初めてのケミカルピーリング!効果とリスクを基本から解説

治りにくいニキビや、気になる小じわなど厄介な肌悩みの解決策として、ケミカルピーリングという美容施術を聞いたことがあるでしょうか?
「ケミカル」は化学的な処置、「ピーリング」は剥がす行為を指す言葉ですが、その響きから何となく怖そうな治療を想像している方もいるかもしれません。

しかし、自身の肌質に合ったケミカルピーリングの施術を受けることで、肌悩み改善への確かな手段となり得ます。
この記事では、ケミカルピーリングの効果、仕組み、そしてリスクについて深く掘り下げてご紹介します。
正確な知識を身につけ、肌トラブル解消を目指しましょう!

この記事のポイント

  • ケミカルピーリングとは?
  • ケミカルピーリングを行う際のポイント
  • 自宅でできるピーリング
目次

ケミカルピーリングとは?

まずは美容施術としてのケミカルピーリングについて、基本的な情報をお伝えします

肌の構造

ケミカルピーリングについて理解するには、まず皮膚の構造について知ることが不可欠です。
私たちの肌は、大きく分けて「表皮」と「真皮」の2つの層があり、表皮にはさらに「角質層」「顆粒層」「有棘層」「基底層」という四つの階層があります。
肌細胞が生成されるのは、表皮の最も深い部分に位置する「基底層」です。

新たに誕生した肌細胞は、「基底層」から始まり「有棘層」「顆粒層」「角質層」を経て肌表面へと移動し、最終的には老廃物として自然に剥がれ落ちます。
この一連のプロセスを「肌のターンオーバー」と呼びます。
理想的な肌の状態では、このターンオーバーは約28日周期で行われ、古い角質が自然に排出され新しい肌へと生まれ変わります。

しかし、紫外線やストレス、加齢などの影響でターンオーバーのサイクルが乱れると、古い角質がうまく排出されず、ニキビや肌のくすみといった問題が発生しやすくなります。

ケミカルピーリングは、このような肌の問題を解決する手段の一つとして選択されている技術です。

ケミカルピーリングとは

ケミカルピーリングは、化学薬品を用いて肌表面に蓄積した古い角質や汚れを除去し、新陳代謝を促して肌質を改善する治療法です。
肌のターンオーバーを正常なサイクルに戻すことで、ヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチンの生成を促進し、さまざまな肌の悩みに対処することが可能になります。

ケミカルピーリングで使う薬剤の種類

ケミカルピーリングに使われる薬剤には、グリコール酸(AHA)、サリチル酸、トリクロロ酢酸、乳酸などさまざまな種類があり、複数の薬剤を組み合わせて施術を行う場合もあります。

中でも最もポピュラーな薬剤として挙げられるのは、グリコール酸です。
フルーツに多く含まれる成分で、「フルーツ酸」とも呼ばれています。
肌にやさしく、角質を柔らかくし取り除く効果があり、市販の化粧品にも配合されていることが多いです。

一方サリチル酸は皮脂と似た性質を持ち、毛穴への浸透性が高いため、角質やニキビ、ニキビ痕、シミへの効果が特に期待できます。
ただし、日本では化粧品および医薬部外品におけるサリチル酸の配合上限が0.2%と法律で定められているため、市販の化粧品ではAHAと組み合わせて使用されることが一般的です。

ケミカルピーリングの具体的な効果

ケミカルピーリングは、古い角質の蓄積によって生じる肌トラブルに対して以下のような効能を発揮します。

<ニキビ>

古い角質の除去と過剰な皮脂分泌の抑制、毛穴詰まりの解消によりニキビの状態を改善していく効果が期待できます。

<色の薄いシミ>

肌のターンオーバー促進により、角質層に沈着したシミを薄くする効果が期待できます。

<小じわ>

ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチンの生成を促すことでふっくらとしたハリのある肌へと導き、乾燥やコラーゲンの不足が原因の小じわを改善します。

<くすみ>

乾燥によって肌のツヤが失われ、くすみが生じることがあります。
ケミカルピーリングで古い角質を取り除くことで、化粧水や美容液の浸透率が向上し、適切な水分補給を行うことでくすみの改善が見込めます。

