頭皮のかゆみに悩む人は多いもの。しかしその原因はさまざまです。
「そのうち治まるだろう」と放っておくとますます悪化する場合もあるため、原因を知って正しく対処することが大切です。
この記事では、日常生活の中に隠れている「頭皮のかゆみ」の原因と対策について紹介します。頻繁に頭皮のかゆみに悩まされているという人は、ぜひ参考にしてください。
この記事のポイント
頭皮のかゆみが起こる9つの原因
頭皮がかゆくなる要因は「炎症(湿疹)・乾燥・過剰な皮脂」の3つに大きく分けられます。そしてこうした頭皮環境に陥ってしまう原因は、普段何気なくしている習慣や行動の中に隠れているものです。
まずはその原因を細かく見ていきましょう。
要因①炎症|ヘアカラーが合わない
まずは「炎症」の原因です。気を付けるべきは頭皮への刺激。特にヘアカラーは頭皮の炎症につながりやすいので注意が必要です。
染髪に使用されるカラー剤には、染料やさまざまな化学物質が配合されています。これらに対するアレルギー反応により、頭皮に湿疹を伴うかゆみが発生する場合があるのです。
アレルギー体質でない場合であっても、カラー剤はそもそも刺激の強いものであるため痒みにつながるリスクは0ではありません。
特に頭皮に近い根本付近に長時間カラー剤を塗布した場合などは、かゆみが出やすくなります。
頭皮の炎症を防ぐには、美容院なら事前にかゆみが気になる旨を申告し、適切なカラー剤や放置時間に調整してもらう、しみるなど違和感があったらすぐに申し出る。セルフカラーの場合はできるだけ頭皮にカラー剤が付着しないように注意するなどの工夫が必要です。
また炎症がひどい場合は落ち着くまでヘアカラーをお休みし、早めに医療機関で診察を受けましょう。
要因①炎症|シャンプーや整髪料が合わない
毎日使っているシャンプーやコンディショナー、ヘアオイルなどのアイテムが肌に合わず、炎症が発生する場合もあります。配合成分に対するアレルギー反応や、シャンプーの洗浄力が強すぎることによる刺激が炎症につながるのです。
また整髪料の量が多すぎる、頭皮に付着しすぎているといった使い方の誤りにより、炎症が発生する場合もあります。メーカーごとの使用量や使い方を確認し、適切に使うようにしましょう。
要因①炎症|シャンプーやコンディショナーの洗い残し
シャンプーやコンディショナーのすすぎが十分にできずに頭皮に残っていると、その刺激によって炎症が発生することがあります。
洗い流せたと思っても、毛が密集している根本部分や頭皮の毛穴には成分が残りがち。髪の長さにもよりますが、1~2分程度の時間をかけてしっかりすすぎましょう。
要因②乾燥|シャンプーのしすぎ
次に頭皮の乾燥の原因を3つ紹介します。最も大きな原因としては、シャンプーの回数が多すぎたり、誤った方法で洗っていたりといった点が考えられます。
夏場などに髪のベタつきが気になり、夜だけでなく朝もシャンプーをするという人は要注意。夏場は空調や紫外線の影響で意外と乾燥しやすく、シャンプーを何度もすることで必要な皮脂や角質まで奪ってしまう恐れがあるのです。1日1回に留めましょう。
また「かゆみがあるからとスッキリ感重視でシャンプーを選んだ結果、乾燥を招いて逆にかゆみが悪化してしまった」といった具合に、アイテム選びのミスマッチがかゆみを引き起こすケースもあります。乾燥タイプは保湿感重視、皮脂過剰タイプは洗浄力重視など、かゆみの原因によって選ぶべきシャンプーも変わってきます。
頭皮状態の見極めは非常に大切なのです。
要因②乾燥|日焼け
強い紫外線による日焼けも乾燥の原因です。
頭皮は基本的に髪の毛に覆われているので、普段はそこまで強い日焼けが起こることはありません。しかし夏場など日差しの強い日に直射日光を浴び続けていると、どうしても日焼けを起こしてしまいます。
また、いつも同じ部分で髪を分けている人や薄毛が気になる人などは、夏場でなくても紫外線の影響を受けやすくなるため注意が必要です。
要因②乾燥|血行不良
血行が滞ると、代謝に必要な栄養素が頭皮の毛細血管まで運ばれにくくなり、結果として肌のターンオーバーに乱れが生じます。こうなると角質層のキメが乱れ、乾燥しやすい状態になってしまうのです。
特にかゆみの原因となるものがないにも関わらず頻繁に頭皮がかゆくなるという人は、血行不良が原因かもしれません。頭皮が硬い人、冷え性の人、入浴をシャワーで済ませがちな人などは要注意ですよ。
要因③過剰な皮脂|汚れが落ちきっていない
