出産後、赤ちゃんとの生活が始まると「眠れない・休めない・自分の時間なし」という状況に陥りがち。そんな中多くの女性が肌荒れに悩まされてしまいます。
「産後もきれいなママでいたい!」と願っても、スキンケアの時間がなかなかとれないということもありますよね。そこで今回は、産後の肌荒れ対策について解説します。自宅でできるケア方法から美容皮膚科で受けられる時短施術まで紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
この記事のポイント
産後によくある肌荒れの症状
産後はさまざまな肌トラブルが起きがちです。よくある症状としては次のものが挙げられます。
・乾燥
・色素沈着(シミ・そばかす・くすみ)
・ニキビ
・ざらつき
・シワ・たるみ
もともとの肌質によっても起きやすいトラブルは変わってきます。症状が出る部位も、顔だけでなくお腹や腕、胸、脛などそれぞれです。
初産かどうかも関係なく「上の子のときは何ともなかったけど、下の子のときはひどい肌荒れが起きた」などのケースもあります。
産後はケアの時間が十分にとれないこともあるため「気が付けば症状がひどくなっていて、改善に時間がかかってしまう」なんてことも。できるだけ早いうちに対策することが大切です。
産後の肌荒れの原因
産後の肌荒れの原因は、大きくわけて4つ考えられます。
それぞれについて解説していきます。
ホルモンバランスの変化
最も大きな原因と言えるのがホルモンバランスの変化です。妊娠中は妊娠を維持するために、エストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンが多く分泌されます。特にエストロゲンは「美肌のホルモン」とも呼ばれ、コラーゲンの生成を促しツヤのある肌に整えてくれるため「妊娠後期は肌の調子が良くなった」と感じる人も多いです。
しかし出産を終えるとこれらのホルモンが急激に減少し、バランスが乱れがちになります。その変化が肌荒れとなって表面化してしまうのです。
ストレス
産後の生活はこれまでと全く違うものになり、ストレスが溜まりやすいものです。
24時間体制で赤ちゃんの面倒をみなければならないため、眠れない日々に疲れ切ってしまうこともあるでしょう。また、自分の思うように行動できないことも多く、大きなストレスとなってしまいます。さらに赤ちゃんを育てることへのプレッシャーは精神的ストレスにつながります。
ストレスが溜まると血行が滞り、肌に栄養が届きにくくなってしまいます。またホルモンバランスも乱れやすく、ただでさえ荒れやすい産後の肌に追い打ちをかけてしまうのです。
子育てにバタついている中でストレスを発散させるのは難しいかもしれませんが、周囲の人の協力を得ながら、自分の時間を確保する工夫をすることが大切です。
生活習慣の乱れ
生活習慣の乱れも産後の肌荒れに大きく影響します。
子育てに一生懸命になるあまり、ご自身の生活が疎かになってはいませんか?
・睡眠不足
・食生活の偏り
・シャワーのみの入浴
・スキンケア不足
・運動不足
これらはストレスの発生にもかかわっていますので、時間がない中でもできるだけ自分を労わることが大切です。
特に睡眠は肌のターンオーバーに欠かせない要素ですが、産後の生活の中ではなかなか睡眠時間を確保できないこともありますよね。生まれてすぐの赤ちゃんはまとまった時間寝てくれないことが多く、夜中も何度も起きて授乳する日々が続きます。睡眠不足は肌再生のサイクルを乱し、肌荒れにつながってしまうのです。
便秘
産後は骨盤底筋の衰えや母乳分泌による水分不足、自律神経の乱れといった体内環境の影響で便秘になりやすい時期です。便秘が続くと血液中に毒素が増え、血行不良や代謝の低下から肌荒れにつながります。
改善のためには水分や食物繊維、発酵食品などを積極的に摂取したり、適度な運動を心がけたりすることが有効ですが、生活習慣の見直しだけでは改善できない場合もあります。そんなときは、便秘薬に頼るのもひとつの手です。市販薬の中にも授乳中に服用できるものがありますので、薬剤師に相談しながら選んでみてください。
産後の肌荒れ、いつまで続く?
