【医師監修】肌のターンオーバーとは？乱れる原因と正常に保つ秘訣

美肌づくりに欠かせない、肌のターンオーバー。「言葉自体は聞いたことがあるけれど、実際どのようなメカニズムなのかはよく知らない」という方は多いと思います。
肌の生まれ変わりのサイクルであるターンオーバーを正常に保つことは、肌トラブルのないツヤ肌を維持することにつながります。逆にターンオーバーが乱れていると、どんなにスキンケアやメイクを頑張っても、美肌を手に入れることはできません。
今回はそんなターンオーバーを正常に保つ秘訣について紐解きます。慢性的に肌荒れに悩んでいる方、肌のくすみや弾力不足が気になる方はぜひ参考にしてください。

肌のターンオーバーとは

ターンオーバーは「肌の新陳代謝」とも呼ばれ、肌が生まれ変わる過程のことを指します。
まずはターンオーバーの仕組みや役割について解説します。

ターンオーバーの仕組み

私たちの身体の表面を覆っている皮膚は、表皮と真皮に分かれています。そのうち、より外側にある表皮の部分でターンオーバーは行われます。

表皮の中も層が分かれており、内側から順番に基底層（きていそう）・有棘層（ゆうきょくそう）・顆粒層（かりゅうそう）・角質層（かくしつそう）という構造になっています。
表皮を形作る細胞は、深層部にある基底層で生まれます。その後新しい細胞に内側から押し上げられ、有棘層、顆粒層と、形を変えながらどんどん表面に浮き上がってくるのです。
最後に表面の角質層まで押し上げられた細胞は、細胞核のない「無核」の状態、いわば死骸です。細胞としての役目を終え、最後には垢となって自然と剥がれ落ちてゆきます。

細胞が生成され、それぞれの役割を果たしながら、最終的には垢となって剥がれ落ちる。この一連のサイクルを、ターンオーバーというのです。

ターンオーバーによって肌は守られている

角質層は細胞の死骸が積み重なった層と言えますが、実は2つの重要な役割を担っています。
1つ目がバリア機能。皮膚を外部刺激から守り、細菌やアレルゲンの侵入を防ぐ役割です。
もうひとつは保湿機能。肌の水分が蒸発することを防ぎ、乾燥を抑制します。
ターンオーバーが正常に保たれることで強くしなやかな角質が作られ、バリア機能と保湿機能を維持することができます。

ターンオーバーの周期

ターンオーバーは一定の周期で繰り返されています。この周期には個人差があるほか、部位ごとにも異なりますが、顔の場合は一般的に28日周期と言われています。
基底層から顆粒層に至るまでが約14日間、角質細胞となって剥がれ落ちるまでが約14日間です。今この瞬間に生まれた細胞は、代謝活動を行いながら14日後に角質となり、さらに14日後にバリアの役目を終えて剥がれ落ちるというわけです。

ターンオーバーが乱れるとどうなる？

ターンオーバーが乱れると、肌のバリア機能と保湿機能が崩れやすくなります。
紫外線などの外部刺激によるダメージを受けやすくなるばかりか、細菌やアレルゲンによる影響も受けやすく、肌荒れにつながってしまうのです。
さらに肌のうるおいも低下しますので、肌のハリやツヤが失われ、くすみがちな状態に。乾燥による小じわも目立ってしまいます。

さらに、ターンオーバーが乱れるということは「肌の生まれ変わりが正常に行われていない」ということですので、基底層にあるメラノサイトから生み出されるメラニン色素をうまく排出できなくなり、シミ・そばかすができやすくなります。
またニキビなどの肌トラブルも治りにくくなり、古い角質がなかなか剥がれ落ちずゴワゴワした状態…美肌からはどんどん遠ざかってしまうことに。そうならないためにもターンオーバーの乱れを是正し、正常な状態に整えることが大切です。

ターンオーバーが乱れる原因

ターンオーバーは、加齢によってどうしても乱れやすくなるもの。歳とともにシミが目立ってくるのはこのためです。
しかし生活習慣や日々のスキンケアの中にも、ターンオーバーを乱す要因は隠れています。
以下の項目に心当たりはありませんか？

当てはまるものがあれば、今すぐ改善をはかりましょう。
加齢によるターンオーバーの乱れはある程度仕方ないものですが、規則正しい生活習慣や正しいスキンケアを続けるだけで、肌の老化を遅らせることができるのです。

ターンオーバーを正常に保つ方法

肌の生まれ変わりを促し、美肌を保つ方法についてご紹介していきます。
全てをパーフェクトにこなすのはなかなか難しいものですが、できるところから見直せば「今よりきれいな肌」を目指せるはずです。

