女性の「デリケートゾーンのかゆみ」原因と正しいケア方法

多くの女性が経験する、デリケートゾーンのかゆみ。「誰にも相談できずに悩んでいる」という人もいるのではないでしょうか。
今回は、なかなか人に聞けないデリケートゾーンのかゆみについて、原因と正しいケア方法を伝授します。知っておくだけで安心感が高まるはずですので、ぜひ参考にしてください!

この記事のポイント

  • デリケートゾーンにかゆみをもたらす疾患がわかる
  • 日常生活にひそむデリケートゾーンのかゆみの原因がわかる
  • 自分でできるデリケートゾーンのかゆみ対策がわかる

目次

こんなときは病院へ!デリケートゾーンにかゆみをもたらす疾患

デリケートゾーンがかゆいとき、まずは疾患の可能性がないか確認しましょう。かゆみとともに次のような症状のある人は、自分で何とかしようとせず、すぐに婦人科に相談してください。

・おりものの色が普段と異なる(濃い黄色・緑色・赤色・灰色など)
・おりものの臭いが気になる、量が急に増えた
・カッテージチーズ状のおりものが出る
・ただれや腫れ、湿疹がある
・痛みに近いかゆみがあり、尿やシャワーがしみる

特におりものの状態は、健康状態のパラメーターとなる場合が多いです。日ごろからチェックして、すぐに異常に気付けるようにしましょう。
かゆみを伴う疾患の中でも代表的なものをご紹介します。

カンジダ膣炎

カンジダ菌というカビの一種が原因となって起こる疾患です。カンジダ菌は健康な皮膚にも存在する常在菌ですが、免疫力が低下したときなどに増殖し、炎症を引き起こします。
かゆみの他に、おりものの増加や変色、ヒリヒリ感、排尿時等の痛みなどの症状が出ることがあります。

トリコモナス膣炎

トリコモナス原虫(微生物)による感染症です。感染力が強く、性行為の他タオルやシーツの共用によって感染することもあります。
強いかゆみが出ると同時に、悪臭を伴う濃い黄色のおりものが生じる場合があります。

クラミジア

クラミジア・トラコマティスという病原菌に感染することで起こる疾患です。日本国内で最も感染報告の多い性感染症と言われています。
若年層の罹患者が多く、無症状のまま他者に移してしまうこともあります。症状が出る場合は、かゆみやおりものの増加、不正出血などがあり、進行すると不妊の原因となることもあります。

性器ヘルペス

単純ヘルペスウィルスに感染することで起こる疾患です。かゆみに加え、水疱やただれといった目に見える症状が起こることが多いです。
一度感染するとウィルスを完全に除去することはできず、再発することの多い疾患のひとつです。

デリケートゾーンのかゆみ、疾患以外の原因は?

疾患の心配がない場合は、日常生活に潜む原因に対処することでかゆみを解消できるはず。よくある原因を紹介します。

蒸れ

デリケートゾーンは常に衣類に覆われているため非常に蒸れやすく、それがかゆみにつながる場合が多いです。特に通気性の悪い下着やボトムスをよく着ているという人は要注意。
また、汗や経血なども蒸れにつながるため、こまめに処理することが大切です。

摩擦

生理用品や下着がデリケートゾーンの皮膚に擦れることで、かゆみを引き起こしている場合もあります。タイトなボトムスや補正下着をよく身に着けている人は、摩擦が原因かもしれません。
デリケートゾーンの皮膚はとても薄く、摩擦による影響を受けやすい部位です。また、摩擦は黒ずみの原因になることもあります。

洗浄成分の刺激

デリケートゾーンを洗う際、全身用のボディソープを使っているという人はいませんか?
清潔に保つことは大切ですが、ボディソープはデリケートゾーンに使うには洗浄力が高く、刺激となってしまう場合があります。また膣内の常在菌のバランスと乱すことにもつながりますので、おすすめできません。

