キメが整いなめらかなハリツヤ肌、憧れますよね。そんな美肌を作るのは、毎日のスキンケアだけではありません。“キレイ”は体の中から作られる。つまり、あなたの食生活がそのまま肌へ影響するのです。
「スキンケアを頑張っているのに、なかなか理想に近づけない」「高い化粧品は買えないけど、憧れの美肌を手に入れたい」と思っているなら、まずは食生活を見直してみませんか。
ここでは肌のお悩み別に美肌を作る食べ物をご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。
この記事のポイント
ニキビ改善に役立つ食べ物
ニキビの原因は毛穴の詰まりと皮脂の過剰分泌。皮脂を餌とするアクネ菌が毛穴内部で増殖することで、ニキビが発生します。
皮脂の過剰分泌は誤ったスキンケアが原因となる場合が多いですが、食生活をはじめとする生活習慣も大きく影響しています。だからこそ、食べ物を変えることがニキビ肌の改善につながるのです。
では早速、具体的に紹介していきましょう。
ビタミンB群
最もニキビ改善に役立つ栄養素と言われているのがビタミンB群。中でもビタミンB2・B6はニキビ予防に大きく関与しています。
ビタミンB群には、肌のターンオーバーを正常化し、皮脂の分泌をコントロールする働きがあります。皮脂が過剰に分泌されてニキビが繰り返している方はもちろん、脂性肌でテカリが気になる方も積極的に摂取したいですね。
手軽に手に入る食材で補給できますので、ぜひ今日の食卓から意識してみてください。
ビタミンB2:納豆 卵 乳製品 豚レバー モロヘイヤ ほうれん草
ビタミンB6:赤身魚 豚ヒレ肉 鶏ささみ バナナ 赤パプリカ さつまいも
ビタミンA
ビタミンAには、肌のターンオーバーを促進し毛穴詰まりを解消する働きがあります。皮脂が毛穴に停滞するのを防ぐことになるため、アクネ菌の増殖抑制に役立ちます。
サプリメントで摂取することもできますが、ビタミンAは過剰に摂取すると吐き気や頭痛、めまいなどを引き起こすことがあるため要注意。通常の食事で過剰摂取の状態になることはほとんどありませんので、やはり食事として取り入れるのが安心です。
鶏レバー うなぎ 緑黄色野菜 卵黄 バター
ビタミンC
美肌に欠かせない栄養素として知られるビタミンCは、ニキビ改善にも有効です。
強力な抗酸化作用を持ち、ニキビの発生に関わる活性酸素を除去。炎症を防いでニキビのできにくい肌に整えてくれます。
さらに肌の生まれ変わりもサポートするため、ニキビ跡の改善にも役立ちます。
ただし注意したいのは水溶性だということ。食材をゆでるとせっかくのビタミンCを逃がしてしまうので、生や蒸し料理として食べるか、溶けだした栄養分も丸ごと摂取できるスープにするのがオススメです。
ブロッコリー パプリカ いも類 アセロラ キウイ イチゴ
食物繊維
便秘によって腸内環境が悪化し、それがニキビの原因となっている人もいます。
食物繊維を多く含む食材を積極的に取り入れてみると、便秘もニキビも同時に改善されるかもしれません。
穀物 いも類 豆類 根菜類 きのこ類 海藻類
シワ予防に役立つ食べ物
一度刻まれてしまった深いシワを食べ物だけで改善するというのは現実的ではありません。しかし肌にハリを持たせることでシワを予防するとともに、乾燥による小じわの目立たない状態にすることはできます。
「年齢とともに出るものだから」と諦めず、美肌食材で若々しい肌を保っていきましょう。
タンパク質
三大栄養素のひとつに数えられるタンパク質は、肌の健康を保つのに欠かせません。
シワの原因として、肌内部のコラーゲンやエラスチンが減少し、ハリや弾力が衰えることがあります。タンパク質はこのコラーゲンやエラスチンの材料となるのです。