頭皮の過剰な皮脂分泌は、乾燥が原因である場合もあります。乾燥した分を補って皮膚を守ろうと、余計に皮脂を出してしまうのです。
しかしその他にも、頭皮の皮脂が過剰になってしまう原因はあります。代表的なものは、シャンプーで皮脂汚れを落としきれていないことです。
最近は肌や髪にやさしい成分で作られたシャンプーが増えているのですが、こういった製品は洗浄力も抑えられている傾向にあり、もともと皮脂の出やすい体質の人の場合は汚れを落としきれないことがあるのです。
脂性肌の人や汗をかきやすい人、髪がペッタリしがちな人は、スカルプケアシャンプーなどスッキリ洗い上げるタイプがオススメですよ。
要因③過剰な皮脂|蒸れ
帽子をよくかぶる人や日常的にウィッグを使っている人は、頭皮が蒸れ、皮脂によるかゆみが発生しやすくなります。
通気性の良いアイテムを使うようにしたり、こまめに汗を拭きとったりするだけでも、蒸れを軽減させることができますよ。
要因③過剰な皮脂|生活習慣やホルモンバランスの乱れ
脂質・糖質に偏った食生活やストレス、ホルモンバランスの乱れなどの生活環境も、皮脂の過剰分泌の原因となります。
特にホルモンバランスの影響は大きく、生理周期や妊娠をきっかけにかゆみが出るようになったという人は、これが原因かもしれません。
自立神経が乱れるとホルモンバランスも乱れやすくなることが分かっていますので、睡眠をしっかりとり、規則正しい生活を送ることを心がけましょう。
頭皮のかゆみを予防!正しいシャンプー手順
さまざまな原因を紹介してきましたが、頭皮のかゆみが気になるときにまず見直すべきはシャンプーの方法です。正しくシャンプーができていれば頭皮のかゆみが防げるだけでなく、髪のパサつきやうねりを抑え美髪に導くことも可能です。
基本的な手順を紹介しますので、ぜひ今日から実践してみてください!
シャンプー前の準備|髪をとかす&予洗い
シャンプーを上手に行うには、事前準備がカギを握ります。
まずは乾いた状態の髪をとかすことから始めましょう。あらかじめ髪の絡みを解いておくことで、お湯やシャンプー剤が行きわたりやすくなるとともに、髪と髪が擦れることによるダメージも軽減できます。
そしてお湯のみを使った予洗いも重要なポイント。
実はこの予洗いによって、髪に付着した汚れの大部分は落とすことができると言われています。その後のシャンプーは落としきれない頭皮の汚れを落とす意味合いが大きいのです。
しかし「濡れていれば良いや」と予洗いを短く済ませてしまうと、その後のシャンプーの泡立ちが悪く、頭皮の汚れが落としきれない原因となってしまいます。
指の腹でやさしく地肌をかきながら最低1分は予洗いに時間を使いましょう。予洗いをしっかり行うことでシャンプーの泡立ちが良くなり、短時間でもスッキリと汚れを落とすことができますよ。
シャンプー剤を泡立てる
しっかり予洗いができたら、シャンプー剤を手にとります。メーカーごとに適量を提示している場合が多いので、確認しておくと良いでしょう。
アイテムにもよりますが、シャンプー剤は泡立ててから髪にのせるのが基本です。液状のまま使うと頭皮に残りやすくなったり、洗浄成分の濃度が高く頭皮かぶれの原因となったりするからです。
また水に溶いてある程度泡立ててから使うことで、少量でも髪全体に十分行きわたらせることができ、シャンプーの使い過ぎを防ぐことにもつながります。
洗う
いよいよ洗いの工程です。爪を立てず、指の腹をつかってやさしく洗います。
ガシガシ強く洗うと、頭皮の乾燥や髪の傷みの原因となります。余分な力は加えず、ジグザグと手を動かしながら隅々まで洗いましょう。
もみあげや耳の後ろ、うなじの生え際などは洗い漏れの多い部位ですので気を付けてください。
予洗いがしっかりできていれば、シャンプー剤での洗いは長々時間をかける必要はありません。特に洗浄力の強いシャンプー剤の場合、時間をかけることで洗浄成分の刺激を受けやすくなる恐れもありますので、手早く行いましょう。
ぬるま湯ですすぐ
最後にすすぎです。「目に見える泡が流れたらOK」と考えている人もいると思いますが、実はこれでは不十分。地肌についた泡をしっかり落とすイメージで、予洗いのときと同様の動きで洗い流します。
シャンプー剤が残ると乾燥や炎症の原因となりますので、予洗い以上に時間をかけて完全に落とし切りましょう。
生え際や耳まわりはすすぎ残しが出やすいため特に念入りに流してくださいね。
