誰もが気になる、お肌のシミ問題。
シミ取りレーザーって、痛いんじゃないの?そんなに簡単にシミが消せるの?
などなど、レーザー治療にまつわる疑問をお持ちの方は沢山いらっしゃると思います。また、シミに関する意外と知られていない事実や、誤解して伝わっていることなども多いのではないでしょうか。
色の濃いシミと薄いシミでは、美容医療でのアプローチが異なります。シミの種類を理解し、それに応じた治療法を選ぶことで、気になるシミを効果的に取り除くことができます。
この記事では、シミ取りレーザーなどの医療施術や、シミについて解説していきます。
この記事のポイント
- シミの6タイプ
- レーザーによるシミ治療の流れと種類
- シミ治療を検討している人が知っておくべき4つのポイント
知っておきたい、シミの6タイプ
シミにはさまざまな種類があり、それぞれ治療方法が異なります。中にはレーザーによる治療が向かないタイプや、逆効果になりうるものも。
まずはシミの種類を見極め、最適な治療方法を選ぶことが重要です。
老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)
老人性色素斑は、一般的に「シミ」と呼ばれるもので最も多いタイプです。
境界線がはっきりとした薄茶色の楕円形の沈着で、5mm~10mmと比較的大きいのが特徴。頬やこめかみのほか、手や肩などにできることも多いです。
紫外線や加齢が主な原因で、紫外線に長時間さらされるような生活をしていると、若いうちから現れ始めることもあります。
雀卵斑(じゃくらんはん)/そばかす
雀卵斑、いわゆる『そばかす』は3歳以降にでき、思春期に目立つようになる方が多いです。
2~3mm程度の小さな斑点が、鼻や頬、さらに肩や背中などに広く現れます。遺伝的な要因が大きいと言われていますが、紫外線によって色が濃くなるため、紫外線対策が重要です。
肝斑(かんぱん)
肝斑は主に左右対称に出現し、30~50代の女性に発生しやすいと言われています。
はっきりとした原因は解明されていませんが、ホルモンバランスの乱れやストレスなどが大きく影響しているというのが通説です。
強い刺激を受けると色が濃くなるため、レーザー治療が逆効果となる場合もあります
後天性メラノサイトーシス(ADM)
「あざ」とも呼ばれ、皮膚の深層である真皮にメラニンが発生した状態を指します。
頬に左右対称に表れることが多く、グレーや青みを帯びた独特の褐色をしています。
原因ははっきりとわかっていませんが、遺伝や紫外線、ホルモンバランスの乱れなどが影響しているといわれています。老人性色素半や肝斑などと混在し、判別が難しい場合も。
脂漏性角化症(しろうせいかっかしょう)
「老人性イボ」とも呼ばれる、ホクロのような盛り上がりを持つシミです。
主に皮膚の老化現象が原因で発生し、40代以降の年代に多く見られます。表皮が薄くなりケロイド状になるか、あるいは硬くなることもあります。
医薬品による改善は困難で、レーザー治療が適応となります。
炎症後色素沈着
ニキビや日焼け、やけど、虫刺され後の炎症が色素沈着となって現れるシミです。
多くの場合、肌のターンオーバーによって自然と解消されますが、ターンオーバーが滞っている方や高齢の方などは改善に時間を要する場合もあります。
レーザーによるシミ治療
シミ取りレーザーによる治療が適応となるのは、主に「老人性色素斑」「雀卵斑」「ADM」「脂漏性角化症」などのタイプです。それぞれ適したレーザーの種類や回数は異なり、医師の診断に基づいて適切な方法をとることが重要です。
レーザー治療がシミに効果的な理由
レーザーがシミ取りに効果的なのは、特定の色素にだけ反応してその色素を破壊する能力があるためです。
黒色に反応するレーザーを使用して、メラニン色素のみをターゲットにすることで、シミを除去することができます。
レーザー治療の流れ
シミ取りレーザーによる治療について、一般的な流れを紹介します。
①診察
医師がシミの種類や状態を見極め、レーザー治療が適切かどうかを判断します。
また、最終的にどのような状態を目指したいかといった希望や、それに必要な施術回数、ダウンタイムについてなどの説明を受け、施術内容をすり合わせていきます。
