体のあちこちがかゆい!かゆみが出るほどの乾燥肌を改善する保湿術

「乾燥の季節になると、肌がカサついて粉を吹く」「それどころか全身かゆくてたまらない!」
そんな深い乾燥の悩みを抱えている方は意外と多いものです。
カサカサ肌の辛いかゆみは、乾燥肌を改善することで抑えていくことが可能です。
この記事では、かゆみが出るほどの乾燥肌におすすめのかゆみ予防や、乾燥肌を改善させるための保湿のポイントについて紹介していきます。健康美肌になるためにも、ぜひ参考にしてください。

この記事のポイント

  • かゆみを伴う乾燥肌の原因
  • 乾燥によるかゆみの予防方法
  • どうしてもかゆいときの緊急対処方法
 

目次

乾燥するとかゆくなるのはなぜ?

乾燥肌とは、皮脂や水分が不足した肌の状態を言います。
通常、皮膚の表層にある「角質層」がバリアの役割を果たし、紫外線や雑菌などの外部刺激からお肌を守っているのですが、肌にうるおいが不足した状態ではこの「バリア機能」が正常に働かず、外部刺激に対して過敏に反応してしまうのです。

結果として、かゆみが起きやすくなったり、肌荒れを引き起こしたりといった肌トラブルにつながります。
肌を乾燥から守ることは、肌の健康や美しさを保つために必要不可欠なのです。

ただし、かゆみがあまりにひどい場合や発疹を伴うような場合には、乾燥だけではなく皮膚の病気が潜んでいる恐れもあります。そのような状態に悩んでいるという方は、1度皮膚科を受診してみるのが良いでしょう。

かゆみを伴う乾燥肌の原因

乾燥によるかゆみは全身のどこでも発生し得るのですが、皮脂分泌の少ない部位は特に頻発しやすい箇所です。顔の中では頬や口元、目元など、身体では腕や脛、背中などがそれにあたります。
爪を立ててガリガリとかいてしまうと、肌を傷つけて余計に乾燥を招く悪循環となってしまうため、根本的な解決には乾燥肌を卒業するしかありません。
ここでは、乾燥肌に陥ってしまう原因を解説していきますので、思い当たる項目がないかチェックしてみてください。

間違ったスキンケア

特に顔周りにかゆみが起きやすいという方は、スキンケアやメイクアップのアイテムを見直すことをおすすめします。長年自分に合っていると思って使っているアイテムでも、年齢や季節による肌の変化によって、知らぬ間にミスマッチなアイテムになってしまっていることもあるのです。
また普段は問題なく使えていても、ストレスやホルモンバランスの影響で一時的に肌に合わなくなってしまうこともあります。
さらに手で強く擦っている、メイクブラシやパフが汚れたまま使っているといった習慣も、肌にダメージを与える要因となっています。

生活リズムの乱れ

起床・食事・就寝の時間が不規則になっている方や、食生活が偏っている方は、生活習慣の乱れによって乾燥肌につながっているかもしれません。
肌は毎日の食事から作られますので、栄養バランスを考えて食事を摂ることは美肌の基本です。

また、肌の再生に関わる成長ホルモンは睡眠中に多く分泌されますから、質の良い睡眠をとることも重要です。この機会にぜひ見直してみましょう。

ストレス

過度なストレスは肌のターンオーバーの乱れにつながります。ストレスが溜まると自律神経の働きが乱れ、血流の低下が起こることで肌に必要な栄養が行き渡りにくくなるのです。
またストレスからくるホルモンバランスの乱れも肌の不調につながりますので、適度に発散することが大切です。

アレルギーなどの体質

アレルギーなど体質の影響で乾燥肌になりやすい方もいます。
花粉やハウスダスト、食べ物などにアレルギーのある方は、アレルゲンに触れると皮膚の内部に炎症が起きることがあり、皮膚のバリア機能を破壊してしまいます。結果として肌の乾燥を引き起こし、さらにアレルゲンが皮膚内に入り込みやすくなってしまうのです。
こうしたアレルギーはかゆみを伴うことが多く、非常につらい症状に悩まされる方も多くいらっしゃいます。
乾燥対策と同時に薬による治療などが必要な場合もありますので、医療機関で相談するのが良いでしょう。