シャンプーの後はトリートメントなどで髪を保護するのがオススメです。その後も同じ手順ですすいでください。
洗った後はすぐに乾かす
お風呂場から出たら、タオルドライで大まかに髪の水分をふき取って、ドライヤーで乾かします。
髪が濡れた状態で放置していると頭皮に雑菌が繁殖する原因となり、炎症や臭いの発生につながります。また髪の毛のパサつきや枝毛の原因ともなるため、洗髪後はすぐに乾かす癖をつけましょう。
またドライヤーを近づけすぎると頭皮や髪を傷めてしまいますので、適度に距離をあけて使うようにしてください。
おすすめアイテム|フエッタリッチ モイストアップジェルシャンプー
出典:フエッタリッチ公式サイト
定価:3,850円(税込)/200g
ジェルタイプの変わったシャンプーで、髪をしっかり濡らしてから、泡立てずにそのまま髪に揉みこむと、濃密な泡が立ちます。
低刺激かつ保湿力が高いのが特徴で、しっかりと汚れを落としながら頭皮の水分バランスを整えます。
同じシリーズのトリートメントも軽い使い心地で頭皮の負担になりにくいためオススメです。
日常生活でできる頭皮のかゆみ改善方法
シャンプーの他にも、頭皮のかゆみ改善のためにできることはあります。最後に、すぐに取り入れられる頭皮ケアをご紹介します。
紫外線対策を行う
紫外線ダメージによる乾燥を防ぐために、日傘や帽子を使って紫外線対策を行いましょう。またスプレータイプの日焼け止めであれば手軽に頭髪のUVケアができてオススメです。
全身的なインナーケアになりますが、抗酸化成分を配合したサプリメントを活用するのも良い方法です。ビタミンA・C・E、ポリフェノール、アスタキサンチンなどさまざまな種類がありますので、好みのものを選びましょう。
頭皮マッサージを行う
血行不良が気になる人や、頭皮が硬いと感じる人は、簡単な頭皮マッサージを取り入れるのもオススメです。血行が改善することで代謝がアップし、健康的な頭皮を保つことが期待できます。また血行不良を原因とする白髪や薄毛の予防にもつながりますよ。
マッサージと言っても、強い力を入れたり擦ったりする必要はありません。
髪や頭皮に負担がかからないよう、指の腹を頭皮にあて、そのまま指の位置は変えずに円を描くようにやさしく揉みほぐしましょう。頭皮の硬さが解消されてきたら、また別の部分に指をあて、同じようにほぐします。これを繰り返して頭皮全体がほぐれたら完了です。
入浴中やお風呂上りに行うとより効果的ですよ。
食生活を改善する
皮膚を健やかに保つためには、栄養バランスの良い食生活が欠かせません。
乾燥しがちな人は、肌のターンオーバーを促すビタミンAや、コラーゲン生成を促すビタミンC、血行促進に働くビタミンEを意識して摂取しましょう。
ベタつきが気になる人は、皮脂分泌を調整するビタミンB群が役立ちます。また脂質や糖質の多い食生活は皮脂の過剰分泌につながりますので改めましょう。
ビタミンA | ニンジン、カボチャ、レバー など |
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ビタミンB群 | 豚肉、納豆、乳製品 など |
ビタミンC | ブロッコリー、パプリカ、キウイ、イチゴ など |
ビタミンE | アーモンド、落花生、アボカド、うなぎ、たらこ など |
睡眠をしっかりとる
睡眠はストレス解消や肌のターンオーバーと密接にかかわっており、睡眠習慣の乱れは頭皮環境の乱れに直結します。
人は眠っている間に、新陳代謝にかかわる成長ホルモンをたくさん分泌しています。特に入眠後3時間くらいまでが分泌量のピークで、ターンオーバーが活発に行われるタイミングと言われているのです。
そのため入眠後すぐに深い睡眠状態に入っていることが重要。入眠をスムーズにするポイントをおさえておきましょう。
・就寝時間の最低1時間前(できれば2時間前)には食事を済ませる
・就寝時間の1時間前くらいに入浴する
・就寝前1時間はパソコンやスマートフォンを見ない
また睡眠の長さは7時間程度が理想と言われています。忙しいなかでもしっかり睡眠時間を確保できると良いですね。
まとめ
頭皮の痒みが気になったら、まずは原因を考えてみましょう。正しいシャンプー方法と頭皮状態に応じた対策を取り入れることで、効果的にかゆみが解消できるはずです。
ただし、湿疹が気になる人や強いかゆみ・かぶれのある人は、皮膚の疾患が隠れている恐れもありますので、早めに医療機関を受診しましょう。