乾燥する時期を中心に気になる「手荒れ」。
あかぎれ・ひび割れ・湿疹などさまざまな症状があり、ひどい方だと水やお湯を触ることすらツラく感じてしまうことも多いのではないでしょうか。そうなると日々の家事だけでなく、入浴すら億劫になりますよね。
今回はそんな症状を根本から改善すべく、正しい対策を紹介していきます。痛みや痒みに耐えながら過ごす毎日と、オサラバしましょう!
この記事のポイント
手荒れの原因と対策
手荒れの主な原因は肌の乾燥です。秋冬など空気が乾燥する季節に手荒れが起きやすいのはそのためですね。
しかし乾燥を悪化させる要因は日常生活の中にも潜んでいます。手荒れを改善するには、その原因を知って対策することが不可欠なのです。順番に見ていきましょう。
水仕事・シャンプー・手洗い
やはり一番の原因は、水や洗剤による刺激です。
人間の手指は皮脂膜によって守られているのですが、日常生活の中で使っている洗剤やシャンプーが手の油分を奪い、手荒れにつながる場合があります。特に界面活性剤をはじめとする化学物質が含まれた洗剤は皮膚への負担が大きいので要注意。
とはいえ、家事をする必要がある方が水を触らないというのは不可能ですよね。
そのため手荒れが気になるときは、食器用洗剤を無添加など肌にやさしいものに変えてみると良いでしょう。また熱いお湯は水以上に手指の皮脂を奪いやすいため、食器洗いや手洗いはできれば水、寒い時期はぬるま湯で行なうことがポイントです。
また洗剤を触る際には手袋をすることも重要。ゴム手袋か、アレルギーでゴムがNGの方は使い捨てのビニール手袋などを使うのがオススメです。
アルコール消毒
コロナ禍にアルコール消毒を頻繁に行ったことで、手荒れが悪化したという方は多いと思います。
アルコールは揮発性の高い成分であり、蒸発する際に手指の水分まで一緒に奪い、乾燥させてしまいます。そうすると肌のバリア機能が乱れ、手荒れにつながるのです。
アルコール消毒液は保湿成分配合のものを選ぶ、消毒後は必ずハンドクリームで保湿をするといった対策をしてみてください。
手作業
意外に思われるかもしれませんが、水を使わなくても、手で何かに触れるという行為そのものが手荒れの原因となり得ます。そのため手作業をする機会が多い方も手荒れになりやすいのです。
たとえば、パソコンのキーボード操作を多く行なう仕事をされている方、書類や本などの紙類に触る機会が多い方、衣服を畳む機会の多い方などが当てはまります。手指にずっと刺激が与えられるため、肌の皮脂が失われやすいのです。
仕事の合間などにハンドクリームをこまめに塗る、作業中に手袋をする、などの対策をすると良いでしょう。
自律神経の乱れ
自律神経の乱れは、血行不良を引き起こします。血行が悪化すると、皮膚に必要な栄養素や酸素が行きわたらず、手の乾燥状態を改善することができません。結果的に手荒れを引き起こすのです。
自律神経が乱れる要因はストレス・睡眠不足・バランスの悪い食事・不規則な生活などさまざま。手荒れを改善するには、まず自分の生活を見直すところから始めてみると良いかもしれません。
アレルギー反応
日常生活の中に、アレルギー反応が起こりうる物質は多くあります。自覚がない場合もあり、不用意にそれらに素手で触ることで手荒れの原因になってしまうケースもあるのです。
たとえば制汗剤やヘアケア剤・香水に含まれる香料・着色料などの成分、ドアノブ・フォーク・スプーンなどに含まれる金属、漆・イチョウ・菊・アロエ・たけのこ・マンゴーといった植物、医薬品、ゴム製品などが代表です。
手荒れにつながるような原因が他に思い当たらない場合は、アレルギーが潜んでいるかもしれません。気になったら皮膚科で検査をしてみましょう。
手荒れ症状別!ハンドクリームの選び方とオススメ商品
あなたはどのようにハンドクリームを選んでいますか?「値段を見て選んでいる」「パッケージや匂いを重視している」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし症状に合ったハンドクリームを選ばないと、手荒れが改善しないばかりか、悪化することさえあります。症状別に選び方とオススメ商品をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
