肌を触るとブツブツ・ザラザラする「鮫肌(サメ肌)」。二の腕や脛などに発生しやすく、夏場などは特に気になってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、鮫肌の原因や対処方法をご紹介します。お悩みの方はぜひ参考にしてください。
この記事のポイント
鮫肌ってどんな状態?
鮫肌とは、文字通り鮫の肌のようにザラザラした肌の状態をいいます。ひとつの症状を指す病名や医療用語ではなく、さまざまな要因で視覚的・触覚的に肌がザラついている状態を総じて表現した俗語です。
まずは鮫肌がどのような状態のことをいうのかご説明します。
鮫肌のパターン
一口に鮫肌と言っても、具体的な肌の状態には大きく分けて2つのパターンがあります。
1つ目は、肌が硬くなったことによりガサガサした状態。医学的には尋常性魚鱗癬(じんじょうせいぎょりんせん)と呼ばれる症状です。
もう1つはブツブツとした小さな湿疹がたくさんできることで、肌がザラザラしている状態です。これは毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)という疾患で、毛穴に角質が詰まることにより起こっています。
いずれもそこまで珍しい症状ではなく、誰にでも起こりうる状態と言えます。
鮫肌になりやすい部位
尋常性魚鱗癬は、腕や脚など乾燥しやすい部位に起こりやすい症状です。痛みなどの自覚症状はあまりないのですが、まれに痒みを伴うことがあります。
一方毛孔性苔癬は二の腕、背中、太ももなどに生じやすいという特徴があります。
鮫肌の原因
尋常性魚鱗癬や毛孔性苔癬は遺伝的な要因で発生していることが多いのですが、その他にも悪化させる要因がいくつかあります。
ここでは鮫肌と呼ばれるこれらの疾患について、遺伝以外の原因をご紹介します。
ターンオーバーの乱れ
ターンオーバーとは、肌の新陳代謝・生まれ変わりのサイクルのこと。ターンオーバーが正常に働いている肌では、基底膜で生まれた新しい細胞が一定のサイクルで表面に押し上げられ、古くなった角質は自然に剥がれていきます
しかし加齢、ストレス、生活習慣の乱れなどによりターンオーバーがうまく働かなくなると、本来自然にはがれるべき古い角質が肌表面に溜まってしまいます。
こうして角質層の厚みが増して肌がゴワついてしまい、鮫肌の状態が悪化するのです。
乾燥
乾燥により肌のバリア機能が乱れることも、鮫肌の一因となり得ます。
バリア機能とは、紫外線や雑菌などの外部刺激から肌を守る働きのことを言い、主に肌の外側にある角質層が担っています。肌にうるおいが不足した状態ではこのバリア機能が正常に働かず、外部刺激に対して過敏に反応してしまいます。
結果として角質がめくれ上がってザラザラしたり、痒みが起きやすくなったり、肌荒れを引き起こしたりと、さまざまな肌トラブルにつながるのです。
間違ったスキンケアや紫外線、空調による空気の乾燥など、さまざまな習慣が肌の乾燥につながっており、それらを見直す必要があるでしょう。
アレルギーやアトピーなどの体質
アレルギー反応やアトピー性皮膚炎など、体質や皮膚疾患によって鮫肌の症状が出やすくなってしまう場合もあります。
これらの体質の方は皮膚に痒みが生じやすく、肌を掻くことで角質の硬化やターンオーバーの乱れにつながりやすいのです。
悪化要因となりうる疾患を治療することが大切です。
鮫肌を改善するセルフケア方法
痒みや炎症を伴う鮫肌や、アトピーなどが悪化要因となっている場合には、皮膚科を受診するのが先決です。適切な治療を受けて、皮膚の健康を取り戻しましょう。
一方生活習慣に起因する鮫肌であれば、セルフケアでも改善の見込みがあります。最後に、自分でできる鮫肌対策を紹介します。
保湿を行う
「顔のスキンケアは毎日しているけど、ボディケアには無頓着」という人はいませんか?肌のバリア機能を正常に保つために、ボディの保湿もしっかり行いましょう。
ボディ用ローションや乳液、クリームなどさまざまなアイテムがありますので、お気に入りのものを探してみてください。
「特に乾燥しやすい脛はボディクリームでしっかり乾燥を防ぐ」「皮脂腺の多い背中や胸元はボディローションで軽めに保湿する」など、余裕のある人はパーツの特質に応じて使うアイテムを変えるのもオススメですよ。
体を洗いすぎない
洗浄力の強いボディソープを使ったり、ナイロンタオルでゴシゴシと体を洗ったりするのは禁物。肌を傷つけバリア機能の低下を招くばかりか、色素沈着につながることもあります。
ナイロンタオルなどはあくまでボディソープの泡立ちを助けるアイテムと考え、擦り洗いはしないようにしてください。泡で洗うことを意識しましょう。
泡で出てくるタイプのボディソープを使い、手でなでるように洗うのもオススメですよ。
また、泡を流す際などに熱すぎるお湯を使うのもNG。必要な皮脂まで洗い流してしまい、バリア機能の低下につながります。
ぬるま湯程度の温度で洗い流すようにしてください。
角質ケアを行う
ターンオーバーの乱れにより角質がゴワついている場合は、ピーリング石けんなどで角質ケアを行うのもオススメです。肌に残った余分な角質を取り除くことで毛穴詰まりを防ぎ、滑らかな肌に近づくことができるでしょう。
ただし、やりすぎは肌の乾燥を招くため、アイテムごとの使い方や推奨頻度を必ず守るようにしてください。
また痒みや炎症がある場合は、角質ケアが刺激となってしまう場合もあります。肌の状態をみて行ってくださいね。
紫外線対策を徹底する
紫外線は肌の乾燥を招く大きな要因です。顔だけでなく、全身の紫外線対策を行いましょう。
特に夏場など薄着で出かける際には事前に日焼け止めクリームをしっかり塗り、2~3時間おきに塗り直すようにしてください。
生活リズムを整える
肌のターンオーバーを正常に保つためには、生活リズムを整えることがカギになります。特に睡眠は肌の再生と深く関わっており、質の良い睡眠を十分とることは、美肌を保つのに不可欠なのです。
1日7時間程度の睡眠時間を確保するとともに、就寝や起床の時間を固定し、規則正しい生活を行うのが理想です。
難しい場合も、できるだけ質の高い睡眠がとれるよう、寝る前の過ごし方を工夫すると良いでしょう。
・就寝時間の最低1時間前(できれば2時間前)には食事を済ませる
・就寝時間の1時間前くらいに入浴する
・就寝前1時間はパソコンやスマートフォンを見ない
まとめ
鮫肌は、日常生活に大きな支障をきたす症状ではありませんが、どうしても見た目が気になってしまうもの。状態によっては医療機関に相談しつつ、ご自身でもできるケアをコツコツ続けていきましょう。
夏のファッションを全力で楽しむためにも、今からケアを始めてみてください!