<毛穴の黒ずみ>

古い角質と毛穴の汚れを除去することで、毛穴の黒ずみを目立たなくすることが可能です。

このように、古い角質が原因で発生する肌の問題に対しては、ケミカルピーリングによる改善が期待できます。
ただし、元々の肌質が極度の乾燥肌である場合や、加齢による深いしわがある場合には、ケミカルピーリングでの改善は難しいかもしれません。
自分の肌質に合った施術を選択することが重要であり、その判断は美容皮膚科での相談をおすすめします。

ケミカルピーリングを行う際のポイント

ニキビやシミなどの肌トラブルに悩んでいる方、または自分では手が届かない背中や腕などのケアに困っている方には、美容皮膚科で提供されるケミカルピーリングを受けるのが効果的です。
しかし、治療方針や具体的な治療内容は受けるクリニックによって異なるため、事前にしっかりと調査し、理解を深めることが大切です。

病院・クリニックを選ぶポイント

クリニックを選ぶ際には、以下の3つの重要なポイントを押さえておくことが大切です。

<1>カウンセリングの有無

ケミカルピーリングを受けるにあたり、患者さんの肌の状態や肌質に合わせて、使用する薬剤の濃度や施術の頻度を調整することが重要です。
施術前に肌質に関する適切なカウンセリングを行うかどうかは、病院やクリニックを選ぶうえでの大きなポイントとなります。
施設のホームページなどで事前に情報を確認するとともに、実際にカウンセリングを受けて信頼できるかどうかを見極めることが大切です。

<2>施術の種類

ケミカルピーリングにはさまざまな種類があり、クリニックごとに提供する施術内容が異なります。
種類の豊富さや、肌への負担の有無をしっかりと確認し、自分の肌に合った方法を探しましょう。
また、専門的な部分でわからないことがあった際に、気軽に相談できる雰囲気のクリニックの場合は安心して施術に臨むことができますよ。

<3>アフターケアの充実度

ケミカルピーリング後の肌は特にデリケートな状態になりますので、アフターケアが非常に重要です。
日焼け防止や保湿を含むスキンケアのサポートが充実しているか、
また、自宅でのケア方法についても適切なアドバイスを受けられるかどうかは大切なポイントとなります。
アフターケアまでしっかり行ってくれるクリニックを選ぶことで、施術後の肌トラブルを防ぎ、理想の肌状態へと導くことができます。

ケミカルピーリングのリスクとデメリット

ケミカルピーリングを検討するにあたり、施術のマイナス面もしっかりと理解しておくことは非常に重要です。
起こりうるリスクとして、以下のものがあります。

・皮むけや赤み
・毛穴状態やニキビの悪化
・極度の乾燥

これらのリスクは、施術の頻度が多すぎたり、
使用薬剤の種類・濃度が肌質に合っていなかったりといった原因から発生することがあります。
事前にしっかり確認することで回避できることがほとんどですので、特に初回はきちんと時間をかけてカウンセリングを行ってくれるクリニックを選ぶことが大切です。
また、複数のクリニックに通っている方は、他院でいつ・どのような施術を受けたのかをきちんと申告しましょう。

その他のデメリットとして、ケミカルピーリングは主に古い角質の除去に効果を発揮する施術のため、それ以外の原因で生じた肌の問題には対応できない点があげられます。
重度のニキビや深いしわが完全に解消されるわけではありませんのでご注意ください。

また、効果を持続させるには定期的な通院が必要となるため、トータルで見ると費用が高額になる場合も。無理なく通えるクリニックを見つけることも、
美肌を保つポイントですよ。

恵比寿アズクリニックのケミカルピーリング

恵比寿アズクリニックでは、「マッサージピール」と「ミックスピールマヌカ」の2種類のケミカルピーリングを行っています。
それぞれについて詳しくご紹介します。

マッサージピール

皮膚表面を剥離せず、皮膚を守りながら真皮深層に働きかけるケミカルピーリング施術です。

トリクロロ酢酸(TCA)、コウジ酸、過酸化水素水(H202)を主な有効成分とし、お肌を優しくマッサージしながら薬剤をなじませることで細胞の再生を促し、新たなコラーゲン繊維形成を促進します。
ハリと弾力を取り戻すことができることから、別名「コラーゲンピール」とも呼ばれています。

