シミ・ソバカスなどさまざまな肌トラブルの原因となる紫外線。そんな美肌の大敵から肌を守るためには、日焼け止めが欠かせません。
しかし「たくさんの商品があってどれを選べば良いのかわからない…」と、なんとなくの感覚で日焼け止めを選んでしまってはいませんか?
日焼け止めは、選び方や使い方が正しくないと効果が半減してしまうこともあります。正しい知識を知って紫外線対策をし、美肌をキープしていきましょう。
この記事のポイント
なぜ日焼け止めを使うの?紫外線の影響とは
地表に届く紫外線には、紫外線A波(UV-A)と紫外線B波(UV-B)の2種類がありますが、日焼け止めを使うことでその影響をおさえることができます。
効果的に日焼け止めを活用するためにも、紫外線と日焼け止めの基礎知識を覚えておきましょう。
紫外線とは
太陽光には可視光線(目に見える光)・赤外線・紫外線の3種類があります。
そのうち紫外線は波長が最も短い光であり、UVA・UVB・UVCの3つに分かれています。それぞれに特徴があり、浴びた場合の肌へのダメージも異なります。
紫外線の種類と特徴
UV-A | 波長が最も長く、肌内部まで届く紫外線。 窓ガラスやカーテンなどの物質を透過しやすく、曇りの日でも地上に届いている。 |
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UV-B | オゾン層で吸収されるが、一部は地上に届く。 量は少ないが肌への影響が強い。 |
UV-C | オゾン層で吸収されるため、ほとんど地上には届かない。 ただしオゾン層の破壊が進むと、将来的に地表に届くようになる恐れがある。 |
季節ごとの紫外線の量
年間を通じて紫外線は降り注いでいますが、その量が最も多いのは7月~8月の夏場です。日照時間が多くなるため紫外線量も増加します。
しかし紫外線そのものが一番強くなるのは5月~8月までの時期。中でも梅雨の時期は紫外線の量もさほど多くありませんが、紫外線の強さは最大になるのです。特に梅雨の晴れ間の紫外線には注意しましょう。
秋冬は春夏に比べ紫外線も穏やかになりますが、日常的なUV対策は必要です。また環境によっては真夏並みの紫外線量になる場合もあります。
空気が澄んでいる冬場はその分、紫外線の透過も良くなっていますし、真っ白な雪が降り積もったゲレンデなどは太陽光の反射により日焼けしやすい環境になっています。
そのため一年を通じて紫外線対策をすることが美肌への第一歩なのです。
紫外線の害
無防備に紫外線を浴びた場合、さまざまな肌トラブルが引き起こされます。
それぞれの紫外線による肌への影響を知り、日焼け止めでしっかり対策をしていきましょう。
紫外線が及ぼす肌への影響
UV-A | 波長が長く肌の真皮層まで到達。 ハリ・弾力をキープする線維芽細胞にダメージを与え、シワ・たるみ・乾燥などの光老化を招く。 さらに、すでに潜んでいるメラニン色素を黒化させシミ・ソバカスを濃くしてしまう。 浴びた直後にダメージが現れるわけではないが、じわじわと蓄積されるため注意が必要。 加齢や何らかの刺激をきっかけに急激に表面化することも。 |
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UV-B | UVAに比べ波長は短いものの強いエネルギーを持つ。 短時間浴びただけでも肌が赤くなったり、数日後に皮がむけて肌が黒くなったりすることも。 肌表面の炎症だけでなく、メラノサイトを刺激しシミ・ソバカスの原因となる。 |
日焼け止めの基礎知識
日焼け止めのパッケージには必ずSPF値とPA値が記載されています。これは国で定められている、紫外線からの防御効果を数値化したものです。
この数値を目安に、クリーム・ジェル・乳液など好みの質感の日焼け止めを選ぶようにしましょう。
SPF値とは
SPF値とは、UV-Bから肌を守る数値の目安です。
SPF1=20分と換算して、紫外線を防ぐ効果の目安時間を表しています。例えばSPF10の日焼け止めを使った場合「紫外線を浴びてから200分後まで、UV-Bによる影響が出てくるのを遅らせることができる」という効果が得られます。
そのため、”SPF数値が高ければ高いほど紫外線から肌を防御する力が強い”ということではありません。
シーンに合わせて適切な日焼け止めを選ぶことが大切です。
SPF値の目安
SPF10~30 | 通勤、通学、近所への買い物、洗濯干しなど(1時間程度) |
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SPF20~40 | 屋外での軽いレジャー、スポーツ(2~3時間程度) |
SPF50/50+ | 海・山・プールでのレジャー、旅行など(終日) |
PA値とは
PAとは紫外線A波からお肌を守る機能を+記号で表したものです。