ターンオーバーを正常化する睡眠

ターンオーバーを正常に保つために、最も大切なのが睡眠です。というのも、ターンオーバーは睡眠中に活発に行われているのです。
人は眠っている間に、新陳代謝にかかわる成長ホルモンをたくさん分泌しています。特に入眠後3時間くらいまでが分泌量のピークと言われているため、このタイミングで深い睡眠状態に入っていることが重要です。入眠をスムーズにするポイントをおさえておきましょう。

また睡眠の長さは7時間程度が理想と言われています。忙しいなかでもしっかり睡眠時間を確保できると良いですね。

ターンオーバーを正常化する食生活

肌の細胞を生成する材料は、日々の食事から補給されます。必要な栄養素を摂取できていないと、当然ターンオーバーは乱れてしまうのです。さまざまな栄養素をバランスよく摂取しましょう。
特に肌再生に不可欠な栄養素とオススメ食材については以下でご紹介しています。ぜひあわせて確認してください。

美肌をつくる食べ物とは？インナーケアに取り入れたい栄養素
https://az-clinic.tokyo/articles/food-skin/

一方、脂質・糖質に偏った食生活は肌にとってマイナスです。
また血行を阻害するような冷たい食べ物や、塩分過多の食事にも気をつけましょう。

ターンオーバーを正常化する運動習慣

心身を健康に保つのに大切な運動習慣。肌のターンオーバーを正常に保つのにも有効です。
運動により血行を促進することで、身体の隅々まで栄養や酸素が運ばれますので、肌の代謝もアップします。また汗をかくことで古い角質が柔らかくなり、剥がれ落ちやすくしてくれるのです。
ウォーキングやジョギングなどの軽めの運動から、ぜひ取り入れてみましょう。

ただし寝る前にハードな運動をするのはNG。体力を消耗し、ターンオーバーに必要なエネルギーが不足してしまいます。
就寝の2時間前には過度な運動は避け、ストレッチなど心身をリラックスさせる運動を行うのがおすすめです。

ターンオーバーを正常化するスキンケア

スキンケアの中でも、ターンオーバーを正常に保つために特に重要なのが洗顔と紫外線対策です。

洗顔には古くなった角質を落とす役割があります。洗顔しないまま寝てしまうと、肌に汚れや古い角質が残った状態でターンオーバーの時間を迎えてしまいますので、細胞の生まれ変わりを邪魔してしまうのです。
また朝起きたときには古い角質や皮脂が肌に溜まった状態ですので、朝晩しっかり洗顔料を使って洗うのが望ましいです。
ただし、しっかり汚れを落とそうとするあまりゴシゴシ擦ってしまうのは肌にとってマイナス。肌に刺激となりシミ・シワの原因となったり、肌に必要な角質まで奪い乾燥を招いたりと、良いことはなにもありません。
また自己流で行うピーリングも必要以上に角質を落としてしまう原因となりますので注意が必要です。

紫外線を浴びると、肌は軽い火傷をしたような状態になります。細胞がダメージを受け、ターンオーバーがうまくできなくなったり、ダメージを回復しようと逆にターンオーバーを早めてしまったりと、乱れやすくなるのです。
また、シミ・シワ・たるみの原因ともなりますので、年間を通して紫外線対策を行い、予防することが大切です。

ターンオーバーを促す美容医療

美容皮膚科で受けられる施術の中にも、肌のターンオーバーを促し肌質改善が目指せる施術があります。代表的なものをご紹介しましょう。

ケミカルピーリング

ターンオーバーを活性化させる施術として代表的なものは、ケミカルピーリングです。酸性の薬剤を顔全体に塗布することで肌表面にある古い角質を取り除きます。
薬剤による多少のピリピリ感や赤みなどが出る場合もありますが、基本的に痛みやダウンタイムはなく、肌のメンテナンスとして人気の高い施術です。
アズクリニックでは、お肌の状態に合わせマッサージピールとミックスピールマヌカの2種類の施術からご提案しています。

恵比寿アズクリニック公式YouTube

エレクトロポレーション

肌に美容有効成分を塗布した状態で、専用の機器で微弱な電流を流すことで、成分を肌のより奥深くに浸透させる施術です。
通常のスキンケアよりも格段に美容成分を浸透させることができるので、肌の状態を整えることにつながります。ケミカルピーリングの後に受けるとより効果的です。
薬剤にはさまざまな種類があり、肌の悩みにあわせて選ぶことができます。

ビタミンC	美白、弾力アップ、毛穴の引き締め、ニキビ改善
トラネキサム酸	美白
ピンクグロー+トラネキサム酸	保湿、シミ改善、小じわ改善、弾力アップ
ペップビュー	シワ改善　透明感・弾力アップ

 

公式YouTubeでは施術風景を公開していますので、ぜひあわせてご覧ください。

恵比寿アズクリニック公式YouTube

まとめ

どんなに高級な化粧品を使っても、ターンオーバーが乱れてしまうと美しい肌を手に入れることはできません。ターンオーバーの仕組みや正常化する方法を理解して、今日から美肌づくりにチャレンジしてみてください！