また洗濯洗剤や柔軟剤などの成分が下着に残り、それによってかぶれを引き起こす場合も。アレルギー体質の方などは特に注意が必要です。

ムダ毛処理・脱毛

自己流のムダ毛処理がかゆみにつながる場合もあります。特にシェービングジェルなどを使わず乾いた肌に剃刀をあてると、肌荒れやかぶれの原因となりますので絶対にやめてください。
また医療脱毛後も肌が乾燥しやすく、蒸れや摩擦の影響が普段以上に出てしまう場合があります。
かぶれやすい人は、デリケートゾーン専用のアイテムで保湿を行うなど対策を行いましょう。

自分でできる!デリケートゾーンのかゆみ対策

最後に、すぐに実践できるかゆみ対策をご紹介します。これらを意識するだけで不快なかゆみから解放される場合も多いので、ぜひ取り入れてみてください。
ただし、感染症などの疾患が原因となっている場合には改善が見られないばかりか、逆効果となることもあります。不安な方は迷わず医療機関に相談してください。

清潔に保つ

汗をかいたらすぐにふく、生理用品はこまめに取り換える、おりものシートを使うなど、デリケートゾーンを清潔に保つようにしましょう。
特に生理後半は要注意。経血が少なくなるためナプキンが汚れていないように見えることもありますが、膣からの分泌物や尿などで実はかなり汚れているものです。23時間に1度は必ず変えるよう心がけてください。

下着を変えてみる

ナイロンやポリエステルなど化学繊維を使った下着は、蒸れの原因となる場合があります。また敏感肌の人などは、下着や生理用品の繊維がかぶれにつながる場合も。
通気性や吸湿性に優れ、肌にやさしい天然素材の繊維(コットンやシルクなど)を使った下着に変えてみましょう。
生理用品もコットン素材のアイテムに変えるだけで、かぶれが軽減される場合もありまよ。

洗濯洗剤・柔軟剤を見直す

意外と見落としがちなのが、洗濯に使う洗剤や柔軟剤です。通常の衣類であれば問題なくても、直接デリケートゾーンに触れる下着はかぶれの原因となり得ます。
下着や生理用品を変えても改善が見られない場合には、洗濯洗剤を無香料や低刺激のアイテムに変えたり、使用量やすすぎ回数を調整したりすることも検討しましょう。
また柔軟剤は衣類に残りやすいため、下着を洗う際には使わない方が無難です。

デリケートゾーン専用のアイテムを使う

デリケートゾーンを洗う際には、ボディソープではなく専用の洗浄アイテムを使いましょう。洗浄力の強さもデリケートゾーンに合わせて調整されているため、やさしく洗うことができます。
同時に、洗い方もやさしさを意識しましょう。ゴシゴシ擦るように洗うと炎症の原因になるだけでなく、皮膚に傷がつくことで感染症にかかりやすい状態となってしまいます。指の腹でなでるように洗ってくださいね。
脱毛後など乾燥が気になるときには、デリケートゾーン専用の化粧水や美容液を取り入れるのもオススメですよ。

市販のかゆみ止めを使う

かぶれ等による一般的なかゆみであれば、市販のかゆみ止め軟膏を使うことで解消できる場合もあります。軟膏を塗る前には必ず石けんで手を洗い、清潔な状態で行いましょう。

ただし感染症が疑われる場合は使用してはいけません。
感染症を治療するには、医師の診断のもと適切な医薬品で対処する必要があります。自己判断で市販薬を使用することで、疾患の発見が遅れたり、悪化につながったりする恐れも。
かゆみが強い場合や、他の症状が併発している場合には、早めに医療機関を受診してください。

まとめ

顔のスキンケアは毎日行っていても、デリケートゾーンのことは無頓着になりがちです。日々の刺激が重なって、気づけばかゆみが…なんてことも少なくないでしょう。
刺激の起きやすいデリケートゾーンこそ、丁寧なケアが大切です。清潔に保ちながら、下着や生理用品にもこだわってみてください。

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記事監修

奥野彰子/医師

奥野 彰子

医師・恵比寿アズクリニック院長

  • 東京慈恵会医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学付属病院にて形成外科に入局。
  • 2008年より美容皮膚科 院長を15年勤める。
  • 2023年5月 恵比寿アズクリニック院長に就任。

詳細プロフィール

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