肌荒れにおすすめの漢方は?「ニキビ・乾燥・くすみ」タイプ別に紹介

環境の変化や食生活の乱れによって出てきてしまう肌荒れ。すぐに治りにくいこともあり、ついつい心が沈みがちになりますよね。
そんな悩ましい肌荒れには多くの治療法ありますが、そのひとつに「漢方」を使った方法があります。
漢方とは、自然界から得た薬草や動物、鉱物由来の成分を巧みに配合したものを指します。体質を根本から見直し、症状の改善へと導くのが特徴です。
西洋医学とは異なるアプローチで身体の不調に対処する漢方は、日常の不摂生が原因で起こる肌荒れに対しても非常に有効なのです。今回は、肌荒れに対する漢方の効果を症状ごとにご紹介していきます。

この記事のポイント

  • 漢方を服用する際の注意点
  • 肌悩み別オススメ漢方
  • 体質に合った漢方を見つけるコツ
目次

肌荒れ対策に漢方を利用するメリット

漢方の大きな利点は、全身のバランスを整え根本からの体質改善を目指す点にあります。すぐに劇的な効果が得られない場合も多いですが、将来的な再発を防ぐための長期的な視点でアプローチしていく点が大きな特徴です。
それに対し西洋医学の場合、病気の原因に直接作用し迅速な治療を実現しますが、体質改善が伴わない場合も多く同じ症状が再発することがあるのです。
体質そのものの改善を目指す漢方は、肌荒れをくり返してしまう方や慢性的な乾燥に悩んでいる方に適した治療と言えるのです。

漢方を服用する際の注意点

漢方と聞くと西洋医学における「薬」よりも安全性が高くマイルドな印象を持たれる方は多いかもしれません。
しかし漢方も立派な薬。副作用や飲み合わせの相性などを考慮して服用しなければなりません。
特に漢方薬同士を併用すると、それぞれに配合された生薬や成分が重複し、過剰摂取につながる恐れがあります。
持病との相性や飲み方について医師や薬剤師に相談する、常用薬がある場合は飲み合わせに問題がないか確認するなど、専門家の指導を受けながら服用するのが大切です。

また漢方を服用しても、不規則な生活を送っていれば効果は半減してしまいます。
適度な運動とバランスの取れた食事、十分な睡眠など、生活習慣を見直すことも肌のためには大切ですよ。

ニキビ肌の改善に役立つ漢方

まずはニキビが気になる肌にオススメの漢方を紹介します。
ひとくちに「ニキビ」と言っても原因はさまざま。また発生段階によっても適した漢方が異なります。あなたのニキビの状態に合わせて効果的な漢方を選ぶことが大切です。

生理前のニキビにオススメの漢方

生理前はホルモンバランスの乱れや血行不良による冷えが起こりやすく、肌の状態が不安定になりがちです。また便秘を併発している場合もあり、身体の中に老廃物が溜まりやすい状態といえます。
そのため血行促進や便秘改善に効果的な漢方がオススメです。

当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン) 生理不順や生理異常、冷え性等を改善
桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン) 血行障害を改善
桃核承気湯(トウカクジョウキトウ) 便秘・生理不順の改善

ストレスニキビにオススメの漢方

ストレスが溜まるとそれだけで肌に悪いだけでなく、睡眠不足につながったり過食に走ってしまったりと、より肌に悪影響な状態に陥りがちです。
ストレスが原因でニキビができてしまった場合、まずは日々の生活の中でストレスを発散することが大切ですが、同時に漢方の力を借りてみるのもひとつの手です。

加味逍遥散(カミショウサン) イライラやメンタル不安定、不眠の改善
柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ) 寝つきの悪さを改善

赤ニキビ・黄ニキビ・紫ニキビにオススメの漢方

ニキビが悪化し炎症が起きている赤ニキビ、さらに化膿が進んでしまった黄ニキビ・紫ニキビには、炎症を抑え肌を清浄に保つ効果のある漢方が向いています。
ただし、これらの段階のニキビは炎症が改善した後もニキビ跡となって残ってしまう可能性が非常に高い状態ですので、まずは皮膚科を受診することを推奨します。

黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ) 体の熱を冷まし炎症を鎮める
清上防風湯(セイジョウボウフウトウ) 顔のかゆみを鎮め、熱を下げる
十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ) 皮膚炎や化膿の改善
荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ) 体の熱や腫れを鎮静する

乾燥肌の改善に役立つ漢方

現代に生きる私たちを悩ませる乾燥肌。漢方の中には、体質を改善して乾燥肌に効果を発揮するものもあります。

当帰飲子(トウキインシ) 血行を促進し、乾燥による肌のかゆみを改善する
温清飲(ウンセイイン) 乾燥肌の炎症やかゆみを軽減
四物湯(シモツトウ) 血の巡りを改善し、肌の保湿力を回復させる
当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)
血行を改善し、肌に栄養や水分を届ける

くすみの改善に役立つ漢方

肌のくすみやシミが目立つと、顔色が悪く疲れた印象に見えてしまいますよね。
漢方によって「シミを消す」ことは基本的に叶いませんが、肌のターンオーバーを促したり血の巡りを改善したりすることで、シミのできにくい肌にしていくことは可能です。
明るい印象の肌に導く漢方を紹介します。

桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン) 血行を促進し、体内の水分バランスを整える
当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン) 新陳代謝の促進、血行改善

体質に合った漢方を見つけるコツ

漢方治療では、一人ひとりの体型や体質を考慮した「証」に基づいて処方することが重要とされています。
漢方における「証」には、次の3つがあります。

実証:筋肉質でがっしりした体系。体力や抵抗力もあるタイプ。
虚証: 細身できゃしゃな体型。体力が少なく、顔色もあまり良くないタイプ。
中間証:実証と虚証の中間。中肉中背で、体力などが平均的。

それぞれの「証」に適した漢方を選ぶことで、しっかりと効果を得ることができるのです。
漢方に関する情報は書籍やインターネットで豊富に得られますが、より確実な選択のためには専門医や薬剤師への相談が推奨されます。最近では漢方を専門とする外来も増えているので、なじみがない方でも安心して相談できますよ。

まとめ

漢方医学は、慢性的な肌荒れや体質の改善に対して効果的なアプローチを提供します。
ただし、あくまで肌トラブルを徐々に改善するための手段ですので、重度の症状がある場合は、まず皮膚科での診察を受け、必要に応じて抗生剤などを処方してもらうのが良いでしょう。
肌の健康を長期的に考える選択肢の一つとして、ぜひ漢方薬による治療を検討してみてください。

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記事監修

奥野彰子/医師

奥野 彰子

医師・恵比寿アズクリニック院長

  • 東京慈恵会医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学付属病院にて形成外科に入局。
  • 2008年より美容皮膚科 院長を15年勤める。
  • 2023年5月 恵比寿アズクリニック院長に就任。

詳細プロフィール

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