顔にできるニキビは、どんな人にとっても悩みの種ですよね。特に紫ニキビは、とても目立つので本当に嫌な気持ちになってしまいます。とは言え、焦って自己流で対処してしまうのは、かえって逆効果に。例えばニキビを潰すことや、厚塗りのメイクで隠すような行動は、肌状態を悪化させる原因となってしまいます。
紫ニキビは、特に治りにくく、跡が残りやすいタイプ。
本記事では、紫ニキビの症状や原因、そして正しい治療法をご紹介します。間違ったケアをしてあとから後悔しないように、この知識を活用し、美しい肌を取り戻してくださいね。
紫ニキビについて
まずは紫ニキビの基本情報を解説していきます。自分のニキビがどのような状態にあるのか理解して、正しい対策につなげましょう。
ニキビの種類とその段階
一口に「ニキビ」と言っても、実はその種類と進行過程には5つの段階が存在します。最初は目立たない小さな白ニキビから始まり、黒ニキビ、赤ニキビ、黄ニキビを経て、最終的に紫ニキビへと悪化していきます。
紫ニキビは最も重症で、治療も難しく、ニキビ跡が残る可能性が非常に高いのが特徴です。
早期に適切な対策を取ることで、紫ニキビに至るリスクを減らすことが大切なのです。
-白ニキビ
皮脂や老廃物、汚れが毛穴に詰まり、小さな白い膨らみとして表れます。この状態を「コメド」と呼びます。
この段階のニキビは、まだ炎症を起こしていないため目立たないですが、ポツポツと出来るので、触ると気になるかもしれません。
-黒ニキビ
毛穴の開口部の皮脂や汚れなどが空気に触れることで酸化し、黒く変色してしまった段階で、白ニキビの悪化が1つ進んだと言えます。
-赤ニキビ
炎症が生じており、赤く腫れ上がった状態となります。
この段階からは特に注意が必要で、無理に潰すと炎症が悪化してしまいます。
-黄ニキビ
赤ニキビからさらに炎症が悪化し、膿が溜まった状態です。炎症が毛穴の真皮層にまで及び、細胞にダメージを与えてしまいます。そうなると治癒後にニキビ跡や色素沈着のリスクが高まってしまいます。
-紫ニキビ
黄ニキビがさらに悪化して、毛穴の中に血や膿が溜まる状態が紫ニキビです。
ニキビが最も重症化した状態で、触るとゴリゴリとしたしこりを感じることがあります。
この段階まで進行したニキビは、治療が簡単ではない状況と言えます。
紫ニキビの詳しい症状
紫ニキビは、ニキビが最も悪化した状態であり、その内部では真皮層にまで炎症が及んでいます。
この炎症により新陳代謝が妨げられ、排出されない膿や血が古くなり紫色に見えるのが特徴です。
紫ニキビに見られる膿は、炎症部位で活発に活動する白血球の働きによるものです。白血球は、人体の自己防衛機能のひとつであり、炎症や細菌の攻撃から体を守ってくれています。
黄ニキビが紫ニキビに進行するということは、炎症との防衛戦が膠着状態になっていることを意味します。
この段階では、毛穴の周辺や真皮細胞を含む皮下組織に深刻なダメージが生じており、簡単には治癒しません。
治っても色素沈着やクレーター状のニキビ跡が残ることが多く、見た目にも深刻な影響を及ぼしてしまいます。
紫ニキビが発生する原因
紫ニキビに至る直接的な要因は、化膿している黄ニキビを適切にケアせず悪化させた結果です。
ニキビのケアでは、肌を清潔に保ち、良好な皮脂バランスに安定させることが重要ですが、それと同時に体の内面からのケアも欠かせません。
紫ニキビの原因としては、ホルモンバランスの乱れ、便秘や血行不良による老廃物の蓄積、強いストレスなどが挙げられます。これらは免疫力を低下させ、外部刺激や細菌に対する抵抗力を弱める原因となります。
特に女性の場合は、生理不順や月経困難症も紫ニキビの原因になることがあります。
紫ニキビを防ぐためには、肌だけでなく全身の健康にも注意を払う必要があるのです。
紫ニキビ治療の正しい方法
紫ニキビができてしまったら、スキンケアだけで改善するのは困難です。適切な治療を行うことで早期に改善させましょう。
なるべく早く皮膚科を受診する