乾燥によるかゆみの予防|入浴編

ここからは、乾燥肌を改善し、かゆみの起きにくい肌にするための方法をご紹介していきます。
まずは入浴時にできる予防方法です。
しっかり保湿をするうえで、保湿剤を塗ることも大切ですが、見落としがちなのが「入浴」なのです。肌の水分と皮脂を必要以上に流さないよう、正しい入浴方法をマスターしましょう。

お湯の温度は「ぬるめ」がベスト

浴槽のお湯は36~37度の人肌程度が目安です。
「熱いお風呂が好き」という方もいると思いますが、熱いお湯は肌への刺激になり、かゆみを誘発する原因になってしまいます。乾燥肌の方は、ぬるめのお湯がベストです。

入浴剤は慎重に選ぶ

入浴剤を使う場合は、配合成分を見ながら慎重に選ぶようにしましょう。成分によっては保湿効果が薄いばかりか、肌に合わずにさらにかゆくなってしまうことも。
保湿を目的とする場合は、以下の特徴を持つ入浴剤がおすすめです。

低刺激処方の入浴剤
・バスミルクなど、保湿効果の高い入浴剤
セラミドヒアルロン酸など、保湿成分を配合した入浴剤
・かゆみ対策には、グリチルリチン酸2Kアラントインなどの抗炎症成分も◎

逆に入浴剤として人気の高い、温泉成分や炭酸系の発泡タイプの入浴剤は、肌への刺激となる場合があるので注意が必要です。

長湯はNG

湯船に浸かる時間は15分~20分までがおすすめです。
長時間の入浴は肌に必要な皮脂を奪ってしまい、かゆみを増大させる恐れがあります。また入浴には意外とエネルギーを消費するため、長湯によって知らず知らずのうちに疲れを溜めてしまうことも。
適度な入浴時間で効果的に疲れがとれれば、ストレス解消にもつながりますよ。

洗うときはとにかく「やさしく」!

髪・顔・身体、どこを洗う時も洗浄料はしっかり泡立てて使うのが基本です。
泡立てるタイプの洗浄料を原液のまま皮膚にのせると、洗浄成分が強くなりすぎたり、肌を擦りがちになったりするためやめましょう。
泡立てネットなどを使って濃密な泡を作り、泡で肌をなでるようなイメージで洗うようにしてください。
ジェルタイプなど泡立てないタイプの洗浄料を使う場合も、肌を擦らずやさしく洗うことを心がけましょう。

炎症がある場合やかゆみがひどい部分は、洗浄料を使わずにぬるま湯ですすぐだけでOKです。
また最後にしっかりとすすぎを行い、シャンプーやボディソープなどが肌に残らないよう注意しましょうね。

乾燥によるかゆみの予防|保湿編

肌を乾燥させないためには、こまめな保湿が大切です。保湿剤を使って丁寧に保湿する習慣をつけましょう。
乾燥に負けない肌をつくる保湿のポイントをご紹介します。

保湿は入浴後がベスト

保湿剤を塗るのは、基本的には入浴後、水分を拭き取ってからがおすすめです。入浴後の肌は柔らかく水分が逃げやすい状態になっているため、できるだけ手早く保湿して乾燥を防ぎましょう。
保湿剤が肌に馴染んで、バリアを張ったようなしっとり肌になれば、十分保湿されているサイン。
浴室を出てから20分以内にケアが終わらせられれば、全身保湿は11回でも十分な場合が多いです。ただし、手や足首、ふくらはぎなど部分的に乾燥が気になる場合には、日中もこまめに保湿するのを忘れないようにしてください。