タンパク質は植物性と動物性に大きく分かれ、それぞれ特徴が異なります。
植物性タンパク質を多く含む食品は比較的脂質の含有量が少なく、ダイエット中などでも満足感が得られやすいという特徴があります。一方で動物性タンパク質は、植物性に比べ必須アミノ酸の含有量が多いのがメリット。
両方の長所を生かすために、どちらもバランスよく摂取することが大切です。
植物性:豆類 大豆製品 ブロッコリー アスパラガス とうもろこし バナナ
動物性:肉類 魚類 卵 乳製品
ビタミンCと鉄分
ビタミンCと鉄分には、コラーゲンの生成をサポートする働きがあります。
タンパク質だけを一生懸命摂取していても、この2つの栄養素が不足していては効率的にコラーゲンを生み出すことはできません。セットで摂取することで、ハリのある肌を保つことができますよ。
レバー 肉類(赤身) 魚類(赤身) 豆類 小松菜 ほうれん草 海藻類
イソフラボン
イソフラボンは、女性ホルモンの一種であるエストロゲンと似た働きをします。エストロゲンはコラーゲンの生成を促し美肌を作ってくれるのですが、20~40代前半をピークに分泌量が段々と減っていきます。そのためイソフラボンを摂取してエストロゲン不足を補うことが、エイジングケアにつながるのです。
さらにイソフラボンには抗酸化作用があり、コラーゲンの分解を抑制してくれる効果も。身近な食品から摂取できますので、ぜひ毎日の食事に取り入れてください。
納豆 豆腐 油揚げ きな粉 味噌 などの大豆製品
カルシウムとビタミンD
シワの原因としてもうひとつ挙げられるのが、骨の萎縮です。
年齢とともに骨密度が低下すると、顔の骨も委縮を起こします。そうするとこれまで骨によって支えられていた筋肉や脂肪などの組織が緩み、シワやたるみが目立つようになるのです。
骨の萎縮は加齢によってどうしても起きてしまう現象ではありますが、少しでも抑えるために骨を強くすることが大切です。
骨に必要な栄養素として真っ先に思い浮かぶのはカルシウムですよね。骨の主成分であるカルシウムはもちろん大切ですが、実は単独で摂取しても吸収されにくく、骨を強くするには不十分。
そこで重要になるのが、ビタミンDです。カルシウムの吸収を助ける働きがあるため、この2つはセットで摂取するのが理想です。
牛乳 ヨーグルト プロセルチーズ 小松菜 切り干し大根 ひじき 小魚 大豆製品
シラス 鮭 イワシ サンマ ニシン きくらげ しいたけ まいたけ
シミ予防に役立つ食べ物
シミは主にメラニン色素が表皮に蓄積されることで起こります。紫外線や摩擦などの刺激を受けると、肌を守るためにメラニンがたくさん生成されてしまいますので、まずはそれらの外部刺激から肌を守ることが大切です。
食事でできることとしては、抗酸化力の強い食品や肌のターンオーバーを促す食品を摂取して、シミやくすみのできにくい肌を作ること。
できてしまったシミをセルフケアで消すことは基本的にできませんので、日々の食事で予防していきましょう。
ビタミンEとビタミンC
「若返りビタミン」と呼ばれているビタミンEは、抗酸化作用に加えてメラニン排出のサポートや新陳代謝を高める効果があるといわれています。油に溶ける性質があるため、オイルと一緒に摂取すると吸収率が高まりおすすめです。
しかしビタミンEは一度抗酸化力を発揮すると効力を失ってしまいます。そこで一緒に摂取したいのがビタミンCです。
ビタミンCは、それ自体に高い抗酸化力があることに加え、酸化したビタミンEを再生させる働きを持つこともわかってきています。またメラニンの生成を抑制する効果や、メラニンの色を薄くする還元作用もあり、シミ対策には欠かせない成分なのです。