初期段階のニキビは、自身での適切なスキンケアで改善する可能性も高いですが、赤ニキビや黄ニキビのように炎症が進み、痛みや腫れを伴った状態になると、自力での治療は難しくなり、時間もかかります。
さらに紫ニキビにまで重症化した状態では、一刻も早い皮膚科医の診察が必要です。
紫ニキビは毛穴の奥や真皮層にまでダメージが及ぶため、切り傷ややけどと同様に、完治しても皮膚に跡を残すリスクがあります。肌表面の凹凸やケロイド状のニキビ跡、色素沈着などが顔に残ると、それがコンプレックスやストレスの原因となり、さらなるニキビの悪化を招く恐れがあります。
このような負のスパイラルを防ぐためにも、紫ニキビが発生した場合は自己流のケアを控え、速やかに皮膚科を受診することが大切です。
紫ニキビ治療の種類
紫ニキビの治療には、さまざまなアプローチがあります。日本皮膚科学会のガイドラインに従い、抗生物質の内服薬や炎症を抑える塗り薬、毛穴の詰まりを防ぐための塗り薬などが処方されるのが一般的です。
また、毛穴内の膿や皮脂を取り除く圧出処置も推奨されています。
さらに、保険適用外の治療として、ケミカルピーリング、漢方薬、ホルモン療法なども選択肢としてあります。
重要なのは、皮膚科医の診断に基づき、適切な治療法を継続することです。
紫ニキビ治療に使用される薬剤
紫ニキビ治療における薬剤にはいくつかの種類があります。日本皮膚科学会のガイドラインでは、毛穴のつまりに効果的で、治癒状態を長持ちさせる塗り薬アダパレンが推奨されています。同様の効果を持つディフェリンゲルが処方されることもあります。
赤ニキビから紫ニキビへの炎症を鎮めるためには、アクアチムクリーム(ローション)やダラシンTゲル(ローション)などの抗生物質が用いられます。
また、ニキビの原因となるアクネ菌に対する抗菌剤ベピオゲルも、その抗菌作用と毛穴のつまりを解消するピーリング作用で注目されています。ベピオゲルに含まれる過酸化ベンゾイルは、海外でもニキビ治療薬として広く使用されています。
紫ニキビ治療にかかる期間
紫ニキビが完治するまでの期間は、個人差はありますが、数か月ほどかかる場合が多いです。
肌のターンオーバーには約一ヶ月を要し、このプロセスを繰り返すことで、傷ついた細胞が自然に剥がれ落ちていきます。早ければ2ヶ月から3ヶ月後には効果が実感できることもありますが、新たなニキビができると治癒期間が延びる可能性があります。
だからこそ、今できているニキビの治療とともに、これからニキビができるのを予防していくような対策も重要です。
紫ニキビ予防のために、知っておきたいポイント
ここからは、ニキビを予防するためにできる、基本的なスキンケアのポイントや、見直したい生活習慣について解説します。
洗顔はやさしく丁寧に
ニキビ対策の基本は、正しい洗顔方法にあります。
肌を清潔に保つためには、余分な皮脂、汗、ホコリなどの汚れをきちんと落とすことが重要です。
ただし、洗顔料が肌に残っていることが原因でニキビが発生することもあるため、すすぎは丁寧に行い、生え際やフェイスラインなどは特にすすぎ残しがないよう注意してください。
洗顔後は、清潔なタオルで優しく水分を拭き取りましょう。
また、脂性肌だからといって過度に油分を落とすことは逆効果です。皮脂を落としすぎると肌バリアの機能が低下し、逆に皮脂分泌が過剰になってしまうのです。適度な皮脂は肌を守る大切なバリアとなるので、油分と水分のバランスを保つことがお肌にとっては重要です。洗顔のし過ぎには注意しましょう。
①洗顔前には手を洗い、清潔な状態にします。
②洗顔料の泡立ては、きめ細やかな泡ができるように心がけましょう。
③強くこすらずに、泡が手と顔のクッションとなるように洗います。
④すすぎは丁寧に行い、肌に汚れが残らないよう注意します。
⑤洗顔後は、タオルで優しく押さえるようにして水分を拭き取り、すぐに保湿します。
おすすめ洗顔料|ゼオスキン エクスフォリエーティングクレンザー
出典:ゼオスキン公式サイト