②レーザー照射
シミに対してレーザーを照射します。使う機器により、ゴムに弾かれたような痛みや灼熱感が伴う場合が多いです。施術時間としては、シミの個数や大きさによって異なりますが、レーザー照射自体は10分程度で完了する場合がほとんどです。
③テープによる保護
照射した箇所にテープを張り付けて保護します。
最低1週間はテープによる保護が必要で、恵比寿アズクリニックの場合は2週間の期間を設けています。
また、その間軟膏を塗布することで炎症を防ぎます。
④再診、アフターケア
保護期間が終わる頃には、照射した部分が黒っぽいかさぶたとなっています。
テープをはがす際に一緒に剥がれる場合が多いですが、かさぶたが残った場合も、洗顔など日常的なスキンケアを行う中で自然と剥がれていきます。
かさぶたが剥がれた部分は白~ピンクがかっていることが多いですが、次第に自然な肌色になっていきます。
治療後しばらくすると、再びシミが濃く浮き出てしまう「炎症後色素沈着」が起こる場合があります。
これはレーザーによる熱ダメージによるもので、治療前のシミとは異なる状態です。
肌のターンオーバーによって自然と解消されていきますので、過度に不安になる必要はありません。
炎症後色素沈着の予防や、発生した場合の改善を早めるための処置としては、ハイドロキノンなどの外用薬を使用することが多いです。
恵比寿アズクリニックのシミ取りレーザー治療
恵比寿アズクリニックでシミ治療に使用するレーザーには、「ピコレーザー」と「CO2レーザー」の2種類があります。
①ピコレーザー(エンライトンSR)
ピコレーザーは、従来のレーザー治療機に比べて1000分の1秒(ピコ秒)という速さでレーザーを照射することができます。それにより肌への負担が少なく、ダウンタイムを抑えることができるため、これまでのレーザー治療の欠点を補った革命的なレーザーと言われています。
いわゆる「シミ取りレーザー」と呼ばれる治療は、このピコレーザーをピンポイントに照射することで、ターゲットの色素粒子を粉砕する治療法です。
高い治療効果と安全性を兼ね備えており、従来のレーザーと比べ炎症後色素沈着も発生しにくいと言われています。
②CO2レーザー
Co2レーザーは、メスを使用せずに盛り上がったほくろやイボを除去する治療機です。
肌の深部や周囲の皮膚に不要なダメージを与えず、切開に比べて傷跡が残りにくいのが特徴です。
ピコレーザーでは複数回の施術が必要となりがちな厚みのあるシミも、1回の施術で改善できる場合が多いのが特徴です。
レーザー治療の最適な時期とは?
シミ取りレーザーを受けるのに適切な時期は、秋から冬にかけてです。
治療後の肌は特に敏感になるため、紫外線による刺激は大敵。紫外線が比較的弱い時期に受けることで、炎症後色素沈着も起こりにくくなります。
また、どんな季節に受けたとしても、治療後はしっかりとした日焼け対策が必要です。
レーザー治療と光治療
シミ取りレーザーと並び、シミ改善に人気なものに「光治療」があります。
この二つの大きな違いは使用される光の種類。光治療は、複数の波長の光を組み合わせて照射しています。
シミ以外にも、赤みやくすみ、毛穴などさまざまトラブルに対応可能ですが、レーザーに比べるとパワーは控えめです。
一方レーザー治療は、特定の波長の光のみを使用することで、メラニン色素に対してより高い効果を発揮することができ、強力にシミを取り除くことができます。
レーザー以外には?さまざまなシミ治療の方法
シミの状態によっては、シミ取りレーザーが適応でない場合もあります。そんなときにどのような治療の選択肢があるのか、恵比寿アズクリニックで提供している施術を例にご紹介していきます。
ピコトーニング
ピコトーニングは、シミ取りレーザーにも使用する「ピコレーザー」を、弱いレベルで広範囲に照射する治療方法です。
スポット照射とは違い、1度でシミを取りきることはできませんが、複数回施術を行うことでメラニン色素を徐々に分解して体外へ排出し、シミや肌のくすみを目立たなくしていきます。
