入れ替わるように排卵直後から分泌量が増加します。
妊娠しやすいよう子宮内の環境を整えたり、妊娠後に体内に栄養や水分を蓄えたりと、妊娠の継続をサポートします。
子どもを育むのに欠かせないホルモンである反面、皮脂を過剰分泌させるために肌トラブルの引き金になってしまうという一面もあります。

生理前のホルモン変化

女性ホルモンの分泌量は約28日周期で変化します。
中でも生理前は肌の調子を整えるエストロゲンが減少し、逆に皮脂の過剰分泌につながるプロゲステロンが急激に増加することがわかると思います。
この2つのホルモン量の変化が同時に起こることでホルモンバランスが急激に入れ替わり、生理前の肌トラブルにつながるというわけです。

生理前の肌荒れの症状別メカニズム

ここまで説明してきたホルモンバランスの変化が、さまざまな肌トラブルとなって表に出てきます。症状ごとに、具体的なメカニズムを見ていきましょう。

ニキビや吹き出物ができる/肌がテカりやすくなる

皮脂の分泌を促すプロゲステロンが増加する生理前は、肌がオイリーな状態になりがち。
またエストロゲンの減少により肌のうるおいも不足しやすい時期のため、硬くなった角質が毛穴に詰まったところに皮脂が過剰分泌されることでアクネ菌が増殖し、ニキビや吹き出物ができてしまいます。

乾燥する/敏感になる/シミやそばかすができる

肌の水分を保つエストロゲンの減少に加え、プロゲステロンの増加により肌のバリア機能を高める「抗菌ペプチド」が減少してしまうことが一因です。
肌のバリア機能が低下すると雑菌が侵入しやすくなったり、摩擦や刺激などの外的刺激に弱くなったりと、些細なことが肌ダメージにつながりやすくなるのです。

くすみがちになる

プロゲステロンが増えると、血行不良や自律神経の乱れを引き起こします。
また肌のバリア機能が低下することで、ターンオーバーが滞って古い角質や汚れが蓄積されていきます。
こうした現象がくすみにつながっているといえるでしょう。

生理前の肌荒れ対策5

肌荒れの原因をしっかり理解したら、次は対策です!
ご自身の症状やライフスタイルに合わせて、ベストな方法を見つけてくださいね。

丁寧なスキンケア

生理前の肌はとてもデリケートなので、普段のスキンケアよりも一層丁寧に行うよう心がけましょう。
特に注意すべきポイントを5つご紹介します。

ポイント① 洗顔やクレンジングはやさしく
ゴシゴシ擦ったり、洗浄力の強いアイテムを使ったりすることは厳禁。
クレンジングは肌の表面が動かないくらいのやさしい力で行ってください。
洗顔料はきめ細かく泡立て、やさしく顔を包み込むように洗いましょう。
すすぐ際は、ぬるま湯を両手ですくい、すすぎ残りがないようしっかりと洗い流します。
べたつきやニキビが気になっても、洗顔は12回に留めましょう。

ポイント② 洗顔後はすぐに保湿
肌のうるおいが不足しがちのため、洗顔後は間をあけずにすぐ保湿するようにしましょう。
「生理前はオイリー肌になる」という場合でも保湿を疎かにしてはいけません。乾燥が皮脂の分泌をさらに促し、ますます脂性肌やニキビの原因になってしまうのです。

ポイント③ 余分な皮脂を取り除く
肌のべたつきが気になってきたら、あぶらとり紙などで皮脂をオフしましょう。
ゴシゴシぬぐうのは当然ながら禁物。皮脂を吸い取るイメージで、肌にそっと押しあてるようにしましょう。

ポイント④ 肌荒れ改善に効果的な成分でスキンケア
より効果的にケアをしたいという方は、以下の成分が配合されている化粧品や美容液を使ってみてください。

レチノール ビタミンAの一種で、肌の新陳代謝を促進する働きがあります
アゼライン酸 皮脂の分泌を抑制し、ニキビを予防します
グリチルリチン酸2K 抗炎症作用や抗アレルギー作用があり、医薬部外品や化粧品に広く使われています

ただし生理前は肌が敏感な時期のため、新しいアイテムを試すのは慎重に。
肌に負担をかけず必要な成分をプラスすることがポイントです。

ポイント⑤ 日焼け対策は入念に
生理前は紫外線によるダメージを受けやすく、シミ・そばかすの増加につながりがち。日焼け対策を普段以上にしっかり行うよう意識しましょう。
日焼け止めを使う場合は、刺激の少ないノンケミカル処方のものがおすすめです。

ムダ毛処理をしない

肌のバリア機能が低下している生理前は、少しの刺激が思わぬトラブルを引き起こしてしまいます。
ムダ毛処理は、かみそりやピンセットで肌を傷つけてしまう恐れがあるため、控えたほうが良いでしょう。

睡眠をしっかりとる

睡眠を規則的かつ十分にとることは、肌荒れ予防にとても重要です。
仕事や家事に忙しくても生理前は意識的に睡眠時間はを確保し、少なくとも6時間以上は眠ることをおすすめします。
生理前は思うように眠気をコントロールできないこともありますので「寝つきが悪い」「眠りが浅い」という場合は、以下の対策を試してみてください。