あかぎれ・ひび割れ・かゆみ
軽度の赤みやかゆみがある場合は、肌に炎症が起きています。炎症を抑えるために、抗炎症作用のある有効成分を配合した薬用ハンドクリームを選びましょう。
代表的な抗炎症成分としては、グリチルリチン酸ジカリウムやアラントインなどがあります。
また血行を促進するビタミンE、肌の代謝を高めるビタミンAなどの成分もオススメです。
ただし、重度の炎症や水疱などがみられる場合には、自己判断で改善しようとせずに皮膚科にご相談ください。
ユースキン製薬|ユースキン
出典:ユースキン製薬公式サイト
メーカー希望小売価格:1,639円(税込)/120g
4つの有効成分トコフェロール酢酸エステル、グリチルレチン酸、dl-カンフル、グリセリンを配合した指定医薬部外品のクリームです。指定医薬部外品とは、もともと医薬品だった製品の中でも効果が穏やかなものを厚生労働大臣が指定し、医薬部外品に移行されたものを言います。
ユースキンは、豊富な抗炎症成分と保湿成分が配合されており、あかぎれやひび割れを改善する効果が認められています。
ジャーだけでなく、ポンプタイプやチューブタイプも展開されているため、使用シーンや生活スタイルに合わせて選べるのもポイントです。
角質のゴワゴワ感
厚くなった角質を柔らかくしてくれる尿素が配合されたクリームを選ぶのがオススメです。ただし人によっては尿素が刺激となる場合もあるため、テスターなどで試して肌に合った成分を選ぶ、皮膚が薄い部分には塗らないようにするなど工夫する必要があります。
興和株式会社|ケラチナミンコーワ アロマハンドクリーム
出典:興和株式会社公式サイト
価格:オープン価格
こちらも指定医薬部外品で、尿素10%配合のハンドクリームです。また抗炎症の有効成分グリチルレチン酸も配合されており、手指のカサつきを改善しながら肌を健やかに保ってくれます。
またやさしい花の香りが特徴で、ローズ・ラベンダー・ジャスミンと3種類のライアンアップがあります。保湿をしながら好みの香りでリフレッシュすることができますよ。
乾燥
保湿力の高い成分はたくさんありますが、特にオススメなのはヘパリン類似物質です。
ヘパリン類似物質は、化粧品だけでなく医薬品にも配合される成分で、角質層に浸透しやすい特性があります。高い保湿力でバリア層の維持に役立つだけでなく、血行を促進し肌の代謝をアップさせる作用もあるため、アトピー性皮膚炎などの治療の際に保湿剤として処方されることもあります。
市販の医薬品や医薬部外品であればドラッグストアで購入することができますので、乾燥が気になる人は試してみると良いでしょう。
ただし炎症部位への使用は向きません。赤みや痒みがある場合にはヘパリン類似物質ではなく、セラミド、スクワラン、ヒアルロン酸などの保湿成分を配合したアイテムを選んでくださいね。
ゼトック|ヘパトリート 薬用保湿ハンドクリーム
出典:ゼトック公式サイト
価格:981円(税込)/60g
ヘパリン類似物質を配合した、医薬部外品のハンドクリームです。
その他の保湿成分として、天然油分のミツロウや肌をやわらかく保つ濃グリセリンを配合。こっくり濃厚なクリームがベールのように手指をつつみ、角層まで浸透しながらうるおいをキープします。
低刺激処方のため、敏感肌でも使いやすいですよ。
花王|キュレル ハンドクリーム
出典:花王公式サイト
価格:1,100円(税込)/50g
セラミド機能成分やユーカリエキスなどのうるおい成分を配合した、医薬部外品のハンドクリームです。有効成分としてアラントイン、酢酸トコフェロール(ビタミンE)を配合しているため、保湿をしながら手荒れを防ぎます。
やさしく外部刺激から守ってくれるので、季節性の乾燥が気になる方や、敏感肌の方には特にオススメです。
小ジワやハリ不足
手指は意外と人に見られる部位のため、細かいシワがあると気になってしまいますよね。
手指のシワは乾燥によるキメの乱れが大きな要因ですので、乾燥が気になる場合と同様保湿成分を配合したハンドクリームが良いでしょう。
よりシワにフォーカスをあてて改善を目指す場合には、シワ改善有効成分であるナイアシンアミドなどが配合されたアイテムを選んでみてください。ナイアシンアミドは美白有効成分としても認められているため、肌のトーンアップも期待できます。
