ニキビ・ニキビ跡は薬で治せる?市販薬や処方薬について解説!

ニキビができると、鏡を見るたびに憂鬱な気分になってしまいますよね。なかなか治らず炎症が悪化するとニキビ跡として残ってしまうリスクも高まるため、早めに改善したいものです。
ニキビ治療の選択肢として、飲み薬や塗り薬を使うことは有効な手段のひとつです。そこで今回は「ニキビに効く薬」について、市販薬から処方薬まで詳しく解説します。
また頑固なニキビ跡の改善に役立つ薬についても紹介しますので、解決の一助としていただけたら嬉しいです。

この記事のポイント

  • ニキビ治療に使われる薬がわかる
  • ニキビ跡の改善に役立つ薬がわかる
  • ニキビ治療薬の保険適用範囲がわかる
目次

ニキビ改善に役立つ薬

ニキビができたら、まず炎症を抑えることが重要です。どのような薬が役立つのか、具体的な医薬品も交えながら紹介していきます。

市販薬

ドラッグストアなどで販売されている市販薬は、手軽に購入できるため、すぐにニキビ改善に取り掛かりたいときや、皮膚科を受診する時間がとれないときに便利です。

ただし、処方薬に比べると成分の種類や含有量などが制限されており、比較的安全に使用できる半面、十分な効果が得られない場合も。また症状に適した薬を選ばないと改善が見込めない場合があるため注意が必要です。
例えばニキビの初期段階である「白ニキビ」と、炎症が悪化した段階である「赤ニキビ」では、適した薬が異なります。

また比較的安全とはいえ、医薬品である以上赤みや肌荒れといった副作用が起きる可能性はゼロではありません。用法・容量をきちんと守ることに加え、他に治療中の疾患がある方や、妊娠中・授乳中の方、アレルギーがある方などは、薬剤師に相談してから使用しましょう。
適した市販薬の見極めが難しい場合や、数日使っても効果が見られない場合、症状が悪化した場合などは、早めに皮膚科を受診してくださいね。

白ニキビに|エスエス製薬 アンナザルベ・エース

出典:エスエス製薬公式サイト
メーカー希望小売価格:1,210円(税込)

角質軟化作用のあるイオウレゾルシンを配合した外用薬で、毛穴に詰まったニキビの芯の排出を促す作用があります。
また炎症を静めるグリチルレチン酸も配合されているため、ニキビによる赤みやかゆみを抑えてくれます。

赤ニキビに|ライオン ペアアクネクリームW

ペアアクネクリーム
参考価格:1,480円(税込)/24g
出典:ライオン公式サイト

抗炎症作用のあるイブプロフェンピコノールと、殺菌・消毒作用のあるイソプロピルメチルフェノールのダブル作用で、今あるニキビの改善に役立つ外用薬です。
ニキビの進行を抑えるとともに、コメド(白ニキビ)の発生も抑えてくれます。

保険診療で処方される薬

炎症を伴うニキビは、保険診療で治療を行うことができます。医師の判断で適切な薬を処方してもらうことで、より早くニキビを静めることができるでしょう。
保険適用のニキビ治療薬には、主に次のようなものがあります。

外用薬
アダパレン 毛穴への皮脂詰まりを防ぎ、白ニキビの発生を予防。
炎症をおさえて赤ニキビを改善。
過酸化ベンゾイル アクネ菌の増殖を抑え、ニキビの悪化を防ぐ。
角質剥離作用により、毛穴詰まりを改善。

⇒いずれも、乾燥・赤み・痒みなどの副作用が出る場合があります

内服薬
抗菌薬
(ビブラマイシンなど)
アクネ菌を殺菌し、炎症を抑える
ビタミン剤
(シナールなど)
ターンオーバーの正常化や皮脂抑制など補助的な作用が得られる
漢方薬
(十味敗毒湯など)
化膿の抑制や体質の改善など、種類ごとに補助的な作用が得られる

⇒吐き気・肝機能障害・発疹・痒みなどの副作用が出る場合があります

ただし保険適用になるのは炎症が起きているニキビのみで、炎症後に残ったニキビ跡の赤みは保険診療では改善できません。ニキビ跡になってしまった場合は、美容皮膚科で治療を受けましょう。

自由診療で使われる薬

保険診療で効果が得られなかった場合や外用薬が肌に合わない場合には、自由診療も視野に入れましょう。より保険適用外の成分でも、体質によっては効果的にニキビを改善できる場合があります。具体的に見ていきましょう。