「PA+」~「PA++++」までの4段階と国で定められています。プラス記号が多いほど防御効果は高くなるので、その日の予定や状況に合わせて使い分けると良いでしょう。
PA値の目安
PA+/PA++ | 通勤・通学・家にいる日など |
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PA+++ | 屋外での軽いレジャー、スポーツ |
PA++++ | 海・山・プールでのレジャー、旅行など |
ノンケミカル処方とは
日焼け止めには、パッケージにノンケミカルと書かれているものとそうでないものがあります。これは簡単に言うと日焼け止めの処方の違いを表しています。
日焼け止めの主な処方は紫外線吸収剤と紫外線散乱剤に分かれており、ノンケミカルと記載のあるものは紫外線散乱剤を使用しているということになります。
日焼け止め防止成分の違い
紫外線吸収剤 | 肌の上で紫外線を吸収し、科学的に熱やエネルギーに変質させて放射することで肌に入るのを防ぐ。 紫外線カット効果は紫外線散乱剤よりも高いとされているが、人によっては刺激になる場合も。 |
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紫外線散乱剤 | 物理的に紫外線を反射・散乱させて肌に入るのを防ぐ。 紫外線が当たっても肌の上で変質しないため、刺激になりにくい特徴がある。 敏感肌用の日焼け止めや下地、ファンデーションに使用されていることが多い。 |
豆知識ですが、近年では世界中のサンゴ礁が危機に直面しており、日焼け止めに含まれる紫外線吸収剤などの成分がその一因とされています。
海に流れ込んでいる日焼け止めは年間約14,000トンとも言われ、多くの化学物質が海を汚染しているのです。
サンゴを保護するため、アメリカハワイ州をはじめ国や地域によってはサンゴにとって有害な物質を含む日焼け止めを禁止している場所もあるのが事実。環境にも肌にも優しい日焼け止めを使いたいものですね。
シチュエーション別!絶対焼きたくない人の日焼け止め選び
紫外線による肌への影響ををしっかり防ぐためには、生活スタイルやシーンに合わせて快適に使える日焼け止めを選ぶ必要があります。
ここからは、シチュエーション別ごとに最適なアイテムを選ぶコツをご紹介します。
また日焼け止めは適切な量を塗ることが大切。パッケージに記載のある使用量を守るようにしましょうね。
通学・通勤・日常生活
日中、屋内にいることの多い人なら「SPF10~15/PA+~PA++」程度の日焼け止めで対応できます。
通勤・通学や近所への買い物、洗濯干しなどで浴びる日常紫外線は、下地やファンデーションに含まれているUVカット効果だけでも十分。
ただし、塗りムラがあったり汗や皮脂で流れてしまったりすると効果が落ちるので注意しましょう。
買い物・屋外でのスポーツ
長時間の買い物や外出、屋外での軽いスポーツ(公園・サイクリング等)、外回りの多い仕事の人などは「SPF20~40/PA++」以上の日焼け止めがオススメです。
UVカット効果の高い下地や日焼け止めに、ファンデーションを重ねればより安心。
夏場は特に、汗や皮脂で崩れてくると紫外線カット効果も半減するので、こまめな化粧直しが必要です。
旅行・レジャー・マリンスポーツなど
ほぼ屋外で過ごす旅行やスポーツ、テーマパークなどのレジャーシーンには「SPF40~50+/PA+++」以上の日焼け止めを使いましょう。
ウォータープルーフタイプなら、汗や皮脂にも強いので紫外線カット効果が持続します。しかし汗をタオルで拭いたり擦れたりすると日焼け止め効果が半減するので、どうしても焼きたくない人は、まめに塗り直しましょう。
敏感肌の場合は?
敏感肌の方には、比較的肌への負担が軽いとされているノンケミカル処方の日焼け止めをオススメします。
ただし、ノンケミカルタイプの日焼け止めの特徴として、独特のきしむ感覚や白浮きするものがあるので、購入前に着け心地を試しておきましょう。心配な人はサンプルからトライしてくださいね。
唇のUVカットも忘れずに!
顔やボディの日焼け対策はバッチリでも、うっかり忘れがちなのが唇です。
唇は乾燥しやすく、非常にデリケートなので紫外線の影響も受けやすくなっています。
気づいたら唇にシミができていた…なんていうことの無いよう、UVカット効果のあるリップクリームや口紅で保護するようにしましょう。
日焼け止め効果をキープするコツ
朝にきちんと塗った日焼け止めも、汗や皮脂による化粧崩れ、手が触れたときの擦れ、タオルで拭いたときなど、知らず知らずのうちに落ちたりムラになったりしているので要注意。崩れた部分から紫外線が入りやすくってしまいます。
きちんと日焼け止めを使っているのに、シミ・ソバカスができてしまったという場合はほとんどそれが原因です。
ランチ前にはメイク直しを!