個人差はありますが、産後に乱れたホルモンバランスは半年~1年程度をかけて徐々に整っていきます。また産後1年~1年半ほど経つと赤ちゃんの夜泣きもおさまってくるため、変わらず忙しくはあるものの生活リズムが整えやすくなってきます。
体内環境や生活リズムが整えば、肌の状態も安定していくでしょう。「いつまで続くのだろう…」と過度な不安をかかえていると、それがまたストレスとなって余計に肌荒れを悪化させてしまうこともありますので、大変な時期もいつかは終わると前向きとらえられると良いですね。
出産から1年以上たっても肌が安定しない場合には、無理せず皮膚科やかかりつけ医に相談してみてください。また1年未満であっても、ひどい肌荒れや気になる症状がある場合には医師に相談することをおすすめします。
産後の肌荒れ対策、これだけは意識して
バタバタと忙しい産後、丁寧なスキンケアを行うのはなかなか難しいですよね。
そんな中でも肌荒れを悪化させないために、次の3つのポイントを意識してみてください。
・保湿だけはしっかり行う
・隙間時間にストレス発散
・食べるものに気を配る
それぞれについて解説していきます。
保湿だけはしっかり行う
乾燥はあらゆる肌トラブルの原因です。しっかりと保湿を行うだけでも、肌のバリア機能が整いやすくなりますよ。
できれば「化粧水→美容液→乳液・クリーム」と段階を踏みたいところではありますが、そうもいかない日が多いと思います。洗顔後に「何かひとつしか塗る時間がない!」というときは、乳液やクリームを優先させましょう。
またオールインワンタイプのスキンケアを用意しておくと、手早くケアが完了できて便利です。
一方で紫外線によるダメージも乾燥の原因となります。メイクをしている暇がないときも、日焼け止めだけは塗っておくことをおすすめします。
隙間時間にストレス発散
ストレス発散は肌荒れの改善につながるだけでなく、気分が落ち込みがちな産後のメンタルケアとしても重要です。
それぞれの家庭の状況にもよりますが、家事や育児をパートナーと分担したり、近くに家族が住んでいる場合は協力してもらったりして、自分の時間を確保できると理想的です。数十分~数時間だけでも、ひとりで外へ出る時間をとると気持ちもスッキリして、また頑張る気持ちが湧いてくるでしょう。
難しい場合には、家の中でできるストレス発散方法を用意しておくのがおすすめです。
・ここぞというときに食べるご褒美お菓子を買っておく
・ストレッチやヨガなど隙間時間にできる軽い運動を取り入れる
・同時期に子育てをしている友人と通話アプリでおしゃべりする
などなど…自分なりのストレス解消方法を模索しておきましょう。
また家事や育児に完璧を求めすぎないことも大切です。育児にかかるプレッシャーはただでさえ大きいもの。手を抜けるところは抜き、できるだけ楽な気持ちで取り組むことで、ストレスもたまりにくくなるはずです。
食べるものに気を配る
栄養バランスのとれた食事は美肌の基本。とはいえ自分の食べるものにまで気を配れないというのが産後の現実ではないでしょうか。パーフェクトにする必要はありませんので、できる範囲で食事に気を付けてみてください。
・宅配食サービスを利用する
・豆腐、ヨーグルト、カップもずくなど、調理や片付けの手間のない食材を活用する
・余裕のあるときに作り置き料理を用意しておく
また不足しやすい栄養素はサプリメントで補っても良いでしょう。授乳中の服用に注意が必要なものや、飲み合わせの悪い種類などもありますので、医師や薬剤師に相談しながら選んでくださいね。
産後の肌荒れにおすすめの美容医療
通院の時間がとれる場合には、皮膚科や美容皮膚科を頼ってみるのもおすすめです。ご自身でケアをするよりも効果的に肌荒れを改善でき、リフレッシュにもなります。
美容皮膚科で受けられる美肌治療の中には、施術時間が短くダウンタイムのない施術もたくさんありますので、手軽に受けていただくことが可能です。ぜひ医師に相談してみてください。
ここからは、恵比寿アズクリニックで受けられる産後におすすめの施術を紹介します。診断次第にはなりますが、基本的に全て授乳中OKな施術ですので、安心して受けていただけます。また公式YouTubeでも同じ内容をご紹介しています。「動画の方が作業しながら見られて良いな」という方は、こちらでチェックしてください。
エレクトロポレーション
時短メンテナンスとして非常に人気の高い施術がエレクトロポレーションです。肌に美容有効成分を塗布した状態で、専用の機器で微弱な電流を流すことで、成分を肌のより奥深くに浸透させます。