外用薬・化粧品

直接肌に塗るものとしては、アゼライン酸レチノールなどを配合した軟膏やクリームが挙げられます。

アゼライン酸には皮脂分泌の抑制作用があり、ニキビの原因となる過剰な皮脂分泌を抑えてくれます。また角化を正常化し毛穴詰まりを予防する作用や、アクネ菌の増殖を抑える抗菌作用も。保険適用の軟膏ほど強力な効果はないものの、マイルドにニキビを改善する作用が期待でき、刺激感が比較的少ないため使いやすいというメリットがあります。
また妊娠中に使用できるのも魅力的なポイントです。

一方レチノールはビタミンAの一種で、皮脂分泌の抑制や角化の正常化により毛穴詰まりを予防する作用があります。またターンオーバーを促進することで、ニキビ跡の予防にも役立ちます。
ただし、使い始めは皮膚の赤みや皮むけなどの、いわゆるA反応が起きる場合がある点に注意が必要です。

DRX AZAクリア

AZAクリア
価格:1,980円(税込)/15g
出典:DRX公式サイト

ロート製薬が展開するブランドDRXの、アゼライン配合クリームです。アゼライン酸濃度20%と高配合ながら、長年アゼライン酸を研究してきたロート製薬の技術により、低刺激性も同時に実現しました。
ニキビのある部分にピンポイントに使うのもオススメですが、スキンケアとして顔全体に使うことで、ニキビのできにくい肌に整えることもできます。
※恵比寿アズクリニックで取り扱っております

ジャンマリーニ デュアリティーフェイスクリーム

デュアリティーフェイスクリーム
価格:18,480円(税込)/28g
出典:ジャンマリーニ公式サイト

ターンオーバーを促進するレチノールと、ニキビ治療薬にも使われる過酸化ベンゾイルを混ぜて使うクリームです。黒ずみの気になる詰まり毛穴や、ニキビの改善に役立ちます。
ペプチド等の保湿成分も豊富に配合しているため、毛穴やニキビのケアと同時にエイジングケアも行うことができます。
ただしレチノールによるA反応が出る場合があるため、最初は低頻度で少量から使い始めると良いですよ。
※恵比寿アズクリニックで取り扱っております

内服薬・サプリメント

自由診療でも、内服薬の処方を行う場合があります。医薬品の他にサプリメントを使用するケースもあり、その種類は多岐にわたるのが特徴です。
一例としては次のようなものがあります。

ビタミンB群
(ビタノイリンなど)
皮膚や粘膜を健康に保つ働きがある。
さらに皮脂分泌を抑え、ニキビをできにくくする。
ビタミンC
(シナールなど)
抗炎症作用がありニキビの鎮静に役立つ。
ビタミンE
(ユベラなど)
ターンオーバーを促進し、ニキビのできにくい肌に整える。

サプリメント|ワカサプリ高濃度VC3000

1包に3,000mgのビタミンCを配合したサプリメントです。
ビタミンCには抗炎症作用があり、ニキビの鎮静に役立ちます。さらに皮脂分泌の抑制やターンオーバーの正常化により、ニキビができにくい肌に整える作用も期待できます。
「ワカサプリ高濃度VC3000」は、賦形剤や着色料、甘味料などを極力排除することで、ビタミンC含有率96.7%を実現。純粋なビタミンCを摂取することができます。
水やジュースなど飲み物に混ぜて飲む粉末タイプのため、飲みやすいのもポイントです。
※恵比寿アズクリニックで取り扱っております

ニキビ跡改善に役立つ薬

ニキビが進行して炎症が重篤化すると、炎症が治まった後も「ニキビ跡」として残ってしまう場合があります。
ニキビ跡は、ニキビと違い「疾患」とはみなされないため、基本的に保険適用外で治療を行うことになります。つまり薬を使う場合、市販薬か自由診療で処方される薬の二択となる点は覚えておきましょう。
また、そもそも薬では改善が難しいタイプのニキビ跡もあるので要注意。そのようなケースでは、美容皮膚科で施術を受ける必要があります。

薬で改善が見込めるニキビ跡の種類

まずは、ご自身のニキビ跡が薬で改善できるか否かを見極めましょう。どのタイプに当てはまるのか、確認してみてください。

①赤みタイプ

ニキビの炎症自体は治癒したものの、赤みだけが残ってしまったタイプです。ニキビによるダメージが原因となり、患部に毛細血管が集中したり、色素沈着が起きたりすることが原因で起こります。
このタイプのニキビ跡は、肌のターンオーバーをくり返すことで改善していく場合があります。そのため、ターンオーバーをサポートしてくれるような成分を含む薬の使用が効果的となります。