コーセーコスメポート|コエンリッチザプレミアム 薬用リンクルホワイトハンドクリーム
出典:コーセーコスメポート公式サイト
価格:968円(税込)/60g
有効成分ナイアシンアミドを配合した薬用ハンドクリームです。コエンザイムQ10、エラスチン、セラミドなど、保湿やエイジングケアに役立つ美容成分が豊富に含まれているため、手指の若々しさを取り戻したい方にオススメです。
濃厚なテクスチャーながらベタつかないので、乾燥が気になる秋冬から紫外線が強まる夏まで季節を問わず使いやすいですよ。
手荒れ対策にマスターすべき!ハンドクリームの塗り方
「ちゃんと毎日クリームを塗っているのに手が荒れる」「手袋して家事をしても、悪化していく」という方。もしかしたらケア方法が間違っているのかもしれません。
ここではハンドクリームを使った正しいハンドケア方法を紹介します。ぜひ今日から意識してみてください。
ハンドクリームを塗るタイミング
ハンドクリームは“乾燥を感じる前に”“こまめに”塗ることがポイントとなります。
意識していないと「いつの間にか手指がガサガサになっていた…」なんてことになりかねません。
・〇時間に1度塗る
・手洗い後は必ず塗る
など、自分の中でルールを決めておくと良いでしょう。
特に入浴後は肌内部の水分が蒸発しやすいタイミングですので、必ず塗るように心がけましょう。特に乾燥が気になるときは、ハンドクリームの前に化粧水やボディローションをなじませておくのもオススメです。
手が濡れている場合は、しっかり水分をふき取ってから保湿ケアに入りましょうね。
ハンドクリームを塗る正しい手順
ハンドクリームを塗る前に、まずは手を温めます。特に手の甲は冷えやすいので、片方の手のひらでもう一方の手の甲を数秒包み込むようにしてみてください。こうすることでハンドクリームが肌になじみやすくなりますよ。
次にクリームを適量手にとって、手のひらでクリームを温めます。温めたクリームを手の甲に乗せ、やさしく押さえるようにプレスしてください。
このとき擦るように塗り伸ばしてしまうと肌の負担となり、乾燥やシワの原因となってしまいます。肌は擦らず、ハンドプレスでなじませていきましょう。
手の甲が終わったら、指先や爪まわりにクリームをもみこみます。指1本1本を手で包みながらなじませることで、血流促進にもつながりますよ。
爪の乾燥やささくれが気になる場合は、仕上げにネイルオイルを塗りこむのもオススメです。
寝ている間に集中ケア
よりしっかりケアがしたいという人は、手袋を使って寝ている間に集中ケアをしてみましょう。
方法は簡単で、就寝前にクリームを塗り、手袋をしてそのまま寝るだけ。
手袋は、綿やシルクなど蒸れにくい素材を選んでください。最近はハンドケア専用のナイトグローブもさまざまな種類が販売されていますので、ぜひお試しください。
手荒れが悪化した場合の対処法
「正しいケアをしても、自分に合ったクリームを選んでも、改善されない」「湿疹や水泡ができてしまった」という方は、皮膚科を受診してください。「そこまで強い症状が出ているわけではないし…」と受診をためらってしまう方は、まずは薬局にいる薬剤師さんに症状を相談してみるのも良いでしょう。
大切なのは、自己判断で放置しないこと。たかが手荒れと思われるかもしれませんが、皮膚疾患が潜んでいる場合もあります。また病院に行くことで、自分でも気づかなかったアレルギーを発見できるなど、手荒れの原因究明につながる場合もあります。
ちなみに症状がひどい場合、ステロイド剤を処方されることもあります。副作用が気になる方には、ステロイドを使わずに治療をする方法も検討してくれるはずですので、遠慮なく医師に相談してみてください。
まとめ
常にさまざまなものに触れる手指の皮膚は、知らず知らずのうちにダメージを受けているもの。たとえ肌が強い人であっても荒れやすいパーツです。
肌荒れの原因を裁つと同時に、自分に合ったハンドクリームで正しいケアを続ければ、少しずつ手荒れは改善されていくはずですので、今回ご紹介した内容を参考にぜひ試してみてください。
また、ひどい症状の方は無理せず医療機関に相談してくださいね。