【医師監修】頭皮が臭い!自覚しにくい嫌なニオイの原因と対策は?

頭皮のニオイは、自分では自覚しにくいトラブルのひとつ。知らず知らずのうちに周囲の人に不快感を与えてしまっていた!なんてことも少なくありません。
さらに、毎日シャンプーしていても臭うこともあるのが厄介なところ。
このページでは、頭皮のニオイのチェック方法や原因、改善方法についてまとめます。すでに頭皮臭を自覚している方はもちろん、「もしかしたら自分も…」と不安な方も、ぜひ参考にしてください。

この記事のポイント

  • 頭皮のニオイをチェックする方法がわかる
  • 頭皮の嫌なニオイの原因がわかる
  • 日常生活でできる頭皮のニオイ対策がわかる

目次

人には聞けない頭皮のニオイチェック

頭のニオイを自分で直接嗅ぐことはできません。また嗅覚は五感の中でも順応性が高く、同じ匂いを嗅ぎ続けていると慣れてしまうという特徴があるため、頭皮をはじめとする大衆全般自覚しにくいのが悩みどころ。
そこで簡単なセルフチェックをしてみましょう。3つの方法をご紹介します。

指で頭皮に触れる

最も簡単でわかりやすい方法が、指で頭皮に触れるというもの。
まず指のニオイが混ざらないようハンドソープで手を洗いましょう。そして指の腹で頭皮に触れ、その指のニオイを嗅いでみてください。
頭頂部、側頭部、後頭部などいろいろな部分で試してみると、部位ごとのニオイの違いがわかります。また時間帯を変えて何度か行うことで、時間経過に伴う変化も知ることができます。“頭皮臭があるかどうか“だけでなく、頭皮臭の原因を探る手掛かりにもなるでしょう。

枕のニオイを嗅ぐ

枕は長時間頭部と接するため、頭皮のニオイが移りやすいアイテムです。朝起きてすぐに枕のニオイを嗅ぐことで、頭皮のニオイを間接的に把握することができます。
このとき大切なのが最初の印象。しばらく嗅いでいるとニオイに慣れてしまい、無臭に感じてしまう場合があります。
また枕カバーが汚れていると正確なニオイが分かりにくくなりますので、清潔な枕カバーを使って試すのがオススメです。

ドライヤーの風をあてる

髪を乾かすときなどに、ドライヤーを使ってニオイを確認する方法もあります。
ドライヤーを後頭部からあて、前方向に風がくるようにしてみましょう。風にニオイが乗って顔の方に運ばれるため、自分で確認することができます。
冷風よりも温風の方がニオイを感じやすいため、温風で試してみるのが良いですよ。

頭皮の嫌なニオイの原因は?

日常生活に潜む頭皮臭の原因は、大きく分けて2つ挙げられます。

・皮脂や汗
・雑菌の繁殖

また、この他にも皮膚疾患などが起因している場合などがありますので、対策を試しても改善がみられない場合には、皮膚科で相談して原因を探ることが大切ですよ。

原因①皮脂や汗

頭皮は、人体の中で最も多くの皮脂腺が集中している部位です。そのため皮脂もたくさん分泌され、その量は顔のTゾーンの2倍以上とも言われています。
また汗腺もたくさん存在しており、全身の中では手のひらや足の裏に次いで3番目に多い部位です。
皮脂や汗は本来無臭なのですが、洗い残しにより長期間頭皮に付着したままになると、酸化したり、常在菌によって脂肪酸などに分解されたりすることで、ニオイの原因となるのです。
年齢とともに気になってくる加齢臭も、皮脂の酸化が原因と言われています。

特に、ホルモンバランスや食生活の乱れなどにより皮脂が過剰に分泌されると、頭皮臭をはじめとした体臭が発生しやすくなります。生活中間を整えるとともに、正しいシャンプー方法を身に着けることが大切ですよ。