通常のスキンケアよりも格段に美容成分を浸透させることができるので、肌の状態を整えることにつながります。乾燥が気になる方には特にはぜひ受けてみていただきたい施術です。
薬剤にはさまざまな種類があり、肌悩みにあわせて選ぶことができますよ。
ビタミンC | 美白、弾力アップ、毛穴の引き締め、ニキビ改善 |
トラネキサム酸 | 美白 |
ピンクグロー+トラネキサム酸 | 保湿、シミ改善、小じわ改善、弾力アップ |
ペップビュー | シワ改善 透明感・弾力アップ |
中でもペップビューは「塗るボトックス」とも呼ばれるアルジルリンをはじめ、肌にハリや透明感をもたらす有効成分を多数配合しています。授乳中はボトックス注射を受けることができない分、こうした施術でシワ対策をしておくことで、若々しい肌を維持できておすすめです。
公式YouTubeでは施術風景を公開していますので、ぜひあわせてご覧ください。
ケミカルピーリング
こちらも全体的な肌の調子を整えるのに有効な施術です。酸性の薬剤を顔全体に塗布することで肌表面にある古い角質を取り除きます。薬剤による多少のピリピリ感や赤みなどが出る場合もありますが、基本的に痛みやダウンタイムはなく、肌のメンテナンスとして高い人気を誇ります。
アズクリニックでは、お肌の状態に合わせマッサージピールとミックスピールマヌカの2種類の施術からご提案しています。
マッサージピールは、乾燥や小じわ、軽度のたるみが気になる方や、妊娠を機に黒ずみ・色素沈着が出てきてしまったという方におすすめです。
ミックスピールマヌカは、ニキビや毛穴の黒ずみ、角質肥厚が気になる方にぜひ受けてみていただきたいです。
レーザートーニング
産後にシミ・そばかすが増えてしまった方や、くすみ・色素沈着が気になる方におすすめのトーンアップ治療です。
医療用レーザーを広範囲に弱いレベルで照射することで、メラニンを少しずつ分解・排出していきます。シミ・そばかす改善には複数回の施術が必要ですが、施術中の痛みやダウンタイムはほとんどなく、気軽に受けていただけます。
特に恵比寿アズクリニックで導入しているピコレーザーによるトーニング治療は肝斑改善にも有効。肌の全体的なトーンアップにもつながるため、明るい印象の肌にしていくことができますよ。
フォトフェイシャル
IPLという特殊な光を照射することでくすみ、赤ら顔、小じわ、毛穴の開きなどさまざまな肌トラブルを一挙に改善する治療です。こちらも痛みやダウンタイムはほとんどありません。
恵比寿アズクリニックでは、厚生労働省より認可を受けた医療機器「ステラM22」を使用して施術しています。従来のフォトフェイシャルと比べ波長の選択肢が増え、悩みに応じて細やかなカスタマイズが可能です。
ただし肝斑にはあまり有効ではないため、肝斑のある方にはレーザートーニングをおすすめしています。
ハイフ
たるみやシワが気になる方におすすめなのが、ハイフです。超音波エネルギーを活用し、切らずにたるみを改善することができます。
恵比寿アズクリニックでは「ウルトラフォーマーMPT」という機種を使用しており、2つの照射モードを使い分けることにより短い施術時間で痛みを抑えながらの治療が可能です。
さらに持続期間も4~6か月程度と比較的長く、頻繁に通院する必要がない点も産後ケアに向いています。
特に頬のたるみやほうれい線、顔全体のたるみが気になる方におすすめです。
ポテンツァダイヤモンド
ポテンツァダイヤモンドもハイフと同様たるみ改善に人気の施術ですが、より皮膚の浅い層に働きかけ、乾燥による小じわや皮膚のハリ改善に効果的です。
そもそもポテンツァとは高周波(RF)のエネルギーを活用した美容施術で、チップをカスタマイズすることで、さまざまな肌悩みに応じた治療が可能となります。中でもポテンツァダイヤモンドは針のないダイヤモンドチップを使用するため、施術中の痛みやダウンタイムはほとんどありません。
短時間の施術で直後から効果を実感できますよ。
まとめ
産後は思うようにスキンケアに手間をかけられないことが多く、肌荒れしたときも「ちゃんと肌管理ができていないからだ」と自己嫌悪に陥ってしまう方がいます。しかし産後の肌荒れの原因をしっかり理解しておけば、ある程度仕方のないものなのだと割り切ることができるでしょう。
自分を追い込みすぎず、時には専門医に頼りながら、忙しい子育て期間を乗り越えていきましょう!