ビタミンCたっぷりの野菜とビタミンEが豊富なナッツ類のサラダなど、組み合わせやすい食品が多いですので、ぜひセットで食べるようにしてください。
アーモンド 落花生 アボカド うなぎ たらこ ひまわり油 オリーブオイル
ポリフェノール
ポリフェノールとは植物に含まれる色素や苦み成分の総称で、アントシアニンやカテキンなどさまざまな種類があります。大豆に含まれるイソフラボンもポリフェノールの一種なんですよ。
ポリフェノールは高い抗酸化力をもつとともに、種類によって動脈硬化の抑制や炎症の抑制など全身の健康につながるさまざまな効果があります。
中でもシミ予防には、メラニンの生成を抑えるエラグ酸や、くすみ改善につながるクロロゲン酸、カテキンなどがおすすめです。
エラグ酸:イチゴ ラズベリー クランベリー ぶどう
クロロゲン酸:コーヒー豆 さつまいも じゃがいも
カテキン:緑茶 紅茶
カロテノイド
自然界に存在する黄色や赤色などの色素成分の総称で、β–カロテン、リコピン、アスタキサンチンなどさまざまな種類があります。いずれも抗酸化力が高くシミ予防に効果的です。
β–カロテン:にんじん にら かぼちゃ パプリカ ほうれん草 春菊
リコピン:トマト スイカ 柿 あんず パパイヤ マンゴー
アスタキサンチン:紅鮭 イクラ カニ エビ
美肌の大敵!食べすぎNGな食品
肌にとってマイナスな食品もたくさんあります。
いずれも適度に楽しむ分には問題ありませんが、食べすぎないよう注意しましょう。
糖質・脂質
糖質も脂質も健康維持に必要な栄養素ではありますが、摂りすぎはNG。皮脂の過剰分泌や免疫力の低下につながります。甘いお菓子やジュース、スナック菓子、揚げ物などは、たまに楽しむ程度にとどめるのが理想です。
とはいえ我慢をしすぎてもストレスが溜まり、かえって肌によくありません。どうしても間食したいときにはナッツやドライフルーツなど栄養豊富な食品や、ゼリー・プリン・シュークリームなど血糖値の上昇が比較的緩やかな食品がおすすめです。
インスタント食品・加工食品
これらには日持ちを良くするための添加物が多く含まれています。また脂質も多くなりがちで、新陳代謝を阻害し肌荒れの原因となってしまいます。
カフェイン
カフェインには基礎代謝を上げたり、血管を拡張し血流を促したりといった嬉しい作用があり、適度に摂取する分には問題ありません。
しかし過剰に摂取すると、利尿作用により体が水分不足の状態に陥り、肌の乾燥につながります。また鉄分の吸収を阻害する性質や覚醒作用もあるため、摂取量やタイミングに工夫が必要です。
コーヒーや紅茶、チョコレート、エナジードリンクなどに含まれますので、摂りすぎに注意しましょう。
冷たい食べ物
暑い季節にはアイスクリームや冷たい飲み物が欲しくなりますよね。冷たいものを食べると気分がすっきりしますが、体を内側から冷やすことになり、血流が滞ってしまいます。
また内臓を疲れさせ、そのストレスが肌へも影響を及ぼしますので、夏であっても食べすぎはNGです。
中でも見落としがちなのが生野菜。意外と体を冷やす要因となりますので、面倒ですが温野菜にして食べるのがおすすめです。栄養素も効率よく吸収できますので、ぜひ蒸し料理などで楽しんでみてください。
まとめ
今回ご紹介した食材は、スーパーマーケットやコンビニで手に入るものばかり。すぐに食事に取り入れられるはずです。
大切なのは、さまざまな栄養素をバランスよく摂取すること。「それだけ食べていれば安心」なんて食品は存在しません。いろんな料理を楽しみながら、インナーケアで美肌を作っていきましょう。