原因②雑菌の繁殖

髪の毛を濡れたまま放置すると、頭皮や髪で雑菌が繁殖し、いわゆる“生乾きの臭い“が発生します。高温多湿の環境は雑菌にとって居心地の良い環境なのです。
また髪が濡れたまま放置していると髪の毛も傷みやすくなり、美容の側面からも良くありません。
髪が短いからと、シャンプー後にドライヤーを使わずタオルドライで済ませているという人は要注意。また髪が長く毛量が多い人は、しっかり乾かしたつもりでも根本が乾いていないということもあります。
シャンプーをしたらすぐにドライヤーで根元までしっかり乾かすよう意識しましょう。

頭皮臭を改善!5つのニオイ対策

頭皮の気になるニオイを改善するために、日常生活ですぐにできることをまとめました。ぜひ今日から始めてみてください。

シャンプーを正しく行う

頭皮トラブルが気になったとき、最初に見直すべきはシャンプーの方法です。5つのステップに分けて正しい方法をご紹介します。

STEP①乾いた髪をとかす
まずは乾いた状態で髪をとかし、あらかじめ髪の絡みを解いておきます。
こうすることでお湯やシャンプー剤が行きわたりやすくなるとともに、髪と髪が擦れることによるダメージも軽減できますよ。

STEP②お湯で予洗い
シャンプー剤を付ける前に、お湯のみで最低1分間の予洗いを行います。指の腹でやさしく地肌をかくように汚れを落としましょう。
実はこの予洗いによって、髪に付着した汚れの大部分は落とすことができると言われています。その後のシャンプーは落としきれない頭皮の汚れを落とす意味合いが大きいのです。予洗いを短く済ませてしまうと、その後のシャンプーの泡立ちが悪くなり、頭皮の汚れが落としきれない原因となります。
予洗いをしっかり行うことでシャンプーの泡立ちが良くなり、短時間でもスッキリと汚れを落とすことができますよ。

STEP③シャンプー剤を泡立てる
予洗いができたら、シャンプー剤を適量手にとりましょう。
アイテムにもよりますが、シャンプー剤は泡立ててから髪にのせるのが基本です。液状のまま使うと頭皮に残りやすくなったり、洗浄成分の濃度が高く頭皮かぶれの原因となったりするからです。
また水に溶いてある程度泡立ててから使うことで、少量でも髪全体に十分行きわたらせることができ、シャンプーの使い過ぎを防ぐことにもつながります。

STEP④洗う
爪を立てず、指の腹をつかってやさしく洗います。
ガシガシ強く洗うと頭皮の乾燥や髪の傷みの原因になるため、余分な力は加えずジグザグと手を動かしながら隅々まで洗いましょう。
もみあげや耳の後ろ、うなじの生え際などは洗い漏れの多い部位ですので気を付けてください。
予洗いがしっかりできていれば、シャンプー剤での洗いは長々時間をかける必要はありません。特に洗浄力の強いシャンプー剤の場合、時間をかけることで洗浄成分の刺激を受けやすくなる恐れもありますので、手早く行いましょう。

STEP⑤ぬるま湯ですすぐ
全体をしっかり洗えたら、地肌についた泡をしっかり落とすイメージで、予洗いのときと同様の動きで洗い流します。
「目に見える泡が流れたらOK」と考えている人もいると思いますが、実はこれでは不十分。シャンプー剤が残ると乾燥や炎症の原因となりますので、予洗い以上に時間をかけて完全に落とし切りましょう。
生え際や耳まわりはすすぎ残しが出やすいため特に念入りに流してください。

 

シャンプーの後はトリートメントなどで髪を保護するのがオススメです。ただしすすぎ残しがあると頭皮トラブルの原因となるため、シャンプーと同じ手順でしっかりすすいでくださいね。

髪を洗ったらすぐにドライヤーで乾かす

お風呂場から出たらタオルドライで大まかに髪の水分をふき取り、すぐにドライヤーで乾かしましょう。
髪の長い人は、クリップなどで髪を分けながら部分別に乾かすと、全体をしっかり乾かすことができますよ。