保湿剤はタイプで使い分け

保湿剤はテクスチャーによって大きく5つに分類されます。
それぞれ使い勝手が異なりますので、季節やタイミングによって使い分けると良いでしょう。

半固形タイプ
ワセリンや保湿バームなどがこれにあたります。
肌の表面を覆うことで水分の蒸発を防ぐことができる反面、べたつきが強いのがデメリット。
特に乾燥が気になる箇所に部分的に使うのがおすすめです。

クリームタイプ
保湿剤として最も製品数が多いタイプでしょう。油分と水分がバランスよく入っているので、水分の蒸発を防ぎながら、肌内部にうるおいを与えることもできます。
入浴後の保湿として全身に使うなど、活躍の場が多いタイプですので、乾燥肌の方は常備しておきましょう。

乳液タイプ
クリームタイプよりも軽めで、肌に伸びやすいタイプの保湿剤です。
クリームのべたつき感が気になるという方には使いやすいですが、その分水分の蒸発を防ぐ効果は弱いものが多いため、こまめに塗り直しを行いましょう。秋~春はクリーム、夏は乳液と使い分けるのもおすすめです。

オイルタイプ
ほとんどが油分で作られているタイプの保湿剤です。
クリームより伸びやすく、皮脂膜を強化して乾燥をしっかり食い止めてくれます。
また、肌を柔らかくする効果もあるため、ローションの前にブースターとして使ったり、クリームに混ぜて使ったりなど、使い方の幅が広いのもポイントです。

ローションタイプ
油分をほとんど含まない保湿剤です。
水分を保持する力はほとんどありませんが、肌内部にうるおいを与える機能が高いのが特徴です。これを塗っただけで終わらずに、上からワセリンやクリームなどを重ねることで、より高い保湿効果を発揮します。

保湿クリームはムラなく伸ばす

保湿クリームを使用する場合は、たっぷり手に取り、手のひらで軽く温めてから使いましょう。容器から取り出してそのまま肌にのせるよりも伸びが良く、ムラができにくくなります。
塗り伸ばす方向は「体の先端から心臓へ」が基本。脚の場合は足の裏や指先から始まり、足首、ふくらはぎ、ひざ、太もも、お尻と上がっていくイメージです。
こうすることで、むくみの軽減にも役立ちます。肌を擦らないよう、優しく伸ばしてください。

乾燥によるかゆみの予防|生活編

最後に、日常生活でできる乾燥・かゆみの予防方法をみていきましょう。
かゆみの原因は思わぬところに潜んでいることもありますよ。

スキンケアを見直す

肌の状態は年齢や季節などによって変わりゆくものですので、定期的にスキンケアを見直し、常にベストなケアをしていくのが理想です。スキンケアをしていて少しでも違和感があったり、乾燥状態が続いてしまったりする場合には、普段使っているアイテムの使用をお休みしてみてください。
自分の肌としっかり向き合う癖をつけることで、どんなアイテムが肌に合っているのか見えてくるはずです。

また、肌に触れる際は必ず「やさしく触れる」ことを意識し、過度に擦ることのないよう気をつけましょう。
クレンジング・洗顔や、ベースメイクを塗り伸ばす際などは特に注意が必要です。

肌に触れる衣類は素材にこだわる

インナーなどの肌に触れる衣類は、綿素材のような、なめらかで肌触りの良い素材がおすすめです。
ナイロンなどの化学繊維は、人によってはかゆみが出やすい場合があります。
また、速乾性や保温性にすぐれた高機能インナーは非常に便利な反面、乾燥肌の方にとっては刺激となりがちですので気をつけましょう。
また、タイトすぎる下着や服は、肌への刺激や血行不良の元になるので避けるのが無難。場合によってはストレスや、色素沈着にもなりかねません。
タイトすぎず着心地の良いものや、縫い目のないシームレス下着もおすすめです。