②色素沈着タイプ

シミのような茶褐色の跡が残るタイプです。炎症によって肌が刺激され、メラニン生成が活性化してしまったことが原因で起こります。
このタイプのニキビ跡は、赤みタイプと同様ターンオーバーの促進により改善が期待できます。また、メラニンの生成を抑える効果のある薬もオススメです。
完全に消すことは難しいですが、色素沈着が目立たない状態まで改善させることはできるでしょう。
また紫外線の刺激により色が濃くなってしまうことがあるで、日焼け対策も忘れずに行ってください。

③クレータータイプ

ニキビ跡の中でも特に重いタイプで、肌の表面がデコボコと細かい波打ちをしており、触るとザラつきがあります。
非常に深いダメージを受けた状態のため、医薬品での改善は基本的に不可能。改善したい場合は、美容皮膚科で相談してみてください。

関連記事:ニキビ跡を消す方法は?効果的な治療方法と日常ケアを紹介
https://az-clinic.tokyo/articles/erase-acne-scars/

市販薬

市販薬でニキビ跡を劇的に改善させるのは難しいのが実情ですが、赤みや色素沈着の悪化を防ぎつつ、ターンオーバーを促進させることで、少しずつニキビ跡の目立たない状態にしていくことは可能です。
ただし用法・容量はきちんと守り、不明点があれば医師や薬剤師に相談してから服用しましょう。

赤みに|エーザイ チョコラBBプラス

チョコラBBプラス
参考定価:1,580円(税込)/60錠
出典:エーザイ公式サイト

代謝をサポートする働きのあるビタミンB群を、5種類も配合した医薬品です。
活性型ビタミンB2が、肌細胞の生まれ変わりを助け、ターンオーバーの正常化に役立ちます。
皮脂の過剰な分泌を抑制する効果もあるため、ニキビのできにくい状態にしていくことが可能です。

色素沈着に|エスエス製薬 ハイチオールBクリア

ハイチオールBクリア
参考定価:2,433円(税込)/180錠
出典:エスエス製薬公式サイト

肌代謝を助けるL-システインと、ビタミンB群、ビタミンCなどを配合した医薬品です。
メラニンを抑制する働きによって、色素沈着によるニキビ跡の予防・改善が期待できます。

自由診療で使われる薬

美容皮膚科などで処方される医薬品はより高い効果が期待できます。また同時にケミカルピーリングやレーザートーニングなどの施術を行うことで、効率的にニキビ跡を改善することができるでしょう。
恵比寿アズクリニックでは、ニキビ跡治療に次のような医薬品を使用します。

シナール

ビタミンCパントテン酸を配合した複合ビタミン剤です。
パントテン酸には免疫力や代謝機能の促進など、単独での健康効果も非常に優秀ですが、ビタミンCの働きを助ける作用があり、あわせて摂取することでビタミンCの美肌効果をより発揮させることができます。
ビタミンC1日最大量は1800mgと、ワカサプリよりは少ないですが、このパンテトン酸が配合されている点と、比較的安価で続けやすい点がメリットといえます。

ユベラ

ビタミンEを有効成分とする内服薬です。
ビタミンEは、ビタミンCとともに抗酸化ビタミンとして知られており、肌の酸化を抑えることでメラニン生産を抑制します。ビタミンCや、次に紹介するトラネキサム酸とも相性が良く、併用をおすすめする場合が多いです。

トラネキサム酸

メラニン色素の生成に深くかかわる「プラスミン」という成分の働きを抑える効果があり、色素沈着の予防・改善に役立ちます。
赤みや色素沈着など、メラニンが原因となるニキビ跡はもちろん、シミや肝斑の予防・改善薬としても処方されます。

ハイドロキノン軟膏

ハイドロキノンは、メラニン色素を作るメラノサイトという細胞の活動を抑えることができる強力な美白成分として知られています。
ニキビ跡の色素沈着の他、アズクリニックではシミ取りレーザー後の色素沈着予防としても処方することがあります。

まとめ

ニキビの薬についてお伝えしてきましたが、忘れてはならないのは、生活習慣を整えるのが何より大切であるということです。
不規則な食事や睡眠を続けていては自然な肌の代謝機能が乱れ、どんなに優れた薬の効果も十分に発揮されない環境となってしまいます。規則正しい生活、バランスの取れた食事、十分な睡眠は、美しい肌への第一歩。薬の使用と並行して、ぜひ意識してみてください。

※記事内でご紹介している各商品は記事執筆時の情報に基づいて掲載をしており、変更となっている可能性がございます。ご購入の際は最新情報をお確かめください。

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監修医師紹介

奥野彰子/医師

奥野 彰子 / Akiko Okuno

医師・恵比寿アズクリニック院長

  • 東京慈恵会医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学付属病院にて形成外科に入局。
  • 2008年より美容皮膚科 院長を15年勤める。
  • 2023年5月 恵比寿アズクリニック院長に就任。

監修医師詳細プロフィール

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