1日のうち紫外線が特に強くなるのは午前10時~午後2時の間。ランチなどで外に出る人も多い時間帯です。
特に夏場は午前中にかいた汗や皮脂で化粧が浮き、崩れ始める時間でもあります。
そのままの状態で紫外線を浴びると、崩れ始めた部分が紫外線ダメージを受けてしまうため、UVカット効果のあるパウダーなどでおさえ、簡単にメイク直しをしてから外出するようにしましょう。
日焼け止めスプレーを活用する
外出中などで化粧直しの時間が取れない場合は、日焼け止めスプレーが便利です。
顔に使えるタイプなら、汗や皮脂をオフした後、そのままスプレーして軽く手でおさえ、パウダーで仕上げればOKです。
そのまま首や腕などにも使えますし、レジャーやスポーツシーンでも便利です。
日焼けをした後に気を付けること
日焼け後は皮膚が軽い火傷をしている状態。早く回復させるためにはアフターケアが大切です。
冷やす
痛みや赤みがあるときはしっかりと冷やし、患部のほてりを鎮めましょう。
冷やした後にヒリヒリ感がなくなっていれば、抗炎症作用があるローションなどを塗るのもオススメです。
保湿する
日焼けをすると肌は乾燥しやすくなります。スキンケアでしっかり保湿し、うるおいを保つことが大切です。
デリケートな肌には敏感肌用のスキンケアアイテムがオススメ。赤みが落ち着くまではスペシャルケアは避け、シンプルなケアにとどめましょう。
ケアをする際、叩き込む・擦るなどは絶対にNGです。
あえて日焼けしたい場合には?
小麦色の日焼け肌が理想の人も、海や公園で無防備に日焼けするのはNGです。そのまま浴びていると水ぶくれやヒリつき、痒みなど思わぬ肌トラブルを引き起こすことがあります。
肌を焼きたい時はサンオイル等で肌を保護し、SPF値の低い日焼け止めをムラなく塗ってから日差しを浴びるようにしましょう。
オススメ日焼け止め3選
具体的にオススメの日焼け止めアイテムを3つ紹介します。特徴や使い勝手の異なるものを集めましたので、日焼け止め選びの参考にしてください。
また今回ご紹介するアイテムは全て恵比寿アズクリニックで取り扱いがございます。
カウンセリングでは肌質に合った商品をご提案することも可能ですので、ぜひご相談ください。
プルエスト トーンアップUVプロテクター
出典:プルエスト公式サイト
価格(税込):3,300円/25g
紫外線カット効果:SPF50+/PA++++
ノンケミカル処方でありながら国内最高値の紫外線カット効果を実現したクリームタイプの日焼け止めです。
保湿力が高く、しっかりと肌に密着して日焼けと乾燥から守ります。
化粧下地としても使用でき、自然なトーンアップ効果で肌を明るく見せてくれますよ。
ナビジョンDR TAホワイトプロテクトUV
出典:ナビジョンDR公式サイト
価格(税込):4,400円/30g
紫外線カット効果:SPF50/PA+++
美白有効成分としてトラネキサム酸と4MSK、さらに抗炎症作用のあるグリチルリチン酸2Kを配合した薬用日焼け止め乳液です。紫外線から肌を守るのと同時に、メラニンの生成をおさえシミ・ソバカスを防ぐ効果があります。
伸びが良く、乾燥しにくいのも嬉しいポイントです。
レカルカ フレグランスUVカットスプレー
出典:レカルカ公式サイト
価格(税込): 2,530円/60g
紫外線カット効果:SPF50+/PA++++
スプレータイプの日焼け止めで、顔や身体はもちろんヘアにも使用できます。国内最高値の紫外線カット効果があるため、手軽なお直し用アイテムとして非常にオススメです。
またフラーレンやビタミンCなどの潤い成分もたっぷり配合しており、UVケアと同時にスキンケアまでできる優秀アイテムです。
FAQ
最後に、日焼け止めにまつわるよくある質問にお答えしていきます。
《Q》日焼け止めは開封してからどれくらいの期間使用できますか?
使用状況や保管条件により異なりますが、開封後はなるべく早めに、できれば購入したシーズン中に使い切ってください。
前年の残りは使用しない方がよいでしょう。
また極端な高温や低温での保管は避けてください。
《Q》日焼け止めはスキンケアのどのタイミングで塗ればよいですか?
乳液で肌を整えてから日焼け止めを塗り、その上からファンデーションを重ねづけする方法が効果的です。
《Q》紫外線吸収剤は肌に悪いのでは?
紫外線吸収剤の中にもさまざまな種類があり、肌への安全性を高めたものも沢山あります。
そのため必ずしも肌に悪いというわけではありません。
まとめ
日焼けは美肌の大敵。ですが、太陽の光には血行促進や骨形成、殺菌・滅菌効果、気持ちを前向きにさせる作用など人体にとって必要な役割があるのも事実です。
日焼け止めを使いつつ、紫外線と上手に付き合いながら過ごしたいですね。