ダウンタイムがほとんどなく、通常のレーザー治療が刺激となってしまう「肝斑」の治療にも対応できます。
ピコレーザーでできる治療については、恵比寿アズクリニック公式YouTubeチャンネルで解説動画を公開しています。そちらもぜひご覧ください。
フォトフェイシャル
フォトフェイシャルは、IPL(Intense Pulse Light)という特殊な光を照射することで、肌のシミやくすみ、赤み、細かなしわ、毛穴の問題など、あらゆる肌の悩みを一挙に改善する美肌治療です。
こちらもシミを1度で消すことはできませんが、レーザー治療とは異なり、ダウンタイムがほとんどないのがメリットです。顔全体に広がるシミやそばかすなど、テープ保護が難しい場合に有効な治療といえます。
恵比寿アズクリニックで導入している「ステラM22」というフォトフェイシャル機器は、波長の選択肢が多く、悩みに応じて細やかなカスタマイズが可能です。
ポテンツァ
ポテンツァは、高周波(RF)のエネルギーを活用した美容施術です。
チップをカスタマイズすることで、さまざまな肌悩みに応じた治療が可能となります。中でも「S-16」や「S-25」のチップは肝斑治療に効果が見込まれます。
極細の針を肌表面に刺し、針先から高周波エネルギーを照射することで、メラニンの生成を抑制することができます。
同時に赤みを改善する効果も期待できるため、赤ら顔が気になる方にもおすすめの治療方法です。
医薬品による治療
施術の補助として、内服薬や外用薬を処方する場合があります。
内服薬としては、抗酸化作用を持つビタミンCや、ビタミンE、肝斑に高い効果を発揮するトラネキサム酸などを使用します。
外用薬としては、メラニンの生成を抑える働きを持つハイドロキノンを使う場合があります。
シミ治療を検討している人が知っておくべき4つのポイント
気になるシミを速やかに解消したいと思っている方にとって、美容皮膚科での治療は魅力的な選択肢ですが、初めての方にとっては不安も多いと思います。
そこで治療に臨む前に知っておくと安心なポイントをご紹介します。
①目指す肌の状態を明確にする
レーザー治療を受ける前には、「美しい肌になりたい」という漠然とした希望だけでなく、具体的に「どのような肌状態を目指すのか」を自分の中で明確にしておきましょう。
どのシミをどの程度改善したいのか、どんな肌質に憧れているのかをリストアップしておくと、診察時に医師とのコミュニケーションがスムーズになります。
これは、期待する仕上がりとのギャップを避けるためにも重要です。
②カウンセリングは納得できるまで行う
美容皮膚科での施術は効果も大きい反面、リスクが伴う場合もあります。また、自由診療である程度の費用が必要となりますので、自分自身で納得のいく治療を選択することが大切です。
「質問しすぎるのは迷惑かもしれない」とためらうことなく、疑問や不安が解消されるまでカウンセリングを重ねましょう。納得ができないならば治療を見送る選択肢もあります。
③クリニック選びは専門医の資格をチェック
クリニックを選ぶ際は、治療を担当する医師が専門医の資格を持っているかどうかを確認しましょう。
皮膚科か形成外科の専門医として実績を持っているかを確認することで、技術力や知識のレベルをある程度保証されます。
キャンペーン価格で治療を提供する新人医師もいますが、値段だけで決めずに経験豊富な医師に依頼するようにしましょう。
④治療にかかる予算
シミの取り除きに関わる治療には、シミの広がりや大きさに応じて費用が変動します。
クリニックによっては、麻酔やアフターケアの費用が別途必要になることもありますので、何にどれだけの費用がかかるのかを事前によく確認しましょう。
また、費用体系が不透明なクリニックは避けるのが無難です。
まとめ
シミ取りレーザーは、効果が大きい分ある程度のダウンタイムがあります。大切な予定が控えている場合には、余裕をもって施術を受ける必要がありますので、医師と確認しながらしっかりと治療計画を立てることが重要です。
カウンセリングや診察、アフターケアを丁寧に行ってくれるクリニックを選ぶことが成功のカギ。
下調べをしっかり行い、しっかり納得できたうえで治療を受けるようにしましょう。