即効性がありながら従来のピーリングのような副作用がほとんどなく、手軽に取り入れられる美肌治療です。

小じわや軽度のたるみが気になる方、肌のハリが失われている方、シミを予防したい方などに特におすすめです。

ミックスピールマヌカ

乳酸をベースに、グリコール酸、サリチル酸を配合し、さらに希少性の高いマヌカハニーを加えたピーリング製剤です。
マヌカハニーの保湿効果と抗菌・抗炎症作用を同時に得られるため、ピーリングと同時に肌にやさしく炎症を抑えることができます。

ニキビ肌の方や肌荒れが気になる方、毛穴の黒ずみ・開きが気になる方、乾燥肌の方に特におすすめのケミカルピーリングです。

▶アズクリニックのケミカルピーリングについて https://az-clinic.tokyo/chemicalpeeling/

自宅でできるピーリング

自宅でピーリングによる角質ケアを行いたいと考えている方は少なくないでしょう。
重要なのは、自分の肌質や肌の状態がピーリングに適しているかを見極めることです。
特に、過剰な乾燥や皮膚の剥がれが見られる方、顔に治癒していない傷がある方は、ピーリングによる炎症を引き起こすリスクがあり、おすすめできません。
また使用するピーリング製品を選ぶ際は、肌への負担が少ないものを選ぶことが大切です。

ピーリング製品の選び方

市販されているピーリング製品には、石鹸やジェルなどさまざまなタイプがありますが、重要なのはその成分を確認することです。
例えば、AHAの一種であるりんご酸やBHAのサリチル酸など、どのような成分が含まれているかを明確に示している製品を選びましょう。
AHAなどの成分は肌に比較的優しいとされており、ピーリング初心者にもおすすめです。
ただし、物理的に肌を擦り落とすタイプの製品は、摩擦による肌トラブルを引き起こす可能性があるため注意が必要です。

ピーリングの方法

「ピーリング石鹸」や「ピーリングジェル」など、製品によって使用方法が異なるため、必ず説明を読み、推奨されている使用方法や頻度を守ることが大切です。
以下に、これらの製品の基本的な使用方法を紹介します。

<ピーリング石鹸の使用方法>

まずは石鹸をしっかりと泡立てます。その泡を濡らした顔に優しくのせましょう。
目元や唇を避けながら泡を広げていたら、泡で優しく洗います。このとき、指で強くこするのはNGです。
製品によっては、そのまましばらく泡をのせる泡パックを推奨しているものもあります。
時間は製品によって異なるため、事前に説明書で確認しておきましょう。
最後に泡を洗い流します。

<ピーリングジェルの使い方>

クレンジングと洗顔を終えた後、タオルでやさしく顔の水分を拭き取ります。
ピーリングジェルをさくらんぼ大23粒分ほど手に取り、顔全体に均一に広げていきます。
指の腹を使い、円を描くように顔全体を優しくマッサージすると、ジェルの成分が肌に浸透しやすくなります。

製品説明に記載されている時間、肌になじませた後、ぬるま湯で丁寧に洗い流します。

ピーリング後のアフターケアは重要です。
ピーリングをした後は古い角質が除去され、乾燥が生じやすくなります。
そのため、化粧水に加え、保湿美容液やクリームを使用し、肌の乾燥を防ぎましょう。
また、ピーリング後の肌は紫外線を吸収しやすくなるため、
日焼け止めも忘れ使うようにしましょう。

まとめ

ケミカルピーリングを適切に行えば、美しいツヤ肌を手に入れることができます。
しかし、不適切な施術や製品選びは肌状態を悪化させる原因ともなり得ます。
たとえば海外のピーリング製品は、日本人の肌質に合わないなどのリスクもあります。
自分の肌質に合ったケミカルピーリングを選ぶためには、肌の状態を正確に理解することが最初の一歩です。
不安がある場合は、医師や専門家へ相談することを検討してみましょう。

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記事監修

奥野彰子/医師

奥野 彰子

医師・恵比寿アズクリニック院長

  • 東京慈恵会医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学付属病院にて形成外科に入局。
  • 2008年より美容皮膚科 院長を15年勤める。
  • 2023年5月 恵比寿アズクリニック院長に就任。

詳細プロフィール

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