肌に負担をかけずに、余分な皮脂や古い角質を取り除く、ジェルタイプの洗顔料です。軽めのメイクであれば落とすことも可能です。
角質を軟化させるサリチル酸や、肌の新陳代謝と高めるビタミンEを配合。毛穴の汚れをすっきりと取り除きながら、肌の水分を保ちます。
※恵比寿アズクリニックで取り扱っております。
保湿で肌のバリア機能を高める
洗顔が終わったら、化粧水やクリームでしっかりと保湿することが大切です。
肌が乾燥すると、うるおいを補おうと余計に皮脂が分泌されてしまいます。保湿によって水分と油分のバランスを整えてあげることが、ニキビ予防には非常に重要なのです。
また、ニキビを予防するような成分を配合したアイテムもおすすめです。皮脂分泌の抑制や、毛穴詰まりの予防、古い角質の除去など、成分ごとにさまざまなアプローチでニキビを予防してくれますよ。
また、ニキビができにくいとされる「ノンコメドジェニックテスト済み」の製品を使ってみるのも良いでしょう。
①必ず手を洗い、清潔な状態でスキンケアをスタートしましょう。
②スキンケア製品を適量手に取り、まずは乾燥しやすい頬からやさしく伸ばしていきましょう。
③乾燥しやすい部分にはスキンケア製品を重ね付けしましょう。
④目の周囲は特に優しくケアをします。
おすすめ化粧水|プルエスト VC ハイドレーティング ローション
出典:プルエスト公式サイト
ノンコメドジェニックテスト済みで、ニキビに悩む方におすすめの保湿化粧水です。
独自の「保水ジェル」をベースに、アミノ酸、セラミド、ヒアルロン酸などの保湿成分を配合。
さらに皮脂の抑制に働くビタミンC誘導体を配合しているため、乾燥肌の方はもちろん、皮脂の過剰分泌に悩むインナードライ肌の方にもおすすめです。
※恵比寿アズクリニックで取り扱っております。
おすすめクリーム|DRX AZAクリア
出典:DRX公式サイト
アゼライン酸を高濃度配合したクリームです。アゼライン酸には、皮脂分泌の抑制作用やニキビ菌の増殖抑制作用が報告されており、こちらのクリームを顔全体に使うことで、ニキビのできにくい肌に整えることが可能です。
※恵比寿アズクリニックで取り扱っております
生活習慣の改善
肌トラブルは、体内環境や精神状態と密接に関係しています。睡眠不足、偏った食生活、過度な飲酒や喫煙、強いストレスはニキビを悪化させる原因になります。
ニキビ改善のためには、充分な睡眠、適度な運動、ヘルシーな食生活を心がけることが効果的です。
とは言え、ストイックにこだわり過ぎた生活は逆にストレスを引き起こす可能性もあります。心にゆとりを持てるよう、リラックスできる時間を作り、趣味や息抜きを楽しむことも大事ですよ。
食生活の改善
食生活の改善はニキビ対策において注目すべきポイントのひとつです。
ジャンクフードや高脂肪・塩分過多のお菓子、お砂糖たっぷりの甘いデザートなどはニキビを悪化させます。
ニキビ改善には、脂肪が少なく食物繊維やビタミンが豊富なヘルシーな和食がおすすめです。良好な腸内環境を維持することで、便秘や冷え性が改善し、免疫力の向上も期待できます。それがニキビの改善にもつながってくるのです。
また、寝る直前に食事をすると、胃腸が休まずに働き続け、質の良い睡眠を妨げてしまいます。夕食の時間を早くしたり、量を控えたりすることで、胃腸を休ませることができ、質の良い睡眠をとることができますよ。
また、朝にお腹が空いて目覚めるので、スッキリとした目覚めにもつながります。
夜の食事時間を見直すだけで、睡眠サイクルを改善し、体調や肌の調子を整えることができますので、ぜひ試してみてください。
まとめ
紫ニキビは、ストレスや生活習慣、ホルモンバランスの乱れなど、さまざまな要因が重なって発生します。
ニキビの最終段階と言える紫ニキビができてしまったら自己流のケアは避け、早めに専門医の診察を受けることが大切です。
その上で、生活習慣を見直し、ニキビができにくい肌づくりを心がけることが、美肌を手に入れる近道です。