・夕食から就寝までは3~4時間程度あける
・終身までの2~3時間は、テレビ・パソコン・スマホの画面を見ない
・就寝前にぬるめのお湯にゆっくり浸かる
・就寝前に軽くストレッチやマッサージをする
・就寝前にハーブティを飲んで体を温める

食事に気をつける

体内から美肌作りをサポートするためには、バランスの良い食事を意識することも大切です。

意識して摂取したいもの

ビタミン
お肌の健康に欠かせないのがビタミン類。特に緑黄色野菜などに多く含まれるビタミンAビタミンCは、肌にハリやツヤを与えてくれるため意識して摂るようにしましょう。
またビタミンB6は生理前の諸症状にとりわけ効果的です。かつお・まぐろ・さんま・レバー・バナナ・にんにくなどに多く含まれています。

イソフラボン
エストロゲンによく似た働きをするイソフラボンは、豆乳・納豆・豆腐・味噌などの大豆製品に多く含まれています。
ちなみに納豆には、血液をサラサラにするナットウキナーゼという成分も含まれているので一石二鳥です。

亜鉛
亜鉛が不足すると、肌のターンオーバーが乱れて肌トラブルにつながります。
カキ・ホタテ・カニなどの魚介類や、玄米・納豆・アボカドなど、亜鉛が多く含まれている食材も意識的に食べると良いでしょう。

体が温まるもの
新陳代謝が低下しがちな生理前には、体が温まる食べ物を食べて代謝を上げることも大切です。
生姜にんにくなど体を温める作用のある食品を積極的に食べたり、生野菜を温野菜に代えたりしてみましょう。
具沢山の野菜スープみそ汁などは、先にお伝えした栄養素も摂取できるのでおすすめです。ただしビタミン類には熱に弱いものもあるので注意が必要です。

摂りすぎ注意!生理前に控えたいもの

脂質
肌のべたつきやニキビが気になる場合は脂質が控えめの食事を心がけましょう。
どうしても油を使いたい場合は、亜麻仁油・えごま油・エキストラバージンオリーブオイルなど、肌に良い成分の含まれているものがおすすめです。

糖質
脂質と並んで注意が必要なのが糖質です。糖質は体内で脂肪に変わりやすく、皮脂の分泌を促進します。
スイーツやジュースといった甘い食べ物や、白米・パン・パスタなどの主食はもちろんのこと、肌に良いイメージのある野菜の中でも、イモ類・ニンジン・かぼちゃなどは糖質が多いため注意が必要です。

カフェイン
カフェインには血管を収縮させる作用があり、体を冷やすことにつながるため生理前は避けた方が無難です。
コーヒーや紅茶の代わりにイソフラボンの豊富な豆乳、ビタミンCの豊富なローズヒップハイビスカスのハーブティなどを飲むのがおすすめです。

サプリメントを上手に活用する

食事でうまく調整ができない場合には、サプリメントで足りない成分を補う方法もあります。
ホルモンバランスを整える働きのあるもの、肌トラブルに効果のあるものなど種類はさまざま。リーズナブルで手軽に購入できるものも多くありますが、添加物が含まれていることもあるため注意して選んでくださいね。
特におすすめのものを紹介します。

プラセンタ 成長ホルモンを活性化させ、ホルモンバランスを整える働きがあります。
ターンオーバー正常化・美白・ニキビ改善など肌に嬉しい作用もたくさん詰まっています。
ビタミンB2 皮脂分泌をコントロールする働きがあります。
ビタミンB6 ホルモンバランスを整える働きがあります。
肌荒れ、むくみ、貧血などの改善にも役立ちます。
ビタミンC 強力な抗酸化作用があり、肌にダメージを与える活性炭素を抑えます。
またメラニンの生成抑制やコラーゲン産生の促進などの役割もあります。
ビタミンE 肌のターンオーバーを促進する働きがあり、健康的な肌の維持に役立ちます。
イソフラボン 肌のうるおいやハリをキープしてくれます。
ただし摂取しすぎは逆効果。
ホルモンバランスの乱れにつながる恐れもあるため、適正な量を守って服用しましょう。

ひどい肌荒れは医師に相談

「どんなに気を付けても毎回肌荒れが起きてしまう」「ひどい肌荒れで気分が落ち込んでしまう」という方は、医療機関を頼ってみても良いかもしれません。
皮膚科で治療を受けることで肌荒れの症状が改善されることもありますし、婦人科で低用量ピルなどホルモン調整をする薬を処方してもらえば、生理前の諸症状もまとめて緩和することが可能です。
いろいろ試してみてもなかなか改善しないという方は、専門医に相談してみましょう。

まとめ

生理前の肌荒れについて、原因と対策をご紹介してきました。ご自身に合いそうな対処法は見つかりましたか?
肌が荒れると自分に自信を持てなくなってしまうもの。メイクのりが悪かったり、周りの目が気になったりして、気分も沈んでしまいがちです。
でもこれはあくまでも生理前の一時的な症状。すぐにいつもの自分に戻れるということを念頭において、必要以上に悩まず前向きに解決策を探していきましょう。

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記事監修

奥野彰子/医師

奥野 彰子

医師・恵比寿アズクリニック院長

  • 東京慈恵会医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学付属病院にて形成外科に入局。
  • 2008年より美容皮膚科 院長を15年勤める。
  • 2023年5月 恵比寿アズクリニック院長に就任。

詳細プロフィール

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