肌の健康は食事から

肌にうるおいをもたらすためには、食生活も大切です。
美肌におすすめの食材として代表的なものをご紹介します。

大豆製品

納豆や豆腐、豆乳などの大豆製品に含まれる大豆イソフラボンには、細胞の新陳代謝を高めて肌の潤いを保つ働きがあります。また、肌の再生に欠かせないタンパク質も摂取でき、低糖質なのもポイントです。

野菜や果物

野菜や果物は、肌の健康維持に欠かせないビタミン類や、腸の調子を整える食物繊維、強い抗酸化作用をもつポリフェノールなど、美肌に導く栄養素の宝庫です。
旬の野菜や果物を食卓に取り入れることで、体が必要としている栄養素を摂取することができますよ。

ヨーグルト

ヨーグルトには、牛乳由来のタンパク質や、腸内環境を整える乳酸菌ビタミン類などの栄養素が含まれており、おすすめの食品です。糖質の摂りすぎを避けるために、無糖タイプを選びましょう。
どうしても甘みを足したい場合は、少量のハチミツを混ぜたりフルーツと一緒に食べたりすると良いでしょう。

ストレスをコントロールする

お肌はもちろん、全身の健康維持のために、ストレスを溜めない生活をこころがけましょう。
不規則な生活や運動不足を解消するだけでもストレスが溜まりにくくなりますので、まずは日々の生活を整えることから始めてみてください。
また、映画や音楽といった趣味を充実させたり、お風呂や軽いストレッチなどのリラックスタイムを大切にしたりと、意識して自分のために時間をとることも大切です。

一方、暴飲暴食や過度な喫煙やギャンブルなどは、ストレスを発散するつもりがかえってストレスを溜める結果となる場合が多いためおすすめできません。

どうしてもかゆい!原因別の緊急対処方法

乾燥やかゆみの対策をしていても、どうしてもかゆくなってしまう時があります。
我慢できずにかいてしまうと肌の炎症や出血につながることもあり、良いことはひとつもありません。
ここでは、かゆみの原因別に対処方法をご紹介します。

過度な乾燥|低刺激のクリームで緊急保湿

環境や季節の変化によりいつも以上に乾燥してしまうと、普段の保湿ケアだけでは不十分な場合があります。
こうした過度な乾燥によるかゆみが起きたら、オイルやクリームですぐさま追加保湿を行いましょう。カサカサ感が軽減し、次第にかゆみも治まってくるはずです。
しっかりと塗り込みますが、力は不要。爪や摩擦には注意してくださいね。

花粉・ほこり|ワセリンでしっかりバリア

花粉や埃が原因でかゆみが出るという方はアレルギー体質である場合が多いため、基本的には医療機関を受診するのが1番です。
しかし緊急的な対処方法としては、かゆみのある個所にワセリンなどを塗り油分のベールを作るのが良いでしょう。バリア機能が低下した部分を強化することで、かゆみの原因をブロックすることが可能です。

物理的刺激|刺激の元を断つ

衣類や髪の毛が物理的な刺激となり、かゆみが出ている場合は、とにかく刺激を受けないように接触を避けることが急務です。
衣類の場合は着替えてしまうか、天然素材のインナーでガードするのが有効。
髪の毛は顔にかからないよう結んだりピンで留めたりと、髪型を工夫してみてください。
また手で触れることも刺激の元ですので、触りグセのある方は意識的に改善していきましょう。

まとめ

かゆみが出るほどの乾燥肌は、一朝一夕で改善することはできません。毎日の習慣の積み重ねによって、しっとりとしたツヤ肌に近づいていくことができますよ。
ただし、あまりに乾燥やかゆみがひどい場合には、抱え込まず皮膚科や美容皮膚科で相談してみましょう。
専門家の力を借りることで、効果的に肌質改善ができるはずです。

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記事監修

奥野彰子/医師

奥野 彰子

医師・恵比寿アズクリニック院長

  • 東京慈恵会医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学付属病院にて形成外科に入局。
  • 2008年より美容皮膚科 院長を15年勤める。
  • 2023年5月 恵比寿アズクリニック院長に就任。

詳細プロフィール

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