プラセンタに興味があるけれど副作用が気になる方も多いのではないでしょうか。
肌のうるおいやハリの保持、新陳代謝の促進やホルモンバランスの正常化など、美容に嬉しい効果が認められているプラセンタ。しかし同時によく言われるのが、プラセンタの副作用についての懸念です。
どんなに良い効果が得られるものであっても、副作用について理解しておかなければ安心して取り入れることはできませんよね。
そこで今回は、プラセンタの副作用について解説します。プラセンタで肌や体の不調を改善したいという人は、ぜひ参考にしてください。
この記事のポイント
副作用について知る前に~そもそもプラセンタって何?~
プラセンタは美容成分としてよく耳にする機会が多いと思いますが、そもそもどんな成分なのか知っていますか?
まずはプラセンタの基本情報について簡単にご紹介しましょう。
プラセンタの概要
プラセンタとは「胎盤」という意味で、哺乳類の胎盤から抽出したエキスのことを指します。
胎盤は胎児の発育に必要不可欠なもので、3大栄養素であるタンパク質・脂質・糖質に加え、各種ビタミン、成長因子などが豊富に含まれています。
プラセンタは50年も前から更年期障害や肝機能障害の治療に使われてきた歴史があり、最近では美肌作用、抗老化、疲労回復、抗アレルギー作用など、幅広い分野で有効性が注目されています。
プラセンタの種類
プラセンタには、その由来によっていくつかの種類があります。
例えば人間の胎盤が由来となっているヒトプラセンタ。サプリメントやドリンクに多用される豚プラセンタ。豚プラセンタの300倍ものアミノ酸を含むと言われる馬プラセンタ。植物の胎盤にあたる胎座から抽出される植物プラセンタなど。
これらのプラセンタは、用途や求める効果によって使い分けられます。
プラセンタを体内に取り入れる方法は、主に「注射」「経口摂取(サプリなど)」「化粧品」の3つがあります。ここからは、それぞれの副作用について解説していきます。
プラセンタ注射の副作用
プラセンタ注射は、ヒト由来のプラセンタを含む薬剤を皮下注射や筋肉注射などで投与する施術です。
ヒトプラセンタはエイジングケアや美容に高い効果を発揮すると言われており、安全性も非常に高い成分です。プラセンタの中でも医療機関のみで扱うことが認められており、日本では現在、メルスモンとラエンネックの2製剤のみが注射用の薬剤として承認を受けています。
起こりうる副作用
正しい方法で施術をしていれば、プラセンタ注射により重篤な副作用が起こることはほとんどありません。しかし体質などによっては、まれに悪寒や発疹、発熱などの症状が現れることがあります。
また注射後に注射部位に腫れや赤みが出ることがありますが、これらの症状は半日程度で治まることがほとんどです。
また副作用ではありませんが気を付けるべきポイントとして、1度でもプラセンタ注射を受けた人は、献血や臓器提供ができなくなるということも覚えておきましょう。
プラセンタ注射で副作用を起こさないためには?
注射でプラセンタを体内に取り入れる場合は、きちんと正規の方法で施術を行っているクリニックを選ぶことが大切です。
プラセンタ注射薬の投与方法として認可を受けているのは、皮下注射と筋肉注射のみ。未認可の投与方法で施術を行うと副作用リスクが高まる恐れがあるため注意が必要です。
まず「静脈注射」ですが、臨床試験などの結果、血液低下や痙攣、ショック状態、呼吸困難などの重大な副作用が表れたケースがあり、非常に危険です。そもそもプラセンタを血管に直接投与してもすぐに排出されてしまうため、効果は期待できません。
もう1つ要注意の投与方法として挙げられるのが「カクテル注射」です。これはプラセンタを、ビタミン剤など他の薬剤と混ぜて投与する方法で、他の薬剤とプラセンタとの相互作用により、体に危険が及ぶ場合があります。カクテル注射を扱っている医療機関は少なくありませんが、安全面を考慮するならば投与は慎重に判断するのが良いでしょう。
プラセンタサプリメントの副作用
プラセンタのサプリメントは、医療機関で処方されるものと、市販の錠剤・ドリンク剤などの2つに分けられます。
医療機関で処方されるプラセンタはヒト由来のもので、国内の病院において正常分娩で出産した人の胎盤を原料として用います。厚生労働省の認可を受けた薬品メーカーのみが製造を許されており、厳重な管理のもとで作られているため、基本的に副作用の心配はありません。
一方で、市販のサプリメントにおいては注意が必要なポイントもあります。
市販のプラセンタサプリで起こりうる副作用
最も気をつけるべき副作用は、アレルギー反応です。
ヒトプラセンタは医療機関でしか使用が認められておらず、市販の錠剤やドリンク剤は動物由来のプラセンタが主になります。そのため食物アレルギーのある人は、プラセンタサプリによってアレルギー反応が起きる可能性があるのです。
プラセンサプリで副作用を起こさないためには?