①最初に前髪を乾かす
②上部の髪をクリップでまとめて下部の髪だけを乾かす
③クリップを外して上部の髪を乾かす

といった具合です。長さや毛量によっては、さらに細かく分けても良いでしょう。

またドライヤーを近づけすぎると頭皮や髪を傷めてしまいますので、適度に距離をあけて使うようにしてください。

食生活を整える

脂質や糖質に偏った食生活は、皮脂の過剰分泌につながります。
またお酒の飲みすぎも頭皮臭の原因となるので要注意。体内でアルコールが分解されるとアセトアルデヒドという臭いの素となる物質が生成され、汗や呼気と一緒に排出されます。これが頭皮臭や口臭の原因となるのです。
栄養バランスの整った食生活を意識するとともに、毎日お酒を飲む習慣のある人は休肝日を設けてみる、一度に多量のお酒を飲まないようにするなど、お酒との付き合い方も見直してみましょう。

また抗酸化作用の高い栄養素を摂取して活性酸素の働きを抑えることも、頭皮の臭い予防に役立ちます。ビタミンA・C・E、ポリフェノールなどは特に高い抗酸化作用を持つことで知られる栄養素。積極的に取り入れましょう。

ビタミンA ニンジン、カボチャ、レバー など
ビタミンC ブロッコリー、パプリカ、キウイ、イチゴ など
ビタミンE アーモンド、落花生、アボカド、うなぎ、たらこ など
ポリフェノール ベリー類、リンゴ、さつまいも、大豆製品、緑茶 など

ストレスを溜めない

ストレスが溜まるとホルモンバランスが乱れ、皮脂の過剰分泌につながります。また免疫力が下がることで頭皮の常在菌のバランスが崩れ、頭皮臭が発生しやすい環境になってしまうのです。
頭皮臭以外にも、ストレスは美髪や美肌、健康を害する要因となります。現代社会でストレスなく過ごすことは難しいかもしれませんが、こまめに発散し、なるべく溜めすぎないようにできると良いですね。
そこで意識したいのが、良質な睡眠をとることです。睡眠はストレスの解消だけでなく、肌のターンオーバー促進にもつながる大切な習慣。睡眠習慣の乱れは頭皮環境の乱れに直結します。
睡眠の質を高めるポイントをおさえておきましょう。

・就寝時間の最低1時間前(できれば2時間前)には食事を済ませる
・就寝時間の1時間前くらいに入浴する
・就寝前1時間はパソコンやスマートフォンを見ない

また睡眠の長さは7時間程度が理想と言われています。忙しいなかでもしっかり睡眠時間を確保できると良いですね。

他にも、ストレスを解消するために日常の中でできることを取り入れましょう。

・入浴はシャワーで済ませず湯船につかるようにする
・家族や友人とコミュニケーションをとる
・ストレッチやヨガなど軽い運動を取り入れる
・音楽や読書など趣味の時間をつくる

仕事や家事で忙しいと疎かにしがちですが、自分の時間をもつよう意識してみてください。

寝具・タオル・衣類を清潔に保つ

寝具など頭部に直接触れるアイテムを清潔に保つことも、雑菌の繁殖抑制につながります。
特に注意が必要なのが枕カバー。頭皮だけでなく顔にも触れるアイテムですので、スキンケアの観点からも毎日取り換えるのがベストです。どうしても面倒な場合は清潔なタオルを敷いて寝るのも良いでしょう。
また意外と見落としがちなのが帽子です。汗や皮脂が付着して菌が繁殖しやすいので、定期的に洗濯やクリーニングを行うようにしてください。

まとめ

「自分は大丈夫」と思っていても、意外と頭皮が臭っていることはあるものです。正しいヘアケアを続けながら定期的にセルフチェックを行い、ニオイの気にならないさわやかな地肌を維持しましょう!

恵比寿アズクリニックお得なサブスクのご案内

恵比寿アズクリニックでは、患者様お一人おひとりに合わせてメニューをカスタマイズできる定額制プランをご用意しております。

アズクリで人気の施術も最大30%OFF。大変お得なプランとなっております。

※プレミアムプランの場合

記事監修

奥野彰子/医師

奥野 彰子

医師・恵比寿アズクリニック院長

  • 東京慈恵会医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学付属病院にて形成外科に入局。
  • 2008年より美容皮膚科 院長を15年勤める。
  • 2023年5月 恵比寿アズクリニック院長に就任。

詳細プロフィール

この記事をシェア
目次