市販のサプリメントを選ぶ際は、安全性が確認できる動物由来のプラセンタであるか、熱処理などにより滅菌された安全な製造方法であるか、の2点をチェックしましょう。
市販のプラセンタの中には「生プラセンタ」などと表記されているものがあります。効果が高いように感じられるかもしれませんが、病原菌や寄生虫による感染症のリスクもゼロとは言えないことを考慮する必要があります。
また特にアレルギー体質の人は、防腐剤などの添加物もチェックすると安心です。
プラセンタ化粧品の副作用
プラセンタは化粧品に配合されることもあります。「化粧品なら安心」と思う人も多いでしょうが、肌が敏感な人やアレルギー体質の人は注意が必要な場合があります。
起こりうる副作用
サプリメントと同様、最も注意すべきはアレルギー反応です。
もともとアレルギーを持っている人や過去にアレルギー症状があった人は、赤みや腫れ、かゆみなどの症状が出ることがあります。
また、どんな化粧品にも言えることですが、肌に合わずに肌荒れが起きるリスクはゼロではありません。
プラセンタ化粧品で副作用を起こさないためには?
過去にアレルギー症状があった人やアレルギー体質の人は、プラセンタを含む化粧品を使用する前に医師に相談した方が良いでしょう。
また、妊娠中にプラセンタ化粧品を使う場合も、医師の判断の下で使用することをおすすめします。一般的に注射・経口摂取・化粧品いずれの場合も、妊娠中のプラセンタの摂取は問題ないとされています。しかし胎児や母体への影響が100%ないとは言い切れないため、事前に相談しておいた方が安心です。
これも副作用?プラセンタ摂取後の気になる症状
ここまで紹介した副作用の他に「プラセンタを摂取したことで気になる症状が出た」という声があります。そんなときはどうすればよいのか、症状別に考えられる原因と対処法をまとめました。
体重増加への対処法
プラセンタの摂取後に太った、という声は多くあります。プラセンタは豊富な栄養素を含んでいるため、太る原因になると考える人が多いのでしょう。
しかしプラセンタそのものが体重増加の原因になることはないのでご安心ください。
プラセンタには新陳代謝を促進する働きがあるため、疲れがとれて体が元気になり、食欲が増進する場合があるようです。代謝が上がることはダイエットにもつながるのですが、それ以上に食べている、ということが体重増加の一因であるかもしれません。
食事の摂取量やバランスに気を付けてみましょう。
胃のむかつき・吐き気への対処法
特にプラセンタを経口摂取した際に起こる症状として、胃のむかつきや吐き気を感じる場合があります。これはプラセンタに含まれるアミノ酸などの分解が上手くできていないことが1つの原因として挙げられます。
空腹時を避けるなど、飲み方を工夫すると良いでしょう。
眠気への対処法
プラセンタを摂取したことで、ひどい眠気に襲われるようになったと感じる人もいます。
これは副作用というよりも、プラセンタの効果で自律神経のバランスが整えられ、眠いと感じた時に眠れる正常な体になった、という方が正しいと言えます。そのためストレスや不規則な生活などで自律神経が乱れていた人起こりやすい症状です。
摂取する時間帯を就寝前に変えて、質の良い睡眠のサポートとしてプラセンタを活用してみると良いでしょう。
まとめ
プラセンタは、摂取方法や選び方を間違えなければ副作用の心配がほぼなく、安全性が高いものであることが分かっていただけたのではないかと思います。
ぜひ、プラセンタを上手に正しく活用し、健康で美しい体